児童ポルノ、7200人購入名簿…検事や警官ら
堅い職業ずらり、「るろうに剣心」の作者も
2017年5月に警視庁が摘発した児童ポルノ販売サイトの関係先から、約7200人分の購入者リストが押収されていたことが捜査関係者への取材でわかった。
検事や警察官、医師、地方議員、人気漫画家らの名前があり、同庁などは客のうち約200人を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で書類送検した。18年以降も容疑が固まった客を順次、書類送検する方針だ。
18歳未満の児童ポルノは所持・保管する「単純所持」も禁止され、1年以下の懲役または100万円以下の罰金。16年の1年間の摘発件数は56件で、今回の事件は単純所持が禁止された15年7月以降、最大規模となる。
捜査関係者によると、同庁少年育成課が5月1日、児童ポルノ販売サイト「厳選DVDショップありす」を摘発し、韓国籍の男(61)ら4人を同法違反(不特定多数への提供)などの容疑で逮捕した。サイトは会員制で、16年1月以降、約2億5000万円を売り上げていた。
同庁は4人の自宅などを捜索し、児童ポルノDVD約2万枚を押収。パソコンを解析したところ、約7200人の住所、氏名、購入したDVDのタイトルなどを記載した顧客リストが見つかった。
DVDに映っていた児童の年齢鑑定を医師に依頼した結果、少なくとも客のうち約3000人が購入したのは、児童ポルノと確認された。就学前とみられる幼児が映っていたDVDも複数あった。
同庁や、購入者の居住地の警察本部が自宅の捜索などを実施し、すでに客約200人を同法違反(単純所持)容疑で書類送検している。この中には、人気漫画「るろうに剣心」の作者(47)や40歳代の東京地検検事、30歳代の皇宮護衛官、30~40歳代の警視庁警察官や職員、東京都職員のほか、有名企業の社員も複数含まれている。
リストには医師や県議会議員、僧侶の名前もあった。同庁が現在、捜査を進めており、立件される客はさらに増える見通しという。