やっと市販のパソコンインストール型青色申告ソフトから「やよいの青色申告申告 オンライン」へ乗り換えが終わりました。銀行口座やクレジットカードの利用明細をそのまま取り込めるやクラウド会計ソフトはやっぱり快適ですね。帳簿つけが毎月簡単にしかも間違えなく住みそうです。セルフプランなら1年間無料で使えるので助かります。以下にその「やよいの青色申告申告 オンライン」への申し込み方法から、期首の設定、さらには預金口座やクレジットカードの取引明細の自動取り込みまで解説します。
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乗り換えはなぜ「やよいの青色申告オンライン」なのか?
クラウド会計の快適さは使って見ないと分かりませんね。私は去年まで4年前に購入したパソコンインストール型確定申告ソフト「みんなの青色申告」(ソリマチ)を利用してきました。
しかし今年は思い切ってクラウド会計ソフトに乗り換えたのは正解だったと感じました。
参照「みんなの青色申告」をレビュー!割安がいいですし使い方も簡単でした | Webと人のアマモ場
すべて手入力のインストール型会計ソフトと違って、銀行口座やクレジットカードの利用明細を自動で取り込み、簡単な仕訳で青色申告65万控除の要件を満たした複式簿記による帳簿を作成できるなんて素敵すぎます。
数あるクラウド会計ソフトの中でも、どうして「やよいの青色申告申告 オンライン」を選んだかは、すでに以下の記事で書いた通りです。
参照初心者の青色申告ソフトの比較ポイントとは?おすすめはコレだ! | Webと人のアマモ場
上記の記事では「やよいの青色申告申告 オンライン」の電話サポート付きプランが最初の1年は格安で利用できるという点と、「弥生」シリーズは会計ソフトの老舗ゆえに信頼度が抜群という点が、選択すべき理由であると指摘しています。
では以下に「やよいの青色申告申告 オンライン」の申し込みと、初心者には難しいとされる初期設定、さらには仕訳登録の仕方を解説します。
申し込み方法
まず、やよいの青色申告 オンライン からプランを選択しなければなりません。
どちらのプランがいいの?
初心者や使い方に自身の無い方は、ためらわずに「ベーシックプラン」を選択しましょう。初年度のみ半額キャンペーンやっていますので、お得です。電話サポートを1年受ければ、次年度はセルフプラン(8,640円/年)に変更できますよ。
申し込み手順
パソコンで利用しているメールアドレスの登録をおすすめします。これが弥生ユーザー用のIDとなります。
登録したメールアドレスに本登録用のURLが送信されてきますので、それをクリックしてください。
「やよいの青色申告 オンライン」申し込み内容の確認。(私は10年以上青色申告ソフト利用の経験があるので、電話サポートなしの「セルフプラン」を選択しました。)
以後「登録者情報」を入力します。
- 弥生IDパスワード(複雑なものを。)
- 名前
- 会社・個人事業者名
- 郵便番号
- 住所
- 電話番号
- 代表者名
- 業種
- 新規決済方法の登録(口座振替かクレジットカード)
初年度無料(セルフプラン)または割引(ベーシックプラン)の適用を受けるためには、自動更新される決済方法(クレジットカードか口座振替)の登録が必須です。
無事に登録されたら登録完了メールが届きます。
初期設定
「やよいの青色申告申告 オンライン」の登録が無事に完了し、やる気満々の状態のうちに、初期設定を済ませておきましょう。
「やよい マイページ」からは弥生アカウント情報にアクセスできます。(「やよいの青色申告 オンライン」はこちらからどうぞ。)
初めて「やよいの青色申告申告 オンライン」にログインすると「はじめに」が表示されますのでそこから初期設定を済ませておきます。
「先に設定する」から「設定」をクリックします。
または「メインメニュー」の「設定メニュー」から「全体の設定」からでもOKです。
1.事業内容
申告する事業内容の設定。不動産で収入を得ていないなら、一般を。もちろん私も一般ですよ。
2.申告方法の設定
設定の申告方法はもちろん青色申告65万円控除にチェックします。要件は後述します。
3.消費税
そんなに稼いでいない私のような方は消費税の設定はなし。画像省略。
口座やカードの設定
通帳やクレジットカードを登録すると面倒だ!
さて「設定メニュー」の2番目「口座・カードの設定」をどうするかという問題があります。
「個人用の預金口座・クレジットカード・電子マネーを事業に使う場合の注意 ※必ずご確認ください」を読んでみると、銀行口座やクレジットカードは、「事業専用」か?それとも、「事業用の割合が多い」のか?または「事業用の割合が少ない」のかで違ってきます。
最初はこれが理解できなくて戸惑いました。
とても重要なことですが、この設定は「スマート取引取込」の「サービスの取得設定」の「主な用途」の選択肢(「事業用」か「個人用」)に関係してきます。
- 「事業専用」・・・「口座・カードの設定」および「残高」も登録が必要。「スマート取引取込」の「サービスの取得設定」の「主な用途」の選択肢は「事業用」を選ぶ。
- 「事業用の割合が少ない」・・・同上。ただし、個人で利用した取引は基本的に「事業主貸」で仕訳する。面倒。
- 「事業用の割合が少ない」・・・「口座・カードの設定」および「残高」で登録は不要。「スマート取引取込」の「サービスの取得設定」の「主な用途」の選択肢は「個人用」を選ぶ。事業で使用した取引はお主に「事業主借」で処理される。個人で利用した取引を仕訳する必要なし。一番楽。
以上の点は私がつまづきやすかった点です。
では上記のどれを選択すべきでしょうか?それは一番最後の選択肢でしょうね。
取引の処理方法は一番楽な”事業主勘定”にすべし
登録を進める前に少々脱線します。
個人事業主つまりフリーランサーがクラウド会計ソフトを使う理由は、銀行口座とクレジットカードの利用明細をできるだけ簡単に記帳するためですよね。ですから複雑になったら元も子もありません。
預金口座やクレジットカードを事業用にする場合
ここで、預金口座やクレジットカードを個人利用が多い少ないに関わらず事業用として登録すると仕訳が極めて面倒になります。
※ 現金出納帳や預金出納帳で家計簿のように入力するだけで複式簿記を完成できる会計ソフトといっても、クレジットカードの利用明細を自動で取り込みたい場合は、以下に説明するように処理数が2倍以上必要になり、間違いも多くなります。
たとえば、Amazonで事業用のボールペン100円をクレジットカードで4月2日に購入し、口座からの引き落としは翌々月6月17日だったとします。
くどいですが預金口座やクレジットカードを事業用として青色申告ソフトに登録すると、発生主義の複式簿記にでは以下のように、2回処理が必要です。
- 4月 2日 (借方)消耗品費 100 円 /(貸方)未払金 100 円
- 6月17日(借方)未払金 100 円 /(貸方)普通預金 100 円
面倒極まりない。
「預金口座」やクレジットカードを個人用に
一方、預金口座やクレジットカードを個人用として登録(つまり事業主勘定)すると次の一回だけで済みます。
- 4月 2日 (借方)消耗品費 100 円 /(貸方)事業主借 100 円
※ 「事業主から事業用として必要なお金 100円 借りて事業用のボールペンを買った」というイメージ。
この場合、個人用の預金口座から事業用の携帯代 5,400 円が引き落とされる場合はどのような仕訳でよいのでしょか?仮に4月3日に引き落としされると以下の通りになります。
- 4月3日 (借方)通信費 5,400 円 /(貸方)事業主借 5,400 円
となります。専従者給与(同居の妻)も全く同じ処理の仕方です。個人用の預金口座からでも、ポケットマネー(個人用の現金)からでも以下のように処理します。
- 4月3日 (借方)専従者給与 65,000 円 /(貸方)事業主借 65,000 円
では売上(A8のアフィリエイト報酬、オークションで転売した代金、ウェブサイト制作報酬 等)10,000 円 が個人用の預金口座に6月18日に振り込まれたらどんな処理ができるでしょうか?
- 6月18日 (借方)事業主貸 10,000 円 /(貸方)売上 10,000 円
※ この場合は預金口座の勘定科目は、「スマート取引」では「事業主借」に指定することになるので、「売上」は一度「事業主借/売上」に登録し、メニューの「仕訳の入力」で「事業主借」を「事業主貸」に変更しなければなりません。または面倒ですが手入力で。(後述します。)
このように、事業で利用する預金口座もクレジットカードもすべて個人用として登録する場合、事業主勘定(事業主貸/事業主借)ですべて処理することになります。税務署の方や税理士に方の中には、実態とは違うのでダメという方もいますが、損益計算が正しく行われている限り、何ら問題ありません。
加えて国税庁のサイトによると、「青色申告65万円控除」の特典を受けるためには、
- 正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること・・・。
- 現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
とあり、現金主義ではなく発生主義による複式簿記が要件となっています。
上記のように預金口座やクレジットカードを個人用にする場合、事業用の決済をクレジットカードで行った時点、つまりクレジットカードの利用明細の日付で記帳すれば、発生主義を堅守していることになりので、「青色申告65万円控除」の要件を満たしているのです。事業主貸/事業主借を多用しても複式簿記にしたがっている限り何ら問題ありません。(問題にする人もいる。)
以上のように、「預金口座」「現金」「クレジットカード」をすべて個人のものを利用すると、貸借対照表は以下のように事業主勘定(貸/借)のみになります。
中には「これで本当ににいいの?」という反応があるかもしれませんが、それはご自身で判断してください。私はこれでOKでした。(ただし、開業費や事業用の車など減価償却できる資産があれば、資産の部分に記載されるはずです。)
「預金口座」を「現金」扱いにする
もう一つのやり方として、上記の事業主勘定(事業主貸/事業主借)ではなく、事業用の預金口座を事業用「現金」扱いするという方法です。事業用が多い預金口座はこちらがおすすめです。(ただしこの場合、個人用の取引が含まれる場合、「事業主貸/事業主借」で処理する手間があります。)
預金口座を現金扱いする場合に、上記の取引の「事業主貸/事業主借」の部分はすべて「現金」になります。
- 4月 2日 (借方)消耗品費 100 円 /(貸方)現金 100 円
※ 4月2日クレジットカードでボールペンを 100円 で購入 - 4月3日 (借方)通信費 5400 円 /(貸方)現金 5400 円
- 4月3日 (借方)専従者給与 65,000 円 /(貸方)現金 65,000 円
- 6月18日 (借方)現金 10,000 円 /(貸方)売上 10,000 円
※ 「スマート取引」で現金として自動入力できる。
脱線が長くなりましたが、預金口座やクレジットカードをどうしても事業用として登録しなければならない時、「やよいの青色申告オンライン」の「口座・カードの設定」は以下のように「金融機関名」やカード会社名に分かりやすい名前を記入しておきます。
「口座・カードの設定」
「科目の設定」
次に左の「設定メニュー」から「科目の設定」を選択し、「補助科目」を番号順に設定してゆきましょう。
下の画像では「事業主貸」で「生命保険」や「医療費」を登録していますが、これは事業用の「預金口座」や事業の「現金」を設定した場合に私自身が必要とする項目です。(ただし、すべて事業主勘定として処理するなら不要。)
「残高の設定」
事業用の「現金」や「預金口座」を設定する場合ですが、メニューの「残高の設定」で「現金」や「普通預金」の期首「残高」を設定します。上述したおすすめ設定の”すべて個人用にする”場合は設定不要です。
※ 「登録」ボタンを押すと ”残高が違います。”みたいな警告が現れても無視してください。
「預金口座」の残高は、当然ですが、前年末日の残高ですよ。
ちなみに、私はソリマチのパソコンインストール型の会計ソフト「みんなの青色申告」からの乗り換えですが、各「科目」と各「補助科目」の残高を確認するためには「集計」>「合計残高試算表」>「決」>「貸借対照表」または「損益計算書」 で調べられます。
つぎに「固定資産」、たとえば「建物」「車両運搬具」(減価償却できる車)、さらには減価償却できる「開業費」などの「繰り延べ資産」があれば、記入します。
「負債」がある方も同じ画面から入力してください。
最後に「資本」のタブから「元入金」を記入しますが、これは、「現金」や「預金」などの「流動資産」、さらには「固定資産」を自動的に合計してくれます。「元入金を自動計算」のボタンをクリックし「登録」を完了させます。
以上で「期首残高」の設定を無事に終えることができました。
※ 私のように前年に青色申告ソフトを利用していた場合でも、上記の処理で繰り越し処理ができたことになります。
あとは家計簿の感覚で、現金での支払いや売り上げの受け取りが発生するごとに「現金出納帳(かんたん取引入力)」で記入したり、月に一度程度 銀行口座やクレジットカードの取引明細の自動取り込みする作業を行うだけでOKです。「やよいの青色申告オンライン」は素晴らしいです。
ではそれらを以下に解説します。
預金口座やクレジットカードの利用明細を取り込もう
早速 メインメニューの「スマート取引取込」から銀行口座やクレジットカードの利用明細を取り込みましょう。
サービスの連携から、「やよいの青色申告オンライン」で利用可能な登録済みクラウド家計簿サービスと連携させましょう。私はすでにMoneytreeというサービスに銀行口座やクレジットカードを登録していますので、そのサービスと連携させます。
参照 家計簿アプリMoneytree(パソコン版)に登録し青色申告ソフトの準備開始だ | Webと人のアマモ場
私の場合は、以下のようにMoneytreeと連携させます。
Moneytreeにログインし「やよいの青色申告 オンライン」との「連携を許可」します。
MoneyTreeで登録済みの口座やクレジットカードが表示さますので、これらを「やよいの青色申告オンライン」に「個人用」または「事業用」として登録します。
前述通り、預金口座やクレジットカードのおすすめ設定は、個人用つまり勘定科目は「事業主借」となります。個人の預金口座やクレジットカードの利用明細のうち事業用取引はすべて「事業主借」で処理します。
ただし売上が個人の預金通帳に入金されているデータは、一旦 相手勘定を「売上」しておいて、後述するとおり「仕訳の入力」メニューで「事業主貸」に編集する必要があります。
「保存」ボタンを押すと、Moneytreeと連動し、利用明細データが「やよいの青色申告オンライン」つまりクラウド上に取り込まれます。ただしこの時点では仕訳処理は行われません。
次に「取引一覧」から、上記の銀行口座やクレジットカード利用明細の項目を確認してみましょう。
データが膨大にある場合、期間を指定して絞り込みましょう。
預金口座とクレジットカードのデータの勘定科目は前の手順で登録し通りすべて「事業主借」となっていますね。
これらを実際に会計ソフトに取込むことが必要です。口座またはクレジットカードから事業用として支払った取引は、相手「科目」と「補助科目」を設定して「送信」の「する」にチェックを入れて「内容を確認」してあげます。
※ 私の場合、すでに述べたように、ソリマチの「みんなの青色申告」ソフトから「やよいの青色申告オンライン」への乗り換えでした。この青色申告ソフトでは、クレジットカードの利用取引は口座引落日で登録していたので、2016年1月に口座引き落としされたクレジットカードの取引データを、「やよいの青色申告オンライン」に登録する必要があります。
しかし、このままでは前年の取引となり、今年(2016年度)には反映されません。それで2016年1月に口座引き落としされたクレジットカードの取引データを今年の口座引落日に変更するために、メニューの「仕訳入力」で呼び出して日付を変更しました。この辺は、個人で違うと思います。
仕訳が済んだら右下の「内容を確認」して次のページで「確定」し、最終的に「送信」します。
「送信」済みの取引はメニューの「過去の仕訳一覧」に移動します。
送信済み取引を「仕訳一覧」から訂正/編集したい場合、左端の「編集する」をタップすれば簡単に変更できますよ。
2017/05/26(金)追記:
「やよいの青色申告」のUIが更新され「仕訳ルールとして登録」機能が追加されましたので、上記の仕訳を改めて以下の画像でその流れをまとめます。
「売上」は「仕訳」の編集で相手科目を変更しよう
上述のように、個人の、つまり事業主勘定の、預金口座やクレジットカードを利用すると、個人の口座に振り込まれた「売上」は「仕訳」の編集作業を行って、勘定科目を変更する必要があります。
メニューからタブ「仕訳の入力」を選択、仕訳の編集を行いたい伝票(データ)を呼び出します。上記の売上の変更は、以下のように検索し、編集したい項目をダブルクリックするか、チェックを入れて「編集」ボタンを押すと編集モードになります。
伝票が編集できるようになるので、「売上」の借方勘定科目を「事業主借」から「事業主貸」に変更してあげます。つまり事業としての売上を再び事業主のポケットマネーへ入れて、生活費に当てるわけです。
ついでにチェックを入れて「よく使う仕訳に登録」しておきます。
現金から支払った場合の処理
では普段、個人の現金で経費を支払った場合はどうでしょうか?以下は、事業用の駐車場代(地代)を支払った時の「仕訳の入力」の入力方法です。借方を「地代賃料」にして、貸方を「事業主借」に指定するだけです。実に簡単。
つまり事業主の生活費から事業用のお金を借りて「地代賃料」(駐車場代)にあてるという仕訳です。
以上、長文になりましたが「やよいの青色申告オンライン」のおすすめな初期設定と、銀行口座やクレジットカードの利用明細をオンラインで取り込んだ後の仕訳処理方法でした。
慣れるまで大変のように感じますが、完全な手入力よりはるかに楽ですよ。来年の確定申告が待ちきれない!
おすすめ ⇒ やよいの青色申告 オンライン