俺はつい最近まで、軽度知的障害者(IQ70ボーダーライン)で発達障害の多く、アスペルガー障害やLD(学習障害)やADHD、自閉症を患った女性と内縁関係にあった。当事者として、如何に健常者(こういう二元論的な考えに基づく表記はしたくないし、私は差別主義者ではないのだが、他に分かりやすい適当な言葉もなく使っている)として、それが壮絶で、恐らくそうした関わりのない人にはどれほど困難であるか知ってもらいたいと思い、この日記を綴った。
こういうと、何だか酷いブスでも想像されてしまいそうだが、彼女は美しく、
若い頃は、元レースクイーンで、売れないもののグラビアなどにも出ていた。
出会った当時の彼女は、LD(学習障害)があるにも関わらず、通常の義務教育を終え、
高校を中退し、レースクイーンやモデル、グラビアの仕事を終え、三十過ぎに軽度知的障害であるという衝撃の診断を医師から受けた後、ヒルトン東京で障害者雇用枠で調理補助をていた。
私と彼女は甲州街道が走る新宿三丁目のトゥエンティワンフォーエヴァーで出会った。その出会いは、まるで偶然の産物であって、私は彼女の面影にちょうど二十年前(21foreverが、永遠の21歳の意味を込められて、その店名が名づけられているように)、私がまだ学生であった頃に出会ったファム・ファタルを想い重ねていた。
Femme fataleという仏語の言語が「男を破滅させる魔性の女」を意味するが如く、まさに私にとって、二十年前に語弊を恐れずに陳腐な言葉を率直に使えば、まさにエリート街道から転落された運命を黙示していたように、この二十年越しの恋もまた我が身を引き裂く、呪われた運命にあったのかもしれない。
初デートは新宿三丁目から思い出横丁へ赴き、私は彼女が食べたいとせがむハツやホルモンを苦く噛み締めながら、そのまま体を重ね、その翌日から同棲することになった。