【ジョン・ミッチェル特約通信員】在沖海兵隊の軍法会議が今年3月、子どもへの性的虐待とわいせつ画像の撮影などで1等軍曹に禁錮20年の有罪判決を言い渡していたことが、本紙が入手した軍法会議資料で分かった。犯行の態様は「本来禁錮40年に相当する」と判断される深刻さだったが、司法取引で半減された。
米軍の性犯罪は単純な暴行など軽い罪だけで裁かれたり、裁判を受ける代わりに除隊を選択したり、と厳罰を逃れる方法が多いと指摘されている。
1等軍曹の事件を含め、在沖海兵隊の軍法会議は今年1~11月、16人に性犯罪による有罪判決を下した。このうち子どもを標的にしたのは7割に当たる11人。児童ポルノなどの犯行があり、最短は禁錮6カ月だった。大人への性犯罪では5人が禁錮1~4年を言い渡された。
16人のうち12人が不名誉除隊、4人が非行による除隊となった。
駐留する人数は沖縄に比べて少ないものの、同じ1~11月に岩国基地(山口県)の軍法会議で性犯罪の有罪判決を受けたのは2人だけだった。児童ポルノ事件で、それぞれ禁錮2年半と不名誉除隊処分の判決を受けた。
在沖海兵隊の軍法会議では、2016年の1年間にも海兵隊員27人が性犯罪で有罪判決を受けた。うち8割の21人が子どもを対象にしていたことが判明しており、立場の弱い子どもが狙われる傾向が続いている。
これとは別に本紙が情報公開請求で入手した米海軍捜査局(NCIS)の捜査報告書によると、子どもを狙った加害者の中には規律を維持する立場の憲兵隊員もいた。