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そして社会人としての心構え、自分の会社に対する忠誠心、プライドを徹底的に鍛えられたと思う。今でも記憶にある朝礼の佐藤ブロック長の話で規律の厳しい軍隊は強いと話していたが、本当にその通りだと思う。アメリカのグリーンベレーでも海兵隊でも自衛隊のレンジャー部隊でも消防署のレスキューでも厳しい規律と想像を絶する訓練の上に成り立っている。

私は18で社会に出てから休みも少なく1日の実に3分の2を占める労働時間、肉体的、精神的につらい状況。うつ病の一歩手前まで徹底的に仕事をした事でかなり鍛えられていたと思う。今では素直に感謝の気持ちで一杯だ。

私の尊敬する矢沢永吉さんも言っている20代で頑張った奴だけが30代のパスポートを貰える。

今、同じ事をやるかと問われれば素直にYESとは言えないかも知れない。

でもあの頃の苦しかった苦労が今の私の原点であることは誰にも否定できない。

最近特に感じる学生時代の勉強は与えられた環境で目の前にある知識をどんどん蓄えていく事が出来る奴が頭がいいとされていたし実際私もそう思っていた。

でもこれはひがみでも妬みでもなんでもなくて社会に出てからの頭の良さって学歴でもなんでもなくて、得た知識や自分の中にあるもの、それをうまく使いこなせなければ宝の持ち腐れだし皆が研究者になるわけではなくて、大半の人間が一般的な会社に就職する事を考えると長いスパンでは学歴ってあんまり意味をなさないし、バブルが弾けて長銀や山一證券まで潰れる時代、そして平成22年の今は終戦や幕末とかわらない100年に一度の大不況と呼ばれ、あの日本航空も経営危機に瀕している。これまで当たり前とされてきた事が否定され終身雇用は完全に崩壊してしまい信じられるのは己の才覚だけという状況の中では学歴というよりはこの混沌とした時代を生き抜く逞しさとかバランス感覚が求められていると思う。

まず小さい事でも気付けるセンサーの感度をあげて、そこから何を感じ取りどう判断を下すのか風が吹けば桶屋が儲かる的な発想というのは簡単だが、これは一朝一夕に身につくものではないと言う事をビジネスの現場では嫌と言うほど目にしてきた。

私は幸運にも18で社会に出て2トントラックと商品をあてがわれ、このテリトリーはお前に任せる。己の才覚で売上をあげろとポンと放り込まれたわけである。

給料こそもらっているが実際に経営している事に近い感覚である。

自分の担当区域の地理をまず把握しないとならない。どこからどの順番で巡回すれば一番効率よく周れるかもっと近道は無いか2tトラックで袋小路に入っていって気の遠くなるようなバックをしたのも一度や二度ではない。

お得意先に気に入られるには信用を勝ち得るにはどうしたらいいか?

出入り業者の誰よりも明るく元気に大きな声で挨拶し約束はしっかり守り、あいつに任せておけば大丈夫と思われるまで売り場をきれいにし、売上が足りなければ大量注文を頂く代わりに休日出勤しマネキン販売と呼ばれる自ら売り場に立ち大声でお客様におすすめし試食してもらうという事をした。己の欲を捨てお客様に尽くしきる事で道は開ける。こんな事を学んだ。

入社当時はネガティブな塊でどうしょうもなかったこの私が配達を通して人とのふれあいお客様のありがたさ、仕事のやりがいを感じると元来、働き者のDNAを受け継いだ単純な思考な私は、なお仕事に没頭していった。

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