2015年10月から、直営の店舗販売に主軸を移したジャパンライフ。新たな体制となってからも順調に実績を伸ばし、店舗数は16年12月の時点で78カ所を数える。加えて、千葉県・奈良県・福岡県への初出店により、ネットワークも一層強化された同社のこれからの取り組みについて聞いた。

強固な製販一貫体制が成長を支える

170124_010_JAPANLIFE2_P01

ジャパンライフ株式会社
代表取締役社長
山口 ひろみ (やまぐち・ひろみ)

 ジャパンライフにとって2016年は、基盤固めをする上で極めて重要な年だった。新体制での本格的なスタートに加え、その先を見据えた販売拠点の拡充や商品ラインアップの充実にも重点を置いてきたのである。

 「この1年間に全国で10店舗を新規・移転オープンしました。進出していなかった千葉県・奈良県・福岡県への出店も果たし、より多くのお客さまの健康を支えるお手伝いができるようになりました」と山口ひろみ社長。さらに、装着タイプの磁気治療器3種、ビューティーケア商品4種、栄養補助食品1種の合計8品目をリリースし、商品開発にも積極的な姿勢を見せてきた。

 「ですが、むしろ慎重な展開だったと思います。原材料以外、すべて自前で開発・製造・供給・販売を行っている当社では、そのいずれの部門も従来以上の機能を達成できなければ、成長はできないと考えているからです。どれかが欠けた状態では、きめ細かいサービスは実現できませんし、信頼や品質を損なうことになりかねませんから」と続ける。だが、別の角度から見れば、社内全体がサプライチェーンを構成しているわけで、これほど強固な体質を備えている製販一体型の企業は、数えるほどしかない。実際、11年に起きた東日本大震災の折も、通常とほとんど変わりなく営業ができたという。進出していなかった3県についても、ロジスティクスなどの面を考慮し、安定供給のできる体制となるまでスタンバイしていた。足元からしっかりと築き上げていく姿勢は、創業から44年を迎える今でも変わらない。

地域に密着し、健康維持の意識づけを

 店舗のオペレーションについても、他には見られない取り組みを行っている。顧客とのコミュニケーションを最優先に、店舗自体を地域に密着した、いわゆるコミュニティー的な位置付けにすることを目指している。

 「高齢者の方々は、社会とのつながりがとかく希薄になりがちである上、一人暮らしの方も増えてきています。そういう状況を鑑みて、ジャパンライフの店舗を地域のコミュニティーにしていきたいですね。気軽に立ち寄れる場所、知っている人たちがいつもいる場所、そして健康に関する情報が得られる場所でなければならないと考えています」と山口氏は語る。

 予防医療をテーマとして、その啓蒙や意識づけをミッションの一つに掲げる同社では、健康維持のための情報の発信を店舗にも課しているのだ。そのため、スタッフも各地域での採用を行い、地元への貢献を第一に考えている。また、かつて代理店を担っていた年配のメンバーも迎え、顧客と同じ視点でアドバイスや健康相談のできる担当者として積極活用している。

170124_010_JAPANLIFE_P02

地域に密着した店舗づくりが利用者の支持を集めている

 「何よりも、健康を損なったら介護を受ければいいという現在の風潮を改めたいと思っています。ジャパンライフをその旗印に育てていきたいですね」

 今後の店舗展開について、当面の目標を100店舗としているが、山口氏の理想としては、少なくとも200店舗ほどは必要だという。今年の計画としては、候補地や準備室(地域での採用・マーケティングを行う)を含めて37カ所を挙げているが、実質的な新店舗は7〜8店舗と控えめだ。前述したように急ぎ過ぎることは避け、確実にサービス体制を整えた上での数字である。

新技術の導入や設備の拡充にも意欲的

 今年も商品開発には前向きで、磁気治療器の新型をリリース予定だ。しかし、医療製品としての認可が下りるまでに半年ほど費やすので、開発には早い段階でのアプローチが欠かせない。その上、ほんのわずかな仕様変更でも認可が必要だ。それだけ厳しい基準をクリアしているわけで、商品力という点では大きなアドバンテージを有している。

 「より優れたスペックを追求するため、新たな技術には常にアンテナを張り巡らせています。技術の進歩により、かつては不可能だった企画が実現できるようになったケースも少なくありません」とのこと。数年先には埼玉工場に化粧品の生産設備を新設する計画もあり、今後の展開には大いに期待が持てそうだ。

 

ジャパンライフ株式会社

  • 創業/1974年1月
  • 資本金/4億7640万円
  • 事業内容/家庭用永久磁石磁気治療器の製造・卸・販売、化粧品の卸・販売、健康寝具の製造・卸・販売、栄養補助食品、清涼飲料水の卸・販売
  • 会社ホームページ/http://japanlife-net.co.jp

170124_COPMANY43UNDER

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年2月号
[特集]
明治維新から考えるニッポンの原点

  • ・第3の開国を迎え日本の未来は地方にあり(加来耕三)
  • ・実務面で明治維新を後押し国家の礎をつくった薩長密航英国留学生
  • ・布衣の宰相・前田正名のもう一つの明治維新
  • ・「より良い未来の礎になると願い死んでいった西郷の青春群像」(林 真理子)

[Special Interview]

 榊原定征(日本経済団体連合会会長)

 経済界主導のイノベーションが日本経済の未来を輝かせる

[NEWS REPORT]

◆世界の外食王を目指すトリドール・粟田貴也の「野心」と「危機感」

◆東証一部に返り咲き シャープの復活は本物か

◆「越境EC」への投資から見る伊藤忠の本気度

◆上場廃止を免れた東芝を待ち受ける「モノ言う株主」

[政知巡礼]

長島昭久(衆議院議員)

「自民党にできない改革を引っ張っていく政党に」

ページ上部へ戻る

:)