2017-12-31 不協和音インフルエンサー
ねじ伏せられた怒りよ
紅白歌合戦を見ていたら、欅坂46のセンターの子が歌い終わったポーズのまま、ぶるぶると震えていた。
「あら、大丈夫なのかな、あの子」
と言ったら、娘が
「いつもああなんだよ。だから、もう、ファンも慣れてきて、そういうもんだと思っているんだよ」
と言った。
ふーーん、そんなもんかねと見ていたら、本当に体調が悪かったらしい。再度踊ったときには、3人が過呼吸で倒れてしまったそうだ。
異常なことでも、見慣れてしまうと、なんとも思わなくなる。
今年はそんなことが多々あり過ぎて、疲れた。
例えば、北朝鮮の件、ミサイル開発は今に始まったことではないし、日本が核の脅威にさらされていたのなんか、とっくの昔からなんだが。なんか、今年は、政府に煽られて、あれよあれよと今にも戦争がはじまるみたいになったらしく、唖然とした。
さて、その後、なんかしら、状況は好転したんでしょうか?
もちろん、周辺国は着々と対策をしているんだが、それがわかっているのかわかっていないのか、ゴルフにのんきに興じている首相を見て、ホッとしている。
慣れてしまえば、頭の上にミサイルが吊るされていようが、生活できる。
そういうものだ。
未来の不安を先取りするなら、まずは、エネルギー問題を気にしようよと。原発にしがみついているうちに、あっという間に世界から取り残されてしまったのに。
欅坂46と言えば、紅白で「不協和音」を聞きながら、
「これこそ、中二病極まれりって内容だなw」
と言ったら、
「私は好きだよ。だって、アイドルらしくないでしょ。こうあるべきってのに抗ってる感じがして」
と娘。
なんだか、今年は、娘や息子を通じて、いまだこの国は「こうあるべき」ってのを頭の固い大人たちが押し付けてくる社会なんだってのを思わされた。彼らの思う、「私は私。私が進む道は私が選びたい」という感覚は、この子ら特有のものなのか、若者特有のものなのか、今の時代の子だからってことなのか、よくわからない部分もあるんだが、
「今どきの若者は~~」とテレビ等で見せられる“若者”とは違っている気がする。
あれも、頭の固い大人たちが、その頭で理解できる範囲内での、“若者らしさ”ってことなのかもな。
欅坂46が“アイドルっぽくないアイドル”という大人が作ったフォーマットで流されていると思いながらも、あれだけ身体削って踊っていれば、あれだけ激しい言葉を叫んでいれば、その経験が彼女たちを別の次元へ連れていくんじゃなかろうかと。形をなぞっているだけのはずが、いつか本物になるんじゃないかなぁ。
と思った。