0

宣伝なし訪問営業なし…「ノルマなんてとんでもない!」で19年連続黒字のさくら住宅が愛されるワケ

2017年10月8日 10時00分 (2017年10月31日 11時00分 更新)

さくら住宅の二宮生憲(たかのり)社長。「リフォームといえば“悪徳”との業界イメージを払拭したい」

[拡大写真]

横浜市栄区の桂台地区は約4千世帯が暮らす戸建て住宅地だが、5軒に1軒は「さくら住宅」(1997年創業、社員数50人)が家のリフォームを手掛けたものだ。さらに、顧客には工事が終わると株主になり、さくら住宅を支える人も少なくない(前編記事参照)。

同社が地域で選ばれ続けるのは、他の業者なら応じない些細な依頼にも応えてくれるから。「洗面台の鏡を交換してほしい」「コンロの火がつかない」「電球を交換して」…。小さな依頼にも手間を惜しまず迅速に対応する。これがさくら住宅の基本姿勢だ。

では、どうやって利益を出しているのか?

2016年度、さくら住宅が実施した3万円以下の小規模工事(障子の張り替え、電気の修理等)は全体の47%。現場の職人に賃金を払えば利益が吹っ飛ぶ赤字仕事が半分だ。ところが、売上額で見ると小規模工事の割合はわずか2.2%。残り約98%の売上げは、外壁塗装や耐震補強工事、全面リフォームなどの大規模工事によるものだ。創業第一期こそ赤字だったものの、以後、毎年黒字を継続している。

日ごろから赤字仕事も引き受けてくれたからこそ、顧客は大規模なリフォームをさくら住宅に依頼する。この好循環が利益を生む原動力になっているのだが、二宮生憲(たかのり)社長はこれを経営戦略として狙ってやったわけではない。彼の心底にあるのはただひとつ、「困っている人がいるのに放っておけるか」との純粋な思いだった。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

今、あなたにオススメ