CPU由来の脆弱性情報(Meltdown and Spectre Vulnerability : CVE-2017-5753, CVE-2017-5754, CVE-2017-5755)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
01/03/2018にIntel/AMD/ARMを含むCPUのHW由来の脆弱性(Meltdown and Spectre Vulnerability)が公開されました。それに伴い、Linux Kernel等にも脆弱性情報の公開と修正情報(CVE-2017-5753, CVE-2017-5754, CVE-2017-5755)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
情報が未だ錯綜していますので、逐次情報は更新していく予定です。
HWメーカ情報
Intel: Intel Responds to Security Research Findings
AMD: オフィシャルな情報は未だ出ていません。
ARM: Vulnerability of Speculative Processors to Cache Timing Side-Channel Mechanism
OS・ディストリビューション提供情報
Kernel Side-Channel Attacks - CVE-2017-5754 CVE-2017-5753 CVE-2017-5715
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-5754
Kernelの割り当てたメモリの読み取りの可能性(Meltdown)
重要度 - Important
HW由来の脆弱性により、サイドチャネルを通じてアプリケーションが、他の任意のアプリケーションが割り当てたメモリに対して読み込みのアクセスが出来る可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-5753
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-5755
任意のアプリケーションのメモリの読み取りの可能性(Spectre)
重要度 - Important
HW由来の脆弱性により、サイドチャネルを通じてアプリケーションが、他の任意のアプリケーションが割り当てたメモリに対して読み込みのアクセスが出来る可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-5753
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-5753.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-5754.html
SUSE/openSUSE
Amazon Linux
Android
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Spectre (CVE-2017-5753 / CVE-2017-5755)
セキュリティ系連載案内
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