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ありふれたアフターⅢ フルールナイツ
昨日のアメトーク、安定の面白さw
今日もガキ使優先は当然ですが、
お正月のまったり時間にでもどうぞ~
※30日にも更新しておりますので、まだ読んでない方は先にそちらをどうぞ。
公安が所有する被保護者用隠れ家の大きなロッジで、南雲家の面々が思い思いにくつろいでいた。
秋も終わりの夜、それも山奥ともなればそれなりに冷え込むのだが、嬉しいことに年代物の暖炉があって、今も薪がメラメラと燃え空気を絶えず暖めてくれている。
暖房器具と異なり、火の暖かさというのは訳もなく安らぎを与えるものだ。
自然、南雲家の面々も暖炉の近くに集まっていた。
「Aの5に騎士。D5の治癒師にチャージ!」
「あぁっ、私の治癒師が串刺しに! しかも盤外にポイ捨てまで! 酷い!」
大きめのゲームボードの両サイドで、ボード上を睨んでいるのはユエと香織だ。二人が興じているのは異世界盤チェス。
ルールの基本は地球のチェスと類似しているのだが、かなりの部分が異世界ならではの仕様となっている。
たとえば、駒の種類が豊富で、プレイヤーはゲーム事に自分でどの駒をどの位置に配置するか設定できたり、駒自身に成長システムがあって、たとえ相手の駒を取れる位置にあっても逆に返り討ちにあったり、ゲームボードにはゲーム事にフィールド設定ができ、駒の職業ごとに得意フィールド、不得意フィールドなどがあったり……
とにかく、実際の戦争をかなりリアルに再現しているのだ。
そして、このゲーム最大の特徴が、
『何故だっ、何故殺したぁ! 彼女はお前の妹じゃないか!』
『ふんっ。身内の縁などとうに切れている。我が王への忠誠は絶対! 相手が何者であろうと、立ち塞がるなら粉砕するのみ!』
『この馬鹿野郎! あの子はなぁっ、この戦争が終わったら、いつかまた兄さんと暮らすんだって笑っていたんだぞっ』
というように、駒同士がいちいちドラマを繰り広げる点にある。
今は、ユエ側の王の圧政に耐えかね亡命した妹と、その王に仕える騎士の兄が戦場で再会し、兄が妹を殺めて、その妹ちゃんに惚れている香織側の騎士と言い争っているところだ。
なんでも、妹ちゃんを亡命させたのは兄で、必ず追うと約束したものの心変わりしてしまった……という設定らしい。
「ひどいっ、流石ユエ、ひどい!」
「……香織。私が考えた設定じゃない。ゲームのドラマは完全ランダム仕様」
「私は今、その設定を疑ってるよ。だって、ユエったら前にも真っ先に治癒師を狙ったじゃない! きっと、魂魄魔法か何かでプレイヤーの心を読み取ってるんだよ! ユエの願望がストーリーに反映されてるんだよ!」
「……偶然だから。治癒師死すべし慈悲はない、とか思ってない」
「嘘だ! ぜ~たいっ嘘だ! 分かるもん! ゲームする度に、ユエったら真っ先に治癒師の場所を確認してるでしょ! 視線の動きで分かるんだからね!」
「……香織。貴女、疲れてるのよ」
「うるさいよ!」
ギャースギャースと騒ぎながら、実は一緒にゲームする頻度は一番高い仲良しな二人。全く以ていつも通りの光景にハジメ達はほっこりする。
暖炉の前の安楽椅子をふ~りふ~りと前後に揺らしながら、ついでにウサミミもふ~りふ~りしているシアが、手元の編み物から視線を動かさずにハジメへ尋ねた。
「実際のところどうなんですか、ハジメさん。あれってプレイヤーの心情を読み取ってストーリーが設定されるんですか?」
「いや、そんな設定はない、はずだ。組み込まれているストーリーの全てが、愛憎劇とか骨肉の争いとか昼ドラ仕様だからな。プレイヤー側が勝手に自己投影してるだけだろ」
ミュウを膝の上に乗せて、一緒にノートPCを弄っていたハジメは、少し自信なさげにそう答える。
ちなみに、今、ミュウと一緒にやっているのは国作りのシュミレーションゲームだ。愁の会社の新作ゲームのお試しプレイである。
かなり自由度の高い国造りが可能なのだが、ミュウは「軍事力こそ国家の力なの」と、防壁やら兵器開発やら軍備の増強ばかりに集中している。
さりげなく、ハジメが〝どう○つの森〟的なほのぼの設定を盛り込もうとするも、「みゅ、流石パパなの。獣人達に開拓民のフリをさせて前線に配置なの」と、やっぱり軍備の方へ思考が傾いてしまう。
この子は一体どこへ行こうしているのか、どこに向かって成長しているのか……
ハジメパパは少々心配だった。
ゲームには一家言持ちの愁が、ハジメの珍しくも自信なさげな様子にめざとく気が付いて首を傾げる。
「どうした、ハジメ。〝はず〟って、お前が作ったゲームだろ?」
「いや、違うぞ父さん。この異世界版チェスは俺が作ったんじゃない。オスカー・オルクス……あのオルクス大迷宮の創設者が作ったものだ。奈落の隠れ家にいた時にな、オスカーの宝物庫から見つけたんだ。暇つぶしにユエともよくやったよ」
その言葉に、「ハジメ以外が作ったアーティファクトなんて初めてみた」と、愁だけでなく他の面々も驚いたような表情を見せる。
「しかし、オスカーもまた、どうしてこんな奇怪なゲーム設定を作ったのかのぅ。いや、技量の凄まじさは伝わるんじゃが……」
「そうね。前にトータス旅行に行った時、見せて貰ったオルクスの隠れ家での過去映像だと……もっとこう、真面目なお兄さんという感じだったと思うのだけど」
ティオが「はて?」と首を傾げれば、雫も「確かに」と印象のずれに小首を傾げた。
「……まぁ、想像はつく。どうせミレディが横やり入れて、ドラマ設定を追加させたんだろう。駒同士が衝突する度に無駄に力作な昼ドラストーリーが繰り広げられるこのウザさ……奴以外に考えられない」
ハジメの言葉に、全員が「世界の守護者なのになぁ~」と遠い目をしつつも納得する。
「皆さん、温かいカフェオーレのおかわりはどうですか?」
レミアがキッチンの方からトレイを両手に戻って来た。トレイには人数分のマグカップが乗っていて、ほかほか湯気を立てている。同時に、ほんのり甘い香りが鼻腔を擽った。
「レミアちゃん、ナイス! 菫お義母さんは、レミアちゃんのそういう気の利くところ好きよ~。ついでに、クッキーか何かあると、なお嬉しいわ~」
寝そべったまま手元のタブレットに何やら書き込んでいたスミレが、空のマグカップを片手にふりふりとおかわりを要求。
この南雲家の母、バーベキューを終え、お風呂にも入った後、暖炉の前でくつろぎ始めた時から一度も起き上がっていない。ずっとゴロゴロしている。今日はもう、起き上がって何かをする気は皆無らしい。
息子の嫁に全力で甘える義理の母……
普通なら嫁姑問題のきっかけにでもなりそうな怠惰っぷりだが、そんな菫にレミアは「あらあら、うふふ」といつもの微笑み。否、むしろいつもよりほんわかした様子で「もちろん、用意してますよ~」と、菫の取りやすい場所にマグカップとクッキーを置いていく。
「レミア、あんまり母さんを甘やかすなよ。一度調子に乗ると怒られるギリギリまで甘えてくるぞ」
「あらあら。いいじゃないですか。せっかくの旅行中なんですし」
微笑み聖母なレミアに、菫は「息子が甘やかしてくれない分、レミアちゃんが甘やかしてぇ~」とゴロゴロしながら言う。
ちなみに、菫はそのギリギリを見極めるのが異様に上手い。旅行中とあって普段の三割増しで怠惰な母に、魔王な息子は小さく溜息を吐いた。
レミアからカフェオーレを受け取り、タイミングよく全員が一緒に口をつけた。味わうように少し口に含んでコクリと喉を鳴らす。
全員が「はふぅ」と気の抜けた声を漏らした。
と、そんなまったりした雰囲気に水を差すように、ハジメのスマホに着信音が。微妙な表情をしつつ手に取れば、ディスプレイには〝服部〟の文字。更に溜息を吐きつつ通話状態にする。
『南雲さん、団体さんがいらっしゃいましたよ』
「早いな。二、三日はかかるかと思ったんだが」
『残念ながら競争心旺盛なようでして。初日くらいゆっくり休暇を楽しんで頂きたかったのですが』
「服部さんもな。ミュウの目を盗んでかなりの肉を持って帰ったろ? 部下と一緒に、まったり晩飯の余韻に浸っていたんじゃないか?」
『ええ、公務員の安月給じゃあ滅多に味わえない至福の時間を頂きました。部下達も非常に感謝して――』
「ちなみに、ミュウが『服部、許さん。肉の恨みは忘れないの』って言ってたぞ」
『どうかお執り成しのほどを! 出来心だったんです! A5ランクの肉には勝てなかったんです!』
「まぁ、それは置いておいて――どの程度だ?」
服部の反応に苦笑いを浮かべていたハジメは、そこで雰囲気を少し変えて尋ねた。服部も声音を変えて答える。
『こちらで確認できただけでも五十二人が入山しました。装備、人員の配置からして四チーム。全て違う所属でしょう』
「……結構な人数で来たな。潰し合いの様子は?」
『今のところはありませんね。どうも、互いに不干渉、早い者勝ちといった様子でして。こりゃあ、事前に上の方で話をつけてますね。もっとも、目標を確保した後にどういった行動に出るかは分かりませんが』
「それで全部か?」
『いいえ。他にも三カ国ほど来ますよ。先程県境を越えたようです。十五分ほど出遅れた感じですね』
「全部で百人弱ってところか」
『どうされます? こちらも準備はできてますよ。必要なら部隊を出します。全てを相手にするのは厳しいですが、一つ二つ、敵チームを狩るのは可能です』
服部の提案にハジメは少し考える素振りを見せる。
このタイミングでハジメ達がこんな場所に来ている以上、襲撃者達も誘われていることは理解しているだろう。そもそも、公安の隠れ家が知られているのも、服部達がわざと情報を流したからだ。
それでも、こうして僅かな時間で一斉にやって来たということは、彼等も覚悟の上であるということ。もはや監視云々を超えた思惑の元に動いているはずだ。精鋭かつフル装備で。
帰還者対応課の特殊部隊は十分に強い。精鋭中の精鋭だ。なにせ、帰還者騒動の後半辺りでは、魔王に手を打たせないために獅子奮迅の活躍で各国の手の者達を抑え込んだのだ。
それだけ、日本も帰還者騒動関連を重く見ていたが故の編制だったのだろうが……
とはいえ、任務の範囲は広く、帰還者対応課の人員は全国、あるいは全世界にある程度散らばっている。
服部が事前に言っていた通り、今回の急激な動きに即応できた人員だけでは不足気味なのは事実だった。
一応とはいえ、味方側であり、知らぬ仲でもなくなった対応課の人員を、不利な戦いに赴かせて無駄に犠牲を出す必要性は感じない。
とはいえ、
「完全にくつろぎモードだしなぁ」
『はい? どうされました、南雲さん』
小さな呟きに服部が訝しそうな声音で尋ねる。
それには答えず、ハジメが室内を改めて見回せば、誰も彼もレミア特製カフェオーレに舌鼓を打ちつつまったりしている。それはハジメも同じだった。
と、そこで、
「僭越ながら」
涼やかな声が室内に響いた。
南雲家の誰のものでもない女の声、そして突然現れた気配に、ミュウは「ぴゃ!?」と声を上げて飛び跳ね、愁や菫、レミア、そしてリリアーナもビクンッと震える。
視線を向ければ、いつの間にかハジメの座るソファーの後ろにメイドさんが!
リリアーナが思わず叫ぶ。
「ヘリー――!」
「ヘリオトロープでございます」
「オトロープ!」
王女付き侍女であったヘリーナと面識のある南雲家の面々が「ヘリーナさん?」「久しぶり」的な声をかける。もちろん、すかさず「ヘリオトロープです」と訂正する。
全員が「あ、はい」的な感じになると、ヘリオトロープはにっこり微笑み、ハジメに視線を向けて改めて口を開いた。
「皆様の大切な団欒の時間を、連中如きのために使う必要はないかと。ロード、我々にお任せを」
「そうだな。フルールナイツ構想もほぼ完成して、トータスでのあれこれも粗方片付いて、リリアーナの状況が状況だからこちらに呼び寄せたわけだし……うん、お前等の本来の任務。リリィの護衛と敵の排除――全て任せる。やれ」
「イエス、マイロード」
恭しく頭を下げたヘリオトロープは、そのままスゥと姿を消した。
ハジメは電話向こうの服部に「そういうわけだ。そのまま肉の余韻に浸っていてくれていいぞ」と伝える。服部は嬉しそうな声音で「了解で~す」と答え電話を切った。
スマホを懐にしまったハジメは、面倒事は既に片付いたといわんばかりにカフェオーレに口をつけようとして、
「……なんだ?」
嫁~ズのなんとも言えない眼差しに動きを止めた。
リリアーナのために、ハジメが近衛部隊とも言うべき手勢を鍛えていたことは知っている。それがメイド部隊であることも。
とはいえ、本格的で直接的なやり取りは、実のところ今日初めて見たのだ。
ハジメが言っていた通り、フルールナイツは今まで基本的にトータスで活動しており、また任務であちこちに行ったりしていたがために。
「トータスでヘリーナさんに会った時も思ったけど……ハジメくん、私達と話すときとは全然違う感じだよね」
「すっごくご主人様って感じですもんね、ハジメさん」
「なんと羨ましい……」
「ねぇ、ハジメ。リリィのためのメイドさん部隊なのよね? どう見ても、ハジメに仕えてるって感じにしか見えなかったんだけど? どういうことかしら?」
「パパはミュウがメイドさんだと嬉しいの? パパより、ご主人様って呼んだ方がいいの?」
「あらあら、ハジメさんったら。そんなにご自分のメイドさん達が欲しかったのかしら?」
「ですよね! 皆さんもそう思いますよね! そもそもヘリーナったら、明らかに喜んでますもん! 私に命じられた時とは比べものにならないくらい、ハジメさんに命令されて歓喜してますもん!」
ジト目の香織を皮切りに、シア、ティオ、雫、ミュウ、リリアーナが口々に言い募る。如何にも、ハジメが自分の趣味で自分のためのメイド部隊を揃えたかのような口振りだ。否、明確に疑いをかけられている!
「そんなわけないだろ? 俺にメイド趣味があったならヘリオトロープ達にメイド服を着せるよりお前等に着てもら――」
「……オスカー・オルクスは重度のメイドスキーだった」
呆れたように弁明を口にするハジメの言葉を遮って、まるで無関係そうなことを口にしたのはユエだった。全員が注目する中、ユエはスッと立ち上がり語り出す。
「……奈落を出る前。隠れ家で暮らしていたとき、ハジメは夜中に姿を消すことが度々あった。それも、わざわざベッドの中に気配を残すアーティファクトを仕込んで」
「っ、ユ、ユエ。あの時はだな――」
「……『ハジメは口を閉じて』――それで気になった私は、ある夜、こっそりハジメの後をつけた。ハジメはオスカー・オルクスの秘密の部屋にいた。そして、私は目撃してしまった」
不意打ちの〝神言〟。さしものハジメもレジストするのに少し時間がかかる。
そして、微妙に慌てているハジメを尻目に全員がユエに注目する中、ユエは探偵が犯人を追い詰めるが如く、
「……ハジメが、オスカーの残したメイドゴーレムに夢中になっている姿を! ハジメはオスカーと同じ――メイドスキーである!」
ビシッと指を差して、たった一つの真実を明らかにした!
ちなみに、その時のメイドゴーレムさんはユエ様が木っ端微塵にした。
〝神言〟をレジストしたハジメが反論する。
「誤解だ! あれは、〝メイドゴーレム〟だったから興味を持っただけだ! 〝メイドロボ〟っていうのは男のロマンなんだ! ただ、技術者としての血が騒いだだけだ! オスカーはな、リアルなメイドを追求するあまり、逆にリアルから遠のくというジレンマに悩んで、後世の錬成師に託したんだよ。俺はそれを継承しようと――」
「……ギルティ? オア、ノットギルティ?」
自己弁護を重ねるハジメの言葉を再び遮ってユエ判事が評決を求める。嫁~ズ&愛娘陪審団は揃って微笑み、
「「「「「「「ギルティ!!!」」」」」」」
スッと立ち上がる嫁~ズ&愛娘。たらりと冷や汗を流す魔王様。
「大人しく裁きを受けなさいよ~」
「血は争えないな。父さんもな、昔よく母さんにメイド服を強要したもんだ」
菫はタブレットから目を離さず、愁は思い出に浸っているのか遠い目をしている。というか、息子的に聞きたくない情報があった。
「……どっちにしろ、まったりは出来なかったか……」
迫る嫁~ズと、膝の上で向かい合う形に座り直した愛娘を見やり、ハジメは引き攣り顔になるのだった。
月明かりもほとんど届かない闇に包まれた森の中を、異常なほど静かに、されど迅速に進む集団がいた。
とある国の、公式には存在しない特殊部隊だ。
そのリーダーは、淀みなく足を進めながら内心では愚痴を零していた。
(……まったく、とんだ貧乏くじを引かされたもんだ)
目標である人物はリーダーの男もよく知っている。有名なアイドルで、世界中で翻訳されるような漫画の原作者なのだ。テレビでもネットでも、その業界に興味がなくてもよく見かける。
そんな相手を、誘拐、それが不可能なら殺害……
(ただの影響ありすぎなアイドルなら良心が痛むだけで済んだんだがな……さて、国の消耗品である俺達が本来望むべき事でもないが……果たして生きて帰れるか)
リーダーの男は思う。確かにネットワークと起点たる少女の存在は脅威だ。国が捨て置けないのも理解できる。
だが、しかし、だ。
その少女は、彼の者――コードネームで言うところの〝魔王〟の身内なのだ。
数年前、彼等に手を出して祖国がどれだけ痛い目にあったか……
リーダーの男の友人達など、今や発展途上国で井戸掘りに精を出し、節目にはさわやかな笑顔を浮かべて現地の子供達との絵はがきを送ってくるボランティアメンバーだ。
自分と同等以上に、殺しと工作に秀でたとびっきりの裏の人間だったのに……
祖国のお偉方は、あの恐ろしさをもう忘れたのか。
リーダーの男は小さく、本当に小さく溜息を吐いた。
とはいえ、国に仕える者である以上、命令は絶対。気を引き締め直す。
と、そのとき、森の奥からガサリと落ち葉を踏んだような音がして、リーダーの男は拳を掲げた。部隊員達が停止。そのまま身を低くして警戒する。
暗視装置越しに音のした方を注視しつつ、サブレッサー付きライフルの銃口を向けるリーダーの男。他の隊員も全方位へ気を配る。
なるほど。気配の殺し方は流石精鋭というべきか。装備一つ一つにまで気が配られているので、森の闇や草木と同化して常人では彼等を見つけることは至難と言っても過言ではないだろう。
リーダーの男は目を眇める。どんな些細な動きも見逃さず、場合によっては容赦なく弾丸を撃ち込むつもり……
「ようこそおいで下さいました」
「――」
言葉もない。絶句とはまさにこのこと。
他の国の部隊が約定を違えて襲撃に来たか、それとも日本の対応課特殊部隊か、あるいはもっとも恐ろしい魔王やその奥方の誰かか……
そう予想していたのに、隠れることもなく堂々と姿を現したのは、
「魔王配下、フルールナイツ序列十位――フリージアと申します」
美しいメイドだった。
夜に生える雪のような真白の髪。冗談のように整った美貌。真紅に輝く瞳は妖しく、無表情なのに一瞬で心捕らわれそうなほど。
精鋭中の精鋭たる部隊員達が、呆然と生唾を呑み込む。
が、そこは流石リーダーというべきか。彼は即座に判断した。〝魔王配下〟――もはや、たじろいでいる場合ではない。撤退の選択肢がない以上、もうやるしかないのだ。
「撃てっ!」
リーダーの男が引き金を引くと同時に叫ぶ。ハッと我に返った隊員達もすかさず引き金を引いた。
サブレッサー特有の発砲音が漏れ出す中、銃弾の雨を降らされたフリージアと名乗るメイドは――
「くっ、やはりあっさりとはいかないか!」
どこに隠し持っていたのか、瞬時に巨大な可変式大盾を展開すると、その場から微動だにすることなく一斉射撃を受け止めていた。
金属同士の硬質な衝突音が夜の森に響き渡る。
「手榴弾! アルファ4、ランチャー!」
もはや隠密性など意味がないと、リーダーは火力勝負に打って出た。隊員二人が手榴弾を鮮やかな手つきで投擲する。
途端、轟音と爆風、そして噴き上がった土煙に包まれるメイド。そこへ更にライフルに付けられたグレネードランチャーの弾が着弾。爆炎が彼女を包み込んだ。
ハンドシグナルで射撃の一時停止を伝えるリーダーの男。
一拍して、土煙の爆炎が晴れると――
そこには金属の球体があった。
ハジメの可変式大盾アイディオンと同じ、全方位展開型なのだ。
カションカションカションと小気味いい音を立てながら普通の盾サイズまで折りたたまれたアイディオンを片手に、フリージアは優雅にエプロンを払った。
傷一つない。それどこからその純白のエプロンにもセンター分けしたロングストレートの髪にも、汚れ一つ付いてはいない。
「っ、散開! 5~9は足止めしろ!」
部下を足止めに、本隊は目的達成に動く。倒せない、または倒せたとしても任務遂行に重大な支障が出るレベルの損害を受ける。そう判断したが故の部下を犠牲にする決断だ。
そのリーダーの決断に、隊員達が不満など抱くはずもない。行動は迅速に取られる……はずだった。
「? いつまで呆けてる! 正気に戻れ!」
チームのアルファ5~9が返事をしない。フリージアという脅威から視線を逸らせないリーダーは即応しない部下に苛立ちを込めて叱咤の声を張り上げる。
だが、やはり返事がない。
「こちらアルファ4。5~9をロストッ」
「ッ、12! そっちにいるか!?」
「いいえっ、見当たりません! 10及び11もロスト! さっきまで隣に――」
声が消えた。リーダーのこめかみを冷や汗が伝う。素早く指示を出し、周囲にいた2~4が僅かに隊形を変え、互いをカバーできるようにした。
「やられたな。あんたは囮か」
「ご明察です」
答えたのはフリージア……ではなく、もっと幼い声だった。しかも、聞こえてきたのは真横から。
森の暗がりから染み出すように現れたのは新たなメイド。
「初めまして。フルールナイツ序列第二位――ネメシアと申します」
「……こ、子供? っていうか、ウ、ウサギの耳?」
思わずといった様子で、リーダーの男の視線が完全に新たなメイドへと流れた。
それも無理はないだろう。彼女は、一見するとまだ十代前半か、多く見積もっても十代半ばくらいの少女だったのだ。とても可愛らしい容姿をしているが、注目すべきは年齢でも容姿でもない。彼女の頭の上の立派な、もっふもふの――ウサミミだ!
ハウリアである。
本名、ネア・ハウリア。パルくんと同じ年の女の子で、二つ名〝外殺のネアシュッタトルム〟と言ったが、今はネメシアだ。
ハウリアから一人、魔王直下のメイド集団を募集しているという話を聞いて、丸十日の一族大乱闘(女限定)の結果、なんと並み居るお姉さん方を退けて栄光を掴み取ったのである。
序列は総合的な評価や諸事情から二位であるが、こと諜報能力と暗殺能力はトップ。単純な戦闘能力でも兎人族なのにトップ3に身を連ね、最近は女子力までトップ争いに食い込んでいる若き精鋭だったりする。
「お仲間は既に逝きました。まだ足掻かれますか?」
改めて口を開いたフリージアに、リーダーは答えられない。
真横に、おそらくフリージアへ攻撃している間に部隊を音もなく壊滅状態にしてくれたメイド。
前方には、銃火器が全く効かないメイド。
このまま、ただ全滅するのか……
リーダーは残った部下達を一瞬だけ見回し、ふっと口元を歪めて銃口を降ろした……
「申し訳ありません。言葉が足りませんでした。――足掻いても潰しますが」
「え?」
フリージアが両手を前に突き出した。直後、その両腕が変形。カシュンカシュンカシュンと音を立てて、瞬く間にガトリングになった。腕そのものが。どう見ても人間じゃなかった。
それを見てリーダーの男は乾いた笑い声を上げながら、
「だから、やばいって言ったのに」
任務前、上司に。
直後、ガトリングレールガンの猛威が土砂ごと彼等を覆い尽くした。
なお、序列第十位フリージアは、体内に大量のアーティファクト――パイルバンカー、小型太陽光集束レーザー、ミサイル、超震動デスサイズ(大口径ショットガン付き)、空飛ぶオールレンジ兵器等の武装を満載した人型グリムリーパーであり、ハジメのロマンの集大成――メイドロボである。
それから後、各国の部隊は尽く、メイドの襲撃を受けて為す術なく壊滅していった。
後続の部隊も残らず潰され、その光景を監視システムで見学していた服部と部下達は、もう二度とメイドさんに幻想は抱かないと固い誓いを立てたのだった。
数日後。
リリアーナに対する計画を立てた各国のトップ――十人がとある場所に集まり、仲良く揃って大量の冷や汗を掻いていた。
国際サミットでも始まるのかという顔ぶれだが、今回の集まりは完全非公式だ。
それどころか、彼等は協議するためだとか、協力し合うために集まったわけでもない。
正確には集められたのだ。強制的に。ここ数分の間に。
その原因、というか実行犯を、前任者から代替わりして間もないとある国のトップがチラリと見やる。
「ご用でしょうか?」
「……いや」
むしろ、ご用があるのはそちらだろうが! とツッコミたかったが、やぶ蛇は勘弁なので首を振る。
その人物――メイドさんは、再び静かに壁際に控えた
そう、そのメイドさんこそ、一国のトップを誘拐してきた実行犯だった。
いきなり背後にメイドが現れたと思ったら、いきなり腹パンを食らって、気が付いたらどこかも分からない広々としたこの部屋にいたのだ。
そして、それはおそらく他の国のトップ達も同じだろうと思われた。
円卓に座らされている各国のトップの後ろには、それぞれ担当したと思われるメイド達が控えているが故に。
いずれも、ハッと息を呑むくらい美しいメイド達だった。男なら、誰でも目を引かれるだろう。
だが、当然ながら観賞する余裕など誰にもありはしなかった。
(シュラネルナッガー前大統領。弱腰と言った私が間違っていた。忠告、聞いておけば良かったよ……)
まだ少し痛むお腹をさすりさすりしながら、心の中で呟く。見れば、他の者達も微妙にお腹を気にしていた。どうやら、全員腹パンを食らったらしい。
一国のトップになんてことをするんだと言いたいところだが、これからやって来るだろう人物は、国がもたらす理不尽を更なる理不尽で押し潰し、我を通せる化け物だ。
「失礼ですが、今、何かおかしなことを考えませんでしたか?」
「い、いいいや、何も考えていない!」
「そうですか……失礼しました」
メイドさんが鋭すぎる。そして恐ろしすぎる。一瞬漏れ出した怒気、いや殺気で冷や汗が倍増しになった。もはや滝だ。シャワーでも浴びたみたいな有様だ。
チラリと時計を見れば、そろそろ事前に伝えられていた時間だ。
カチカチと、妙に響く時計。
やがて、その時は来た。
なんの前触れもなく、メイド達が一斉にドアの前に移動する。足音一つ立てず、綺麗な姿勢で五人ずつ左右に分かれた。
「ロードが参られます。……礼儀を、ご存じないのですか?」
メイド――ヘリオトロープさんから凄絶な殺気!
各国のトップ達は一斉に立ち上がった! 脱水症状が心配なくらい冷や汗を流す!
一拍置いて、恭しい所作でヘリオトロープが扉を開ける。姿を見せた魔王陛下は……
「お、おおう?」
若干引いたような、戸惑い声を漏らした。
今回の首謀者共に話をつけるから集めろとは命令したが、扉を開けた途端、メイドが整然と並んだ状態で頭を垂れ、更には各国のトップが死にそうな顔で頭を下げているのだ。それこそ、引くほど汗を垂れ流しながら!
さしもの魔王――ハジメさんも、ちょっとびっくりした。
ごほんっと咳払いを一つ。気を取り直したハジメが室内に入る。
と、そこで、一緒に付いてきた嫁~ズの中から引き攣った声が上がった。
「ヴェ、ヴェンリ!? お主、こんなところで何をしとるんじゃ!?」
「メイドでございます、姫様」
そりゃそうだ。だってメイド服だもの。
聞きたいのはそういうことではないのじゃ!! とティオが地団駄を踏む。
本名、ヴェンリ。その正体は竜人族、しかも、ティオの乳母である。第二の母と言っても過言ではない存在だ。
そんな存在が、いつの間にか旦那のメイドをしている!
いや、代々クラルス家に仕えてくれた一族であるから、今となってはハジメに仕えてもおかしくないのじゃけど! けど、けど妾、な~んにも聞いておらんよ!? と言い募るが、ヴェンリことフルールナイツ序列第三位アイヴィーさんはにっこり微笑むのみ。
加えて、ティオ以上の年齢であるから本来は初老の女性なのだが、今はどう見ても三十代半ばに見えるか否かくらい。母性と色気溢れる熟女といった感じだ。どう見ても若返っている。
精神力チートなティオが混乱するのも仕方ないことだった。
ティオが更に何か言おうとするが、その前に今度はシアが声を上げる。
「ネアちゃん!? まさか、まさかネアちゃんも!?」
「メイドでございます。シアお姉様」
そりゃそうだ。メイド服だもの。
更に、リリアーナが頭痛を堪えるような仕草で問う。
「あの~、もしや帝国のトレイシー・D・ヘルシャー皇女殿下ではありませんか?」
「メイドでございますわ、リリアーナ様」
そりゃそうだ。メイド服だもの。分かってますよ。このパターン。もう慣れましたし! たとえ帝国の皇女殿下で、その中でも好戦的で有名な姫であっても、ええ、そうでしょうとも! メイドさんですよね!
リリアーナはやけくそ気味に、「うふふ」と妖艶に微笑むメイド皇女様――もとい、フルールナイツ序列第七位トレニアさんに、「お久しぶりです、うふふ~」と笑い返した。
当然、そんな耐性をつけたリリアーナであるから、視界の端にもう一人、見覚えのある人物がいてもツッコミなんて入れない。たとえそれが、王国騎士団の団長であるクゼリー・レイルその人にそっくりであっても!
「ね、ねぇ、雫ちゃん。どう見てもクゼリーさんにしか見えないんだけど」
「香織、奇遇ね。私もそう見えるわ」
どうやら間違いないらしい。ちなみに、序列第四位だ。現在の王国の騎士団長が誰なのか非常に気になるところである。まさか空席ではないと思いたいが。
ユエ達全員から、特にティオから「詳しい説明はよ!」という視線を感じつつ、ハジメは所在なさげに顔を見合わせている各国首脳陣に視線を戻した。
「さて、何故、この場に集まることになったのか。状況は理解しているはずだ」
雰囲気が一変。物理的な圧力すら感じる異様なプレッシャー。
ハジメが前へと出れば、自分達が送り出した部隊を全滅させ、並み居る警備をものともせずに誘拐した超越的なメイド達が静かに背後へ控える。
黒を基本とした服装を纏い、戦闘メイド集団を侍らせるその姿――
「魔王……」
誰かが呟いた。
「では、話し合いと行こうか。理性的、平和的に、文明人らしく、な」
その言葉に、よもやこのまま殺されるのではと思い、弁明の隙を伺っていた彼等は、少し拍子抜けしたような表情となった。あるいは、交渉の余地すらあるのではと、国のトップらしい強かさが蘇ってくる。
直後、彼等はそれが勘違いだったと知ることになった。
「で? 誰の身内に手ぇ出してんだ?」
黒い風が吹いた。そう錯覚するほどの禍々しい威圧感。心臓を鷲掴みにされる光景を幻視する!
落とし前はどうつけるのか。
その〝最初の話し合い〟に、答えられる者は誰もいなかった。
その後、邪魔する者がいなくなった〝リリアーナお助けネットワーク〟がどこまでいったのか、それはまた別のお話。
そのリリアーナを陰に日向に支える優秀な秘書――サンドラ・ウィンチェスターさんが、実は変装したヘリオトロープさんで、更にハイリヒボランティア協会の裏でいろいろ動いていた幹部達が実は全員異世界人で本職メイドだというのも別のお話。
魔王の戦闘メイド集団が、更なる発展を遂げたのも、また別のお話だ。
改めて、今年一年ありがとうございました!
来年もよろしくお願いします!
ちなみに、今回出てきたいろいろの解説を少し。
・異世界版チェス&オスカーのメイドゴーレム
⇒第1巻の時の特典SSにちらっと出した内容だったりします。
いつか、SSの話も、加筆修正して出せればいいなぁと思います。
・クゼリー=レイル
⇒アフター光輝編の最初と、6巻にてちらりと出てます。
メルドの後を継ぐ王国の騎士団長です。リリアーナの元近衛隊長です。
何故、魔王のメイドになっているのか。トータス旅行記②か③辺りで書ければいいなぁと思います。
トータス旅行記は、ハジメの軌跡を追うと同時に、
フルールナイツメンバーが出てくるお話でもあるかもしれません。
・ヴェンリ
⇒3巻の番外編にて登場。ティオの乳母で、クラルス家に仕えている人。穏やか芯の強い淑女です。
しかし、竜人族なので怪力でもあります。
・ネア
⇒7巻にて登場。パルくん――必滅のバルドフェルド君と同い年で友達。
ボスのメイド争奪戦では数多のお姉様達の屍(?)の上に立ち、
満身創痍で「勝ったど~~!」とガッツポーズした姿は伝説となっている。
その内、アフターでフルールナイツのメンバーが全部出たら一覧で紹介しますね。
まだ序列八位と九位が出てませんが、単純に思いつかなかっただけなので、もし「こんなキャラ出してくれ!」とリクエストがあればどうぞ。
もしかしたらアフターで登場させて頂くかもしれませんw
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