最も稼げるプログラミング言語はコレだ。アメリカの人材市場トレンドに学ぶ
アメリカでは2007年から2012年までの5年間でプログラマーの求人件数が31%も増加し、人材不足が深刻になっている。プログラマーに対する求人の伸び率は他職種の約3倍に達している。プログラマーのサラリー相場が軒並み上昇する中、最も稼げるプログラミング言語は何なのか?アメリカの人材市場トレンドから読み解く。
最初に結論を書いてしまうと、2017年現在のアメリカで最も稼げるプログラミング言語はRuby/Ruby on Railsである。求人サイト検索サービスのIndeedがまとめた調査によると、直近のアメリカの求人広告に提示された平均サラリー額(2017年5月現在)はRuby/Ruby on Railsが年収117,147ドル(約1,300万円)で、第1位だった。以下、Python116,027ドル(約1,290万円)、C++115,597ドル(約1,283万円)、iOS115,273ドル(1,283万円)、Javascript110,062ドル(約1,225万円)と続いている。
また、技術者向け転職支援サイトのGoorooがまとめた別の調査によると、同サイトが扱うプログラマー求人案件でスターティングサラリー額が最も高いのはPythonとJavaの61,000ドル(約679万円)で、3位のRubyの51,000ドル(約568万円)より1万ドル(約111万円)高かった。また、Rubyのサラリーの幅は51,000ドル(約568万円)から126,000ドル(約1,400万円)まであり、75,000ドル(約835万円)もの開きがある。つまり、優秀なRubyプログラマーが比較的不足していて供給が逼迫し、サラリーの上限を押し上げる結果となっていることを示している。一方、Pythonのサラリーの幅は54,000ドル(約601万円)で、上限が115,000ドル(約1,280万円)であるところを見るに、現時点のアメリカで最も稼げる可能性が高いのは、やはりRuby/Ruby on Railsということになるだろう。
日本人開発者まつもとゆきひろ氏(通称:Matz)が1993年に生み出したRubyが世界規模で大きく普及し、四半世紀の時を経て現在のアメリカのプログラマー達に高所得労働の機会を提供していることに、筆者は少なからず感慨を覚えている。
Indeedの検索トレンドによると、2016年に検索されたキーワードで該当ページ数が最も多かったのがSQLで、以下Java、Javascript、C#と続き、Rubyが9位に入った。一方、今年のトレンドを見てみると1位のSQLと2位のJavaは同じで、3位のC#がPythonに代わり、9位に入っていたRubyが17位まで大幅にランキングを下げている。これについては、Rubyのシェアが競合するNode.jsやGoなどに奪われた可能性が指摘されている。また、TIOBEインデックスでも、Rubyのランキングは2016年5月の8位から2017年5月の11位へと下がっている、
以上の求人トレンドの変化を見るに、Rubyのシェアが今後どの程度安定的に推移していくかは未知数であり、Rubyプログラマーに対する求人ニーズが現時点と同様のまま推移すると考えるのは少々危険であるとすべきかもしれない。その意味では、求人トレンドが安定しているJavaやJavascriptの仕事を中核に据えてポートフォリオを組んだ方が、長い目で見て安定的な収入が得られる可能性が高いと思われる。
その意味で、アメリカのスタートアップ企業の求人トレンドを見ておくのも参考になると考えられる。アメリカのスタートアップ企業の情報を集めたAngelListによると、AngelListに掲載された求人情報で、最も多かったプログラマー求人がJavascriptで、全体の20.6%だった。以下、Python(13%)、C言語(10.8%)、C#(10.3%)、C++(10.3%)、Ruby(8.6%)と続いている。なお、2年前に行われた調査ではRubyは3位にランクインしていたという。
なお、Goorooによると、Javascriptプログラマーに対する需要は2015年4月に近年のピークに達し、上限サラリーが188,168ドル(約2,095万円)にまで上昇したという。Javascriptプログラマーのサラリー相場はその後上限10万ドル程度まで下落し、今のところ安定しているという。
また、Javascriptは使用するフレームワークによって得られる平均サラリー額が変わってくるという。プログラマーのメンターサイトCodementorによると、JavascriptプログラマーでNode.jsが扱える人の平均サラリー額は107,562ドル(約1,200万円)と、他のフレームワークを扱えるJavascriptプログラマーのものよりも高くなっている。また、フロントエンドの開発で多用され始めたAngularJSを扱えるJavascriptプログラマーに対する求人トレンドが最近高止まりで推移しており、今後のサラリー相場の上昇が期待出来るという。
あくまでもお金を稼ぐという見地で考えるに、現時点のアメリカでは、Node.js をフレームワークにしたJavascriptの仕事を中心に受注し、可能であればRubyで単価の高い仕事を並行して受けるのが最も稼げるようだ。ただし、これはあくまでも現時点での話であり、未来も同様というわけではない。トレンドやニーズを追い続け、常に新しい知識と技術を身に着けてステップアップをし続ける。プログラマーという仕事は本当に大変なものだと筆者はつくづく思うのである。
<参考・参照元>
What Programming Language Should a Beginner Learn in 2017? | Codementor
TIOBE Index | TIOBE - The Software Quality Company
The 9 Most In-Demand Programming Languages of 2017 | Coding Dojo Blog
Get paid! 10 programming languages to learn in 2017 | InfoWorld
今さら聞けない!Rubyとは【初心者向け】 | TechAcademyマガジン
アメリカで最も稼げるプログラミング言語は?
また、技術者向け転職支援サイトのGoorooがまとめた別の調査によると、同サイトが扱うプログラマー求人案件でスターティングサラリー額が最も高いのはPythonとJavaの61,000ドル(約679万円)で、3位のRubyの51,000ドル(約568万円)より1万ドル(約111万円)高かった。また、Rubyのサラリーの幅は51,000ドル(約568万円)から126,000ドル(約1,400万円)まであり、75,000ドル(約835万円)もの開きがある。つまり、優秀なRubyプログラマーが比較的不足していて供給が逼迫し、サラリーの上限を押し上げる結果となっていることを示している。一方、Pythonのサラリーの幅は54,000ドル(約601万円)で、上限が115,000ドル(約1,280万円)であるところを見るに、現時点のアメリカで最も稼げる可能性が高いのは、やはりRuby/Ruby on Railsということになるだろう。
日本人開発者まつもとゆきひろ氏(通称:Matz)が1993年に生み出したRubyが世界規模で大きく普及し、四半世紀の時を経て現在のアメリカのプログラマー達に高所得労働の機会を提供していることに、筆者は少なからず感慨を覚えている。
求人トレンドはどう変化している?
さて、現時点のアメリカでは特に優秀なRubyプログラマーの数が不足していて、高額のサラリーが得られる可能性がある事はわかったが、そのトレンドは今後も続くのだろうか?Indeedの検索トレンドによると、2016年に検索されたキーワードで該当ページ数が最も多かったのがSQLで、以下Java、Javascript、C#と続き、Rubyが9位に入った。一方、今年のトレンドを見てみると1位のSQLと2位のJavaは同じで、3位のC#がPythonに代わり、9位に入っていたRubyが17位まで大幅にランキングを下げている。これについては、Rubyのシェアが競合するNode.jsやGoなどに奪われた可能性が指摘されている。また、TIOBEインデックスでも、Rubyのランキングは2016年5月の8位から2017年5月の11位へと下がっている、
以上の求人トレンドの変化を見るに、Rubyのシェアが今後どの程度安定的に推移していくかは未知数であり、Rubyプログラマーに対する求人ニーズが現時点と同様のまま推移すると考えるのは少々危険であるとすべきかもしれない。その意味では、求人トレンドが安定しているJavaやJavascriptの仕事を中核に据えてポートフォリオを組んだ方が、長い目で見て安定的な収入が得られる可能性が高いと思われる。
おすすめのプログラミング言語はコレだ!
プログラマーのサラリーは他の労働者のサラリーと同様に、仕事の需要と供給のバランスで決まる。現時点ではRubyやPythonで高額の収入を得られる可能性があるが、一時的なトレンドで終わる可能性もある。お金を稼ぐ手段としてのプログラミング言語を選択する場合、自分の好きな言語を選ぶというよりも、将来的に成長し、高い収入が得られるプログラミング言語を選ぶという、ある種のベンチャー投資に似たような発想が求められるだろう。その意味で、アメリカのスタートアップ企業の求人トレンドを見ておくのも参考になると考えられる。アメリカのスタートアップ企業の情報を集めたAngelListによると、AngelListに掲載された求人情報で、最も多かったプログラマー求人がJavascriptで、全体の20.6%だった。以下、Python(13%)、C言語(10.8%)、C#(10.3%)、C++(10.3%)、Ruby(8.6%)と続いている。なお、2年前に行われた調査ではRubyは3位にランクインしていたという。
なお、Goorooによると、Javascriptプログラマーに対する需要は2015年4月に近年のピークに達し、上限サラリーが188,168ドル(約2,095万円)にまで上昇したという。Javascriptプログラマーのサラリー相場はその後上限10万ドル程度まで下落し、今のところ安定しているという。
また、Javascriptは使用するフレームワークによって得られる平均サラリー額が変わってくるという。プログラマーのメンターサイトCodementorによると、JavascriptプログラマーでNode.jsが扱える人の平均サラリー額は107,562ドル(約1,200万円)と、他のフレームワークを扱えるJavascriptプログラマーのものよりも高くなっている。また、フロントエンドの開発で多用され始めたAngularJSを扱えるJavascriptプログラマーに対する求人トレンドが最近高止まりで推移しており、今後のサラリー相場の上昇が期待出来るという。
あくまでもお金を稼ぐという見地で考えるに、現時点のアメリカでは、Node.js をフレームワークにしたJavascriptの仕事を中心に受注し、可能であればRubyで単価の高い仕事を並行して受けるのが最も稼げるようだ。ただし、これはあくまでも現時点での話であり、未来も同様というわけではない。トレンドやニーズを追い続け、常に新しい知識と技術を身に着けてステップアップをし続ける。プログラマーという仕事は本当に大変なものだと筆者はつくづく思うのである。
<参考・参照元>
What Programming Language Should a Beginner Learn in 2017? | Codementor
TIOBE Index | TIOBE - The Software Quality Company
The 9 Most In-Demand Programming Languages of 2017 | Coding Dojo Blog
Get paid! 10 programming languages to learn in 2017 | InfoWorld
今さら聞けない!Rubyとは【初心者向け】 | TechAcademyマガジン