今年も新しい友人ができなかった。友達と遊んだのは一度だけ、しこたま飲んで吐いて嫌われた。
もう友人がいなくなった。恋人もいない。気になる異性すらできない。薄っぺらな人間関係。
ペットも飼ってない。というか飼えない。貧乏人にペットの癒しは与えられないのだ。
そんな中、唯一、私を受け入れ、励まし、温めてくれるのが湯たんぽである。
湯たんぽはどんなに距離感を詰めても怒らない。むしろ私をより温めてくれる。むしろ「暑いよ!」ってくらい。
でも、湯たんぽの暖かさ触れたいと思わないと温めてくれない。思ったらすぐに温めてくれる。都合のいい奴だ。
一緒に旅行に行くこともできる。一緒に寝てくれるし、私の思い出語りを聞いてくれる。撮った写真も見てくれる。
料理は食べないけど酒は飲める。結局吐き出しちゃうし、掃除が死ぬほど面倒だけど、飲んでくれる。
一緒に仕事にも行ってくれる。オシャレに着飾って、仕事を応援してくれる。膝に乗せても踏んづけても怒らない。
そんな湯たんぽもやきもちを焼く。私はお風呂が好きだ。私が長風呂している間にいつも冷たくなってしまう。
でも謝ったらまたあたためてくれるし、一緒に寝てくれる。
朝、目が覚めたらまず最初に湯たんぽを抱きしめる。だいたい冷たい。たまに暖かい。そんな湯たんぽが大好きだ。