夜の訪問者

テーマ:

特販部に入って

これまで経験した事のない飲食店セールスを担当して兎に角、名刺1枚で訪問して取引に向けて

セールスするのだが大抵は既存の業者と取引がありそこに食い込んでいく


会社の教えは

「フレッシュ1本牛乳1本」

まずはなんでもいいから1本だけでも取引しやがて全部ひっくり返す


日中セールスしていて

ランチタイムと言われる11時半~14時位まで

この時間にセールスに行くのは

相手の反感を買いに行くようなものでセールスどころの騒ぎではない


その時間を避けると朝からセールスをはじめ夕方までランチタイムをのぞけば

訪問できるが今度はディナー帯になるとまたそんな時間は訪問できない


そこで一度会社に帰り

その日の日報であったり新規で取引の決まった先の契約カードであったりを作成したり

既存の自分の顧客からの見積り依頼であったり事務処理をして夜9時過ぎに

タイムカードを押して

車通勤していたが自分の家に帰る道中、セールス中の先を訪問するのである


夜の訪問者


丁度、夜の営業が一段落し10時過ぎとか11時だと案内、店のオーナーとかは話を聞いて

くれたり

会社のTOPはセールスは夜討ち朝駆けだ

月月火火水木金金

人より多く働く事が美学だみたいなところがあった


若く素直な俺は結構真に受けて素直に実践していた


でもそうする事で


契約もさせて頂いた


多分時給にしたら高校生のコンビニバイトより低い時給だと思う


でもその時にご縁ができた得意先とは20年近く経過していても


未だにお付き合いがある


幸せだ


話が弾み、時計に目をやると日付が変わっていたことも一度や二度ではない


そういうときは帰宅するのをあきらめ


また車を会社の駐車場に向ける


途中飯を食ったり、コンビニで弁当を買って車で食べてそのままシートを倒して眠りにつく


一週間のうちで3日位、車で寝ているときもあった


さすがに今は無理だと思う


でも今にして思えば


その経験があったからこそ


今の自分がいるような気がする


18で社会に出て


同年代の大学にいったやつらは


新歓コンパだと夜の街で遊んでいた頃


俺は2tトラックを路上に停めて


夜の繁華街を台車を転がし配達していた


でもそういうのも含めて


頑張っている


俺ってかっこよくないですか~


自分に酔ってるのを通り越して


自分にもどしてしまう


なんだかあの頃のがんばっていた自分を思い出すと


懐かしくてせつなくて


なんともいえない気持ちになる

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