エヴァ雑記 3 エヴァンゲリオンと諸星大二郎
物語を物語る
「エヴァと諸星大二郎」のことを書こう書こうと思っているうちに、沢尻エリカの騒動が起こって、そっちに気が取られて書けなくなってしまった。
しかも、そこでかなりの時間と労力を使ってしまった。(沢尻エリカのインタビュー番組をユーチューブで何回見たことか)
まあ面白かったからいいんですけど……。
で、今さら「エヴァ」の解説をしようたって大したこともできないし、昔のように深みにはまりそうでちと恐い。それにマニアやファンの方の研究、解析もかなり進んでいるので、それらを参考にしつつ、ここでは両者の関連性をさらりとまとめるだけにしておきます。
さて、いろいろエヴァ関連のサイトを見ているうちに、簡素で、しかも分かり易い解説があったので、リンクしておきます。ヤフー知恵袋
これは以下の解説を理解していただくたくのに役立ちます。
「諸星大二郎とエヴァ」の関連性は「追憶の20号線」というサイトがよくまとまっていたので参考にしました。
といってもこれもマニア、ネット上では「両者の類似性や関連性」は指摘され、有名な話でもあります。
では、まず絵の方から
①「碇シンジ」は諸星大二郎が好んで描く少年の顔に似ている。

「エヴァ」碇シンジ

「ぼくとフリオと校庭で」の表紙より
ということは、映画「ファンタステック・プラネット」の主人公に似ているということになるか。関連記事
②「エヴァンゲリオン」の原型は諸星大二郎の「影の街」に登場する謎の生物(?)に似ている。
これはかなり有名な話で、BSNHK放送「マンガ夜話」の諸星大二郎の回のときに、岡田斗司夫がエヴァの「原型はこれだ」と何気なく示唆している。
そこで、この話が広まり、エヴァの元ネタが「影の街」であると勘違いした人が多く出た。そして「影の街」を読んで「どこが似ているのか分からない」といった内容の記事も多くあった。だが、これは、「エヴァ」の姿・形が似ているのであって、話の元ネタとなっているわけではない。

ぼくとフリオと校庭で」の「影の街」より
次は内容について。
①「生物都市」 もうほとんど「人類補完計画」である。ゼーレや碇ゲンドウが行おうとしていたことは、「これか」というのが分かる。
②「妖怪ハンター 生命の木」 聖書には、アダムの食べた知恵の木の実のほかに、生命の木の実の存在が記されている。生命の木の実を食べた、アダムとイブ以外の、人類の祖先と子孫に関する謎と奇蹟を描くミステリーだ。(ヤフー映画レビューより)
ここから「使徒」「アダム」「エヴァ」などが分かる。まず上記のリンクしてあるサイトを読んでから「生命の木」を読むとよく理解できる。
③「妖怪ハンター 黒の探究者、死人かえり」 ヒルコが使徒であることが分かる。
つまり、人類以外の生物が、人の世界を取って替わろうと狙っている。これが「エヴァ」でいう使徒ではないのか。
④「暗黒神話」 ラストの世界観が、「エヴァ」のサードインパクト後に似ている。
また「暗黒神話」の仏教的思想が「エヴァ」の思想感と似通った点がある。
ということを踏まえて「諸星大二郎」を読み返してみると、「なるほど、エヴァが良く分かる」という感じになる。理解の不足していた部分を補完(?)してくれる。
妖怪ハンター「生命の木」を映画化した「奇談」を見た。(やっと見つけた)関連記事
内容は、熱狂的なファンを持つコミック作家、諸星大二郎の最高傑作「生命の木」を映画化した聖書異伝ミステリー。子供のころの失われた記憶を求め「隠れキリシタンの村」を訪ねた大学院生が、考古学者とともに遭遇した想像を絶する奇蹟を描く。深遠なテーマと壮大なスケールを持つ原作の映像化に挑んだのは、『ワイルド・フラワーズ』の小松隆志。出演には、NHK朝のテレビ小説でヒロインを務めた藤澤恵麻、阿部寛、柳ユーレイら多彩な面々がそろっている。 (ヤフー映画解説より)
この作品『奇談』に出てくる原作コミックのタイトルでもある“生命の木(樹)”は、旧約聖書の創世記でエデンの園の中央に植えられた木として描かれている。一般的に誰にでも知られているのは、アダムとイヴが禁止命令を無視して“知恵の木”の実を食べ、知恵をつけた人間が“生命の木”の実も食べるのではないか、と神のヤハヴェが恐れ、アダムとエヴァをエデンの園から追放した、ということである。本作では“知恵の木”の実を食べた“あだん(アダム)”と“生命の木”の実を食べた“じゅすへる”という人物が登場する。“生命の木”の実は、永遠の命を手に入れるものであり、“知恵の木”の実と“生命の木”の実との両方を食べた者は神と同じ存在になってしまうため、“あだん”は追放、“じゅすへる”には呪いをかけたとされている。(映画情報ムービーネットより)
映画の感想。
30ページほどの短編漫画を1時間半の映画にしているので、間延びした感じがする。 神隠しの話は取って付けたように変だし、主人公の女性のトラウマもまったく物語とかみ合っていない、などストーリー的にアラが多い。
また、稗田と里美が一緒の部屋に一夜を過ごして何もないのか? だいたいこんなシーンいらない。村の長老の娘はこの物語に必要なの? 映画に「妖しさ」を出すために登場人物を増やしただけではなのか、などと突っ込みどころ満載の映画となっている。
だが、上記のことを踏まえて「エヴァ」との関連性と見るとかなり面白いことになる。ここでもエヴァとの関連性があるからだ。
ただし、まず原作を読んでから見ることをお勧めする。そうでないと、意味が分からないと思う。説明のシーンがかなり多いので、予備知識が必要な映画でしょう。
マニアには有名な「ぱらいそさ、いくだ」のクライマックスのシーンもしっかりとありました。
CGばっちしで、まあそれなりに迫力はありました。
光となって十字架になるシーンは「エヴァ」のセカンドインパクトを思い浮かべるし、阿部寛は碇ゲンドウの雰囲気を漂わせていました。(テレビブロスアンケート)
「エヴァ」では「手」の描写は重要になっているが、「奇談」でも手がアップになるシーンがかなりあった。(長老がマリア像を握りしめる。里美が少年を抱きしめるところ、など)
これらは、制作者が意識している作っているのではないかと思わせる。
やはり、諸星大二郎が「エヴァ」にかなりの影響を与えているといえる。
しかしエヴァファンが「諸星の本」に殺到したなんて話を聞かないところをみると、マニアだけ、諸星ファンだけが騒いでいることなのか。
ただ、エヴァにはまった人は、諸星大二郎の本を読んでみては。その世界感が楽しめるのではないかな。ただしかなり独特な世界ですが……。
まあ、「エヴァ」の庵野秀明監督も諸星大二郎が大好きで、影響を受けたと自ずから語っているんですけどね。
しかも、そこでかなりの時間と労力を使ってしまった。(沢尻エリカのインタビュー番組をユーチューブで何回見たことか)
まあ面白かったからいいんですけど……。
で、今さら「エヴァ」の解説をしようたって大したこともできないし、昔のように深みにはまりそうでちと恐い。それにマニアやファンの方の研究、解析もかなり進んでいるので、それらを参考にしつつ、ここでは両者の関連性をさらりとまとめるだけにしておきます。
さて、いろいろエヴァ関連のサイトを見ているうちに、簡素で、しかも分かり易い解説があったので、リンクしておきます。ヤフー知恵袋
これは以下の解説を理解していただくたくのに役立ちます。
「諸星大二郎とエヴァ」の関連性は「追憶の20号線」というサイトがよくまとまっていたので参考にしました。
といってもこれもマニア、ネット上では「両者の類似性や関連性」は指摘され、有名な話でもあります。
では、まず絵の方から
①「碇シンジ」は諸星大二郎が好んで描く少年の顔に似ている。
「エヴァ」碇シンジ
「ぼくとフリオと校庭で」の表紙より
ということは、映画「ファンタステック・プラネット」の主人公に似ているということになるか。関連記事
②「エヴァンゲリオン」の原型は諸星大二郎の「影の街」に登場する謎の生物(?)に似ている。
これはかなり有名な話で、BSNHK放送「マンガ夜話」の諸星大二郎の回のときに、岡田斗司夫がエヴァの「原型はこれだ」と何気なく示唆している。
そこで、この話が広まり、エヴァの元ネタが「影の街」であると勘違いした人が多く出た。そして「影の街」を読んで「どこが似ているのか分からない」といった内容の記事も多くあった。だが、これは、「エヴァ」の姿・形が似ているのであって、話の元ネタとなっているわけではない。
ぼくとフリオと校庭で」の「影の街」より
次は内容について。
①「生物都市」 もうほとんど「人類補完計画」である。ゼーレや碇ゲンドウが行おうとしていたことは、「これか」というのが分かる。
②「妖怪ハンター 生命の木」 聖書には、アダムの食べた知恵の木の実のほかに、生命の木の実の存在が記されている。生命の木の実を食べた、アダムとイブ以外の、人類の祖先と子孫に関する謎と奇蹟を描くミステリーだ。(ヤフー映画レビューより)
ここから「使徒」「アダム」「エヴァ」などが分かる。まず上記のリンクしてあるサイトを読んでから「生命の木」を読むとよく理解できる。
③「妖怪ハンター 黒の探究者、死人かえり」 ヒルコが使徒であることが分かる。
つまり、人類以外の生物が、人の世界を取って替わろうと狙っている。これが「エヴァ」でいう使徒ではないのか。
④「暗黒神話」 ラストの世界観が、「エヴァ」のサードインパクト後に似ている。
また「暗黒神話」の仏教的思想が「エヴァ」の思想感と似通った点がある。
ということを踏まえて「諸星大二郎」を読み返してみると、「なるほど、エヴァが良く分かる」という感じになる。理解の不足していた部分を補完(?)してくれる。
妖怪ハンター「生命の木」を映画化した「奇談」を見た。(やっと見つけた)関連記事
内容は、熱狂的なファンを持つコミック作家、諸星大二郎の最高傑作「生命の木」を映画化した聖書異伝ミステリー。子供のころの失われた記憶を求め「隠れキリシタンの村」を訪ねた大学院生が、考古学者とともに遭遇した想像を絶する奇蹟を描く。深遠なテーマと壮大なスケールを持つ原作の映像化に挑んだのは、『ワイルド・フラワーズ』の小松隆志。出演には、NHK朝のテレビ小説でヒロインを務めた藤澤恵麻、阿部寛、柳ユーレイら多彩な面々がそろっている。 (ヤフー映画解説より)
この作品『奇談』に出てくる原作コミックのタイトルでもある“生命の木(樹)”は、旧約聖書の創世記でエデンの園の中央に植えられた木として描かれている。一般的に誰にでも知られているのは、アダムとイヴが禁止命令を無視して“知恵の木”の実を食べ、知恵をつけた人間が“生命の木”の実も食べるのではないか、と神のヤハヴェが恐れ、アダムとエヴァをエデンの園から追放した、ということである。本作では“知恵の木”の実を食べた“あだん(アダム)”と“生命の木”の実を食べた“じゅすへる”という人物が登場する。“生命の木”の実は、永遠の命を手に入れるものであり、“知恵の木”の実と“生命の木”の実との両方を食べた者は神と同じ存在になってしまうため、“あだん”は追放、“じゅすへる”には呪いをかけたとされている。(映画情報ムービーネットより)
映画の感想。
30ページほどの短編漫画を1時間半の映画にしているので、間延びした感じがする。 神隠しの話は取って付けたように変だし、主人公の女性のトラウマもまったく物語とかみ合っていない、などストーリー的にアラが多い。
また、稗田と里美が一緒の部屋に一夜を過ごして何もないのか? だいたいこんなシーンいらない。村の長老の娘はこの物語に必要なの? 映画に「妖しさ」を出すために登場人物を増やしただけではなのか、などと突っ込みどころ満載の映画となっている。
だが、上記のことを踏まえて「エヴァ」との関連性と見るとかなり面白いことになる。ここでもエヴァとの関連性があるからだ。
ただし、まず原作を読んでから見ることをお勧めする。そうでないと、意味が分からないと思う。説明のシーンがかなり多いので、予備知識が必要な映画でしょう。
マニアには有名な「ぱらいそさ、いくだ」のクライマックスのシーンもしっかりとありました。
CGばっちしで、まあそれなりに迫力はありました。
光となって十字架になるシーンは「エヴァ」のセカンドインパクトを思い浮かべるし、阿部寛は碇ゲンドウの雰囲気を漂わせていました。(テレビブロスアンケート)
「エヴァ」では「手」の描写は重要になっているが、「奇談」でも手がアップになるシーンがかなりあった。(長老がマリア像を握りしめる。里美が少年を抱きしめるところ、など)
これらは、制作者が意識している作っているのではないかと思わせる。
やはり、諸星大二郎が「エヴァ」にかなりの影響を与えているといえる。
しかしエヴァファンが「諸星の本」に殺到したなんて話を聞かないところをみると、マニアだけ、諸星ファンだけが騒いでいることなのか。
ただ、エヴァにはまった人は、諸星大二郎の本を読んでみては。その世界感が楽しめるのではないかな。ただしかなり独特な世界ですが……。
まあ、「エヴァ」の庵野秀明監督も諸星大二郎が大好きで、影響を受けたと自ずから語っているんですけどね。
Comment
[75] GOM PLAYER
シンプルで使いやすいユーザーインターフェース。
[220]
おもしろい
けど、シンジってまんま男ナディアだよね
けど、シンジってまんま男ナディアだよね
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はじめまして。
最近エヴァにはまった高2女子です。
小さい頃から父の本棚にあった諸星さんの漫画はよく読んでいたのですが、まさか繋がるとは思っていませんでした。
興味深い記事をありがとうございます。
諸星さんの漫画、エヴァと両方楽しむことができそうです。
最近エヴァにはまった高2女子です。
小さい頃から父の本棚にあった諸星さんの漫画はよく読んでいたのですが、まさか繋がるとは思っていませんでした。
興味深い記事をありがとうございます。
諸星さんの漫画、エヴァと両方楽しむことができそうです。
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宮崎駿先生が諸星先生をリスペクトしているから、その影響もあるかもね。