Adobe予測、2018年の写真・動画トレンドは? (1/2)

» 2018年01月02日 07時00分 公開
[中井千尋ITmedia]

 InstagramやSnapchatなど、若い世代に人気のサービスが「写真・動画」へと移行する中、クリエイターには「ビジュアルで物事を伝える技量」がますます求められるようになってきている。

 そんな中、画像編集ソフト「Photoshop」などで知られ、フォトストックサービス「Adobe Stock」も提供するAdobeが、「2018年の写真・動画トレンド」を発表した。その「6つのトレンド」を紹介しよう。

静寂と孤独

「孤独」であることへの肯定を感じさせる、大自然の中に佇み、遠くを眺める人物の写真

 モノや情報に溢れ、SNSでは友人とのやりとりが絶え間なく行われている毎日の中で、1人で静かに過ごしたいという願望が生まれてきているのではないか――アドビは多忙な生活を送る人々の内面をこう分析する。

 例えば、木の根が絡まった遺跡の中で瞑想する人物、誰も通っていない真っすぐな一本道、砂漠をひたすら走る人物など、都会の騒がしさと懸け離れたような写真が選ばれている。自然の風景が多く、色味の少ないものが多い。

夕日を眺める男性の後ろ姿。孤独だが、その背中からは強さも感じられる
波1つない水面で静寂を表現。背もたれにゆったりと寄りかかった女性は、孤独ではあるがそれが心地良いことを物語る

「フリューイッド」なアイデンティティー

手をつなぐ女性同士のカップル。アイデンティティーの選択は人それぞれ

 「Facebookでは71もの性別の選択肢があるように、アイデンティティーは以前ほど永久不変なものではない」と、Adobeのクリエイティブサービス&ビジュアルトレンドの責任者、ブレンダ・ミリス氏は語る。

 「フリューイッド」とは「流動的な、流れるような、変わりやすい」といった意味を持つ言葉。つまり、人のアイデンティティーが水のように固まらない、1カ所にとどまらない存在として認識されつつあることを示している。

 近年は自分と異なる人種や民族、体形や年齢への寛容的な態度を求められる風潮があるが、その多様性を定義する枠組みが「アイデンティティー」という、より漠然とした、より大きなモノへと拡張していることが伺える。

 そのことを象徴する写真には、手をつないでいる同性愛カップルやメークアップしている男性、筋肉隆々な背中を見せる女性などが映し出されている。性別にまつわるステレオタイプを裏切り、個性の違いを大いに表現するのが特徴だ。

ヨガをしている男性。男性のステレオタイプに疑問を投げかける

マルチ・ローカリズム

ベトナムのローカルフードを撮った一枚。新たな発見や経験が人をワクワクさせることを思い出させる

 LCCやインターネットの浸透によって世界がより身近になり、世界中の人々がつながりやすくなっている。それによって、新しい経験やリアルなカルチャーエクスペリエンスが求められ、また世界中のあらゆるビジネスがローカルだけでなく、グローバルに目を向け、顧客獲得に奮闘していると、Adobeは分析する。

 このトレンドを表現した写真には、民族衣装を着た人びとやフライトを待つ旅行者、ナイトマーケットを歩く観光客などが写っている。ここでも、上に挙げたトレンド「フリューイッドなアイデンティティー」が見え隠れする。

並べられた食べ物をめずらしそうに眺めるカップル。彼らにとっての新たな経験を物語る

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