時雨堂 2017 年振り返り

今年 1 年を振り返ってみた。時雨堂とはなんぞやという人は時雨堂コトハジメでも読んでみていただければ。

これは、スタートアップではない、台東区にある小さな IT 会社の振り返りです。

自社製品が売れ始めた

リコー様の導入を皮切りに、スクウェアエニックス様、ソフトバンク様といった大手企業に導入されたり、pixiv 様やタイトー様のようなお絵かき配信やネットクレーンなどに採用されたりと、できすぎたくらい採用していただいた。他にも事例公開ができないお客様も含め、多くのお客様に採用していただいたのは本当に感慨深い。

個人的にはフロンティアリンク様の開発担当者とお会い出来たことがとても嬉しかった。自社製品を社長が反対した中、ゴリ押しで採用してくれたとのことだった。本当にありがたい。

製品を購入いただいた方はほぼウェブサイトを見てからの問い合わせで、評価版を 1 ヶ月触っていただいて採用していただいたことになる。

採用していただいた理由の殆どが評価版検証時のサポート対応が良かったとのこと。こちらもサポートは自社の最優先事項にしているのでとても嬉しい。

機能的な面で不採用になったこともあったが、不採用の理由を丁寧にフィードバックしていただけたりもした。

2018 年もこのままうまく売れ続けるとは思っていない、ただ自社製品を多機能にする気もない。大事なのは品質と安定とサポートであり、機能ではない。

来年も「売れ続けて、更新もしてもらえた」と振り返りに書けるようにしたい。

自社製品の SDK を公開した

2017 年は自社製品の SDK の年だったと思う。iOS SDK 、JavaScript SDK、Android SDK の 3 種類の SDK を公開した。

iOS SDK はほぼほぼ 1 年間 CTO がかかりっきりだった。SDK の開発や維持はとてもリソースを使うことを実感した 1 年だった。

JavaScript や Android も社員にそれぞれ担当してもらっているが、やはりなんだかんだ負担は大きいと思う。

SDK だけでは利益は上げられないが、SDK をサボるとと本体が売れない。SDK の難しさを実感した。

さらに SDK は言語ごとに作る事になることが多いため、その言語で扱いやすく開発する必要がある。これは付け焼き刃では開発できない。

社内にその言語が得意な人がいれば良いが、そうはいかない。さらに言語だけに詳しくても使いやすいかどうかは別の話になる。

そうなるとリソースをつぎ込むことになるが、SDK だけにリソースをつぎ込むわけにもイカない。

SDK は難しい、技術的にも経営的にも難しい。自社製品を作るよりも難しい気がしている。

新しい社員が入った

8 月 に新しい社員が入った。新しいと行っても前職で自分の部下だったので、まぁ色々わかってるので楽。

自社としては CTO に続くリモート採用社員となる。まだフルリモートは許可していないが個人的には希望する社員にはフルリモートを実現していきたいと考えているので考えていきたい。

こんな小さな会社に入ってくれるのは本当にありがたいことだ。入社してくれた社員に感謝したい。

自社製品だけで社員の給与が賄えるようになった

これはとても会社にとって大きい出来事だと思う。焦って外のお手伝いをして外貨を稼がなくて良くなる。

来年もおそらく大丈夫だろう。

ただ、今度はどこまで利益を出していけばいいのかという話になると思う。これはちょっと長くなりそうなので次で。

労働時間と年収

ちょっと振り返りというよりは、今年を振り返って今後どうするかを書き出してみる。

自分は社員に対して短い労働時間、ほどほどの給与という方針で会社を経営している。基本的に大儲けはしないビジネスモデルなので、お金がほしいなら他社へ行けという方針。

自分のなかで労働時間が月 120 時間で年収 900 万円という指標がなんとなくある。これくらい毎年安定してもらえるのであれば、社員は満足なのではないだろうか?という漠然とした考え。

自社としてはこれを実現できるくらいの売上を上げる、無理にこれ以上の売上を上げないという事が理想だと思う。

もちろん売上が多くなったら還元はするが、売上が上がるというのは社員の負担も増えることでもあるので、一概に喜べることではない。

負担を上げすぎず、売上を上げすぎず。今年はそれが実現できたように思える。来年も引き続きやっていきたい。

Let’s Encrypt スポンサーになった

8/1 から Let’s Encrypt スポンサーになった。日本初。こんな小さな会社でも日本初を取れる。

自社で Let’s Encrypt を利用したサービスを提供しているわけではないが、 WebRTC を利用する際は HTTPS が必須なブラウザもあることや、全ウェブサイト HTTPS 化に賛同していることもあり、スポンサーになった。

英語でのやり取り、海外への送金をそつなくこなした社員に感謝。

自社製品の販売終了

今まで販売してきた製品を閉じることにした。お客様が数社しかいなかったこともあり、早めの決断だった。年始に決断し、半年後に終了した。

ビジネスは難しい。小さな会社だと複数のビジネスをやるのは厳しい。常に一点突破になる。

一点突破が失敗すると、残念ながらそのビジネスは閉じる必要がある。寂しい思いはあるが、失敗は大事だし、きっちりクロージングするのも大事。

必ず成功するビジネスはない、わかってはいるけど難しい。

自社セミナーの開催

営業をしていなかったのだが、今年始めて自社製品のセミナーを開催した。色々不慣れな点もあり、ご迷惑をおかけした事もあったが概ね成功だった。

自社製品の紹介は自社製品の技術紹介とくらべて、あまりやってこなかったこともあり、うまく説明できるか不安だったが無事時間内に収まった。

実際にセミナーに来ていただいたお客様が購入を決めてくれたりもした。

来年も続けていきたい。