トランプ米大統領:金委員長よりも「大きく強力な」核ボタン保有

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  • 北朝鮮への圧力が「大きな効果」を上げているとトランプ氏
  • 金正恩委員長は平昌五輪への代表団派遣の可能性に言及

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が1日、韓国との緊張緩和に向けた協議を提案する一方で、核のボタンは「常に私の机の上に置かれている」と表明したのを受け、トランプ米大統領は2日、自分はそれより「ずっと大きく強力な」核ボタンを保有しているとツイートした。

  金委員長は新年の辞で、北朝鮮の核抑止力は不可逆的なものだとし、それによってトランプ政権が戦争を始めるのを阻止できると主張した。

  これに対し、トランプ大統領は2日夜のツイッター投稿で、「疲弊し食料に飢えている政権の誰かが彼に伝えてくれないだろうか。核ボタンは私も持っており、それは彼のものよりずっと大きく強力であり、私のボタンは機能するということを!」と述べた。

  北朝鮮は3日、来月始まる平昌冬季五輪に代表団を派遣する可能性を巡って韓国と協議するため南北間の連絡回線をこの日午後に再開通させると表明した。韓国の聯合ニュースが北朝鮮の国営ラジオを引用して伝えた。韓国政府は2日、南北の高官級会談を9日に開催することを提案していた。実現すれば、南北間の公式協議は2015年以来となる。

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  金委員長からの韓国への提案は、トランプ政権発足後では、北朝鮮核問題の平和的な解決に向けて最も期待できそうな動きの一つとなった。トランプ政権は対北朝鮮制裁を強化し、核兵器開発を断念させるためには軍事行動を辞さない姿勢を示してきた。

  トランプ氏は2日、「制裁や『その他』の圧力が北朝鮮に大きな影響を与え始めている。兵士が危険を冒して韓国側に逃亡している。ロケットマンは今となって韓国との対話を初めて望んでいる。これは良いニュースかもしれないし、そうでないかもしれない。そのうちに分かるだろう」と述べた。

  金委員長が新年の辞で平昌五輪に代表団を派遣する用意があると表明し、南北対話の可能性にも言及したことについて、トランプ政権の高官は、米韓同盟にくさびを打ち込み、北朝鮮主導の南北統一を目指す試みだと指摘。米国は北朝鮮への統一的な対応について韓国と緊密に連絡しているとした。匿名を条件に語った。

  米国務省のナウアート報道官は2日に記者団に対し、「金正恩委員長による対話の提案の誠意について、われわれは非常に懐疑的だ」と発言。サンダース大統領報道官も同日、「われわれの方針は全く変わっていない」と述べた。

原題:Trump Touts ‘Bigger’ Nuclear Button in Retort to Kim Jong Un (2)(抜粋)

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