蹴球探訪
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【首都スポ】[大学ラグビー]帝京大と明大が決勝進出 9連覇か、21大会ぶりVか2018年1月3日 紙面から ◇大学選手権<準決勝>9連覇懸かる帝京大と21大会ぶりV狙う明大が激突!! ラグビーの第54回全国大学選手権は2日、東京・秩父宮ラグビー場で準決勝2試合が行われ、9連覇を目指す帝京大(関東対抗戦1位)と明大(同2位)が7日の決勝(秩父宮)に駒を進めた。両校による決勝は初。帝京大は2大会連続準優勝の東海大(関東リーグ戦2位)に31-12で逆転勝ち。明大も大東大(同1位)から後半に5トライを奪って43-21で逆転勝ちし、19大会ぶりに決勝進出を果たした。
◇帝京大31-12東海大ラグビーは相手が強くなるほど楽しい。冷たい北風が吹きつける新春の秩父宮ラグビー場で、V9を目指す帝京大が、絶対王者の懐の深い強さを見せつけた。相手は過去2年続けて決勝で対戦した東海大だったが、「準決勝で東海大学さんと対戦できたことで、準備を通じて成長する機会をもらえました」。試合後の帝京大・岩出監督はこう言った。 今季は準々決勝から中9日で準決勝、その後は中4日で決勝だ。日本代表5人を擁する最強の挑戦者との対戦を、準備に時間をかけられる準決勝で迎えたことで「充実した時間を過ごせました」と指揮官は話した。 東海大の強みを(1)堅い防御、(2)留学生の強さ、(3)キック戦術の3点と整理。フッカーの堀越康介主将(4年・桐蔭学園)は「学生たちで相手の強みをどう消すかを自分たちで理解できるよう、分析ミーティングをして試合に臨みました」と話す。突破されながら、それでも再三落球を誘ったしつこい防御も「分析した成果ですし、1年間やってきたことでもあります」と主将は語った。 言葉通り、開始直後に先制トライを奪われても王者に動じる気配はなかった。「あれでかえって落ち着いた」とFB尾崎晟也副将(4年・伏見工)。14-7と逆転して折り返すと、後半14分にCTBのN・マクカラン、21分WTB竹山の連続トライでケリをつける完勝に、勝利を知り尽くした指揮官は「会心のゲームをしてくれた」と学生たちを称賛。絶対王者がV9に王手をかけた。 (大友信彦)
◇明大43-21大東大19大会ぶりの決勝進出を告げる笛が鳴ると、紫紺のフィフティーンは力強く拳を突き上げた。明大が前半7-14から後半だけで5トライを奪う逆転劇。勝敗を決定付けたのは、CTB梶村祐介(4年・報徳学園)のスーパートライだった。 17-14と勝ち越した直後の後半21分。自陣22メートルライン付近で相手選手からボールを奪うと、敵陣深くキックを蹴って猛然とダッシュ。相手選手がタッチへ蹴り出そうとしたキックをチャージし、弾んだボールをつかむと、インゴールへ飛び込んだ。 直前に膝を痛めたとは思えない強烈なアタックを見せた副将は、10分後にもインターセプトからの快走で、中高の後輩、WTB山村知也(2年)のこの日2トライ目をお膳立てするなど大車輪の活躍。「流れがどちらに行くのか分からない時間帯。明治に流れを持ってこられた」と話した一方で、「うれしいが、決勝で勝たないと意味がない」と気を引き締めた。 今季のチームスローガンは「New“MEIJI”」。優勝すれば、部の礎を築いた北島忠治元監督が亡くなった1996年度以来の日本一となる。同年度の決勝が行われたのは翌97年1月。その年の12月に生まれた山村は「決勝進出まで長く(時間が)空いてしまったので、歴史を覆したいと思っていた」と言い、「シンプルに全国制覇に向かって、何が大事かと考えながら、一日一日練習に取り組んできた」と続けた。帝京大の9連覇を阻み、真の意味で新しい明治を見せつけたい。決戦はすぐ目の前だ。 (関陽一郎) ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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