ねこぢる草は時々無性に見たくなるシュールアニメです。
DVD買っといて良かったよ……。レビュー書いてたらまた見たくなってきた。
知っている人は知っている、こちらの作品。
フランスとチェコ二国の合作作品だったのに対し、
こちらは日本人の漫画家さんの作品が元になっている純粋な国内産。
原作者であるねこぢるさんの死後に制作されたというこちらの作品、
上記の映画と同様、とってもシュール且つ幻想的。
アニメを見終えた人達の口から様々な形の解釈と考察が止め処なく
ポコポコと生み出され続ける程に謎めいた世界観が魅力の一つ。
中毒性が高く、後を引かれます。
また、タイトルにも使用されている”ねこぢる”というのは、
このアニメの原作となった漫画を描いておられる作家さんのペンネームでもあり。
いつもと同様、”一つの作品を見た私なりの感想”記事なので、
作家のねこぢるさんが生み出してきた数々の漫画に関する解説や考察は
ここでは行いません。悪しからず。(´・ω・`)
この、”にゃっ太”とか”にゃーこ”に関しても
同作者の他作品を見ているのといないのとでは
鑑賞前の印象にも結構影響が出たり出なかったりするんだけど、
ここでイチからジュウまで細やかに解説できる程ワタクシも詳しくはないので、
そこら辺は申し訳ないですが公式サイトにて確認してくださいまし。▼すんごく意味深そうに見えるけど、割かし単純明快
OP&ED映像を含めて約30分間ほどの、
映画と呼ぶには短すぎるけどアニメの一言で終わらせるにはちと長い、
偶にテレビでやってるスペシャル版とか特別版とかいう類に含まれそうな、
そんな感じの微妙な長さ。
その約30分間を作っているワンシーンワンシーンの全てが
見所であり魅力である、といっても過言ではない。
何だろう。
ルネ・マグリットとかサルバドール・ダリとか、
その辺りの方々が生み出したシュルレアリスムな作品が
毎秒毎に形を変えながら画面内を所狭しと歩き回っているような、
そんな感じの非現実さを感じるアニメなのですよ。
物語の全体的な雰囲気とか、表現されている世界観については、
特に深読みの必要もなくそのまま”にゃーことにゃっ太の臨死体験”ってな感じに
見て取れます。
物語が始まってから5分くらいの間で描かれる
「自宅の風呂場で遊んでいる最中で、水の張ってある湯船に
頭をどっぷり突っ込んだ状態のまま身動きが取れなくなった”にゃっ太”が、
ややあって起き上がった後に風呂場から出てきた所で、
体調を崩して横になっていた筈の姉の”にゃーこ”が何者かに腕を引かれて
家を出て行く所を見付けて、急いで後を追い掛けていって……」
……と、この辺りのちょっと非現実的なシーンとか。
あと、そこからちょっと経った後の、
「クジラ大サーカスを見に行った姉弟が、ちょっとした事故で
町ごと一緒に大洪水に飲み込まれてしまって……」
という、ぶっ飛んだ発想による展開の仕方とか。
開幕早々にゃっ太が死にかけなければ、お姉ちゃんのにゃーこは
なんか露骨に仏陀みてえなデザイン画とキャラ的立ち位置の何者かに
(※コイツが歩く度にシャラシャランというSEが鳴るんだが、きっと装飾品の音だろう)
手を引かれるまま、引き返す道も分からずあの世に連行された事だろう。
仏陀みたいな人とにゃっ太に取り合いされて
お姉ちゃんの体が真っ二つに破れちゃうシーン(これ結構衝撃的だった)とか、
↑のシーンの後で、半分だけ残ったお姉ちゃんの体を小脇に抱えた
仏陀みたいな人が口にしていた”一輪の花の話”だとか、
家を出た筈なのに何故か自宅で親父に耳掃除されていたにゃっ太が
夢?ン中で持ち帰った魂の半分を姉ちゃんの体に戻してあげるシーンとか。
話の展開的には結構分かりやすい点が多い。
けど、思わず唸って小首を傾げちゃうようなよく分からない展開や場面も
ソレと同じくらいの数だけ存在しているから、割と昔に製作されたにも関わらず
今現在でもファンの人達にアレだコレだと考察され続けているんだろうなあ、と思ふ。
それでもやっぱり、にゃっ太がにゃーこを連れ戻しに行く序盤の場面と、
サーカスを見に行った二匹が大洪水に飲み込まれる中盤の超展開とは、
臨死体験的な意味でも繋がりがあるんだろう、とも考えてみたり。
物語の所々で寄り道をするかのごとく描かれている
①腹ン中に猫が入ってる人の死体をついばんだ鳥達のフンから芽生えて
成長した木の実の中身が猫で……という、食物連鎖の解説みたいなシーンとか、
②ヘンタイおじさんの頭の皮を剥がしてみたら何かパソコンの中身みたいな
機械の部品じみた諸々が一塊になって中に入ってる様が描かれたシーンとか、
その辺のシュールな表現に関しては特に深い意味はなく、
ただただ純粋に原作者のねこぢるさんが生み出してきた独特の世界観を
他作品を元に再現しようとした結果なんだろうなあ、と解釈してます。(´∀`)
ヘンタイおじさんの家から逃げ出す辺りのシーンとかね、
にゃっ太の機転の利きようと猟奇的な思考回路に思わず感心しちゃうのよ。
▼物語の中盤~終盤付近で大体予想がついちゃうラストも好きよ。
クジラ大サーカスにて初登場して以降、物語の中で最後まで
ちょこちょこと姿を見せ続けていたあの白い服の爺さんの正体とかは
ちょっと分かりやすすぎる気がしないでもない。
サーカスの演出の時点で既に人外感が出ていた事もあるし。
だからまあ全体的に言うと、物語の展開を期待する映像作品じゃなくて
物語自体を彩る奇抜なデザイン性とかぶっ飛んだ表現法とか、幻想的感覚とか、
その辺りを愛でたり楽しんだりする映像作品なんだと思うのさ。
そういう所はシュルレアリスムのジャンルに属する
全ての創作品に言えることなんだろうね。多分ね。(´∀`,,)
ただ、予想しやすいラストではあったけど
「本当にそういうオチに持っていくとは思わなかった」
と、初見時はちょっとビックリできると思う。
そして、予想していたものとあまり変わらない形のオチを見終えたら、
何となくスッキリしない感とか、また見たい感とか、夢見心地というか、
普通の映像作品を見ていたらまずあんまり味わう機会がないであろう
不思議な余韻に浸れると思う。
それがまた気持ち良かったりする。そんなアニメでした。
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↓物語の中に時々出てくるあの白いおじいちゃんは
原作の漫画でも出てきてたあのクソふざけた神様がモデルだったりするのかな?
↓コッチは原作漫画の一作。
この白いのと黒いのの旅漫画は本当可愛くてホッコリする。
↑ごめんなさい映画って部類じゃないかもしれないんだけど
アニメのトピックだとジャンル的に加わりにくくてでも更新情報伝えたかったんだああ許してぇぇ石投げてぇぇ
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