浅井が涙の2度目V グランプリ 【平塚】

KEIRINグランプリ2017を制覇し賞金ボードを掲げる浅井康太=デイリースポーツ社提供
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号泣する浅井=デイリースポーツ社提供
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ゴールする1着の浅井康太(9)、2着の武田豊樹(8)、3着の新田祐大(1、左端)
ゴールする1着の浅井康太(9)、2着の武田豊樹(8)、3着の新田祐大(1、左端)
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 今年優勝のなかった男が、大一番を制して賞金王に輝いた。「KEIRINグランプリ2017」(GP)は30日、平塚競輪場(神奈川県平塚市)を舞台に戦われ、浅井康太(三重、33歳、90期)が優勝し、賞金1億160万円を手にした。浅井は2年前の京王閣に続き2度目の制覇。2着は武田豊樹。人気の新田祐大は捲りが届かず、3着に敗れた。シリーズ3日間の総売上額は、約114億円(目標125億円)だった。

■「山田さんに追いつきたい」

 深谷マークで番手絶好の展開だった浅井康太が、ゴール前で力強い決め脚を発揮。2度目の1億円ゲットに成功した。「(4角は)諸橋さんに突っ込まれて危なかった。でも、そこで冷静でいられた精神面が、この結果につながった」

 年間優勝ゼロで臨んだGPにもかかわらず、万全の準備ができていた。「今年一年、結果という結果は残せなかったけど、GPでどうやったら勝てるかをずっと考えてきた」。浅井独特の“左重心”の乗車フォームはもちろん、毎日の練習を楽しみながらこなし続け、大仕事に備えた。

 「残り3周までは楽しみながら走って、そこから集中した」。腰痛が心配された深谷の先行は、想像以上の掛かり具合で「(別線の)捲りはきついだろうなと。ゴールしてからは、優勝した2年前の景色が思い浮かびました」と最高の笑みがはじけた。

 2018年は、2度目のGPユニホームを身にまとう。どのレースでも人気を集めることは相当なプレッシャーだが、覚悟はできている。「一番、格好いいと思っている1番車を背負って、来年もGPに出られるように頑張ります。そして、(GP3Vの)中部の偉大な先輩・山田裕仁(61期=引退)さんに追いつきたい。これからも、進化し続ける浅井康太を見ていてほしい」。浅井のチャレンジは、これからが本番だ。 (森川)

 ◆浅井 康太(あさい・こうた)1984年6月22日生まれの33歳。三重県四日市市出身、90期。2005年7月デビュー。通算成績は976走で318勝、優勝48回(GP2回、G1 2回=11年親王牌、11年オールスター、G2 1回=16年サマーナイト)。通算取得賞金は9億6541万8333円。179センチ、77キロ、O型。師匠は佐久間重光(41期)。

■戦い終わって

 武田豊(2着)自信がないわけではなかったが、難しい。(出るのを)待って待って待ち過ぎた。

 新田祐(3着)Sを取れなくてダメだと思った。来年はもっと競輪を走る本数が減ると思うので、勝っていろんな意味でアピールしたかった。

 三谷竜(4着)もうちょっと早く行けば良かった。平原さんも行けていなかったし、深谷が強かった。

 渡辺一(5着)初手が後ろになってしまった。新田君が捲り切ってくれれば勝負になったんだが。

 平原康(6着)捲り追い込みなら勝てたかもしれないが、自分のスタイルの力勝負に行こうと思えたのは良かった。

 桑原大(再入7着)いい競輪ができた。最後は失敗。三谷君は無理に行ってくれて、格好良かった。

 深谷知(再入8着)最低限の仕事はできた。状態は良かったし、次につながると思う。

GPのVTR

 桑原がSを取り、周回は三谷-桑原、深谷-浅井、平原-武田-諸橋、新田-渡辺。深谷が打鐘前先行し、鐘4角は中部、関東、三谷-桑原、福島両者。終HSで三谷が巻き返しを図るも叩けず、2角で平原が3番手捲りに出る。平原は捲れず3半で力尽きたが、後位の武田が外、諸橋は中から中部を強襲。諸橋は4角、浅井に体当たりした反動で深谷、桑原を巻き込み落車。直線入り口で抜け出した浅井が武田を抑えてゴール。2角8番手捲りの新田は外を踏み続けたが届かず3着。

=2017/12/31付 西日本スポーツ=