放射性物質 共同研究で成果を
チェルノブイリ原発事故後の放射性物質の状況の調査を続けている、福島大学とウクライナの共同研究は平成29年、観測機器などの設置が進み、福島大学では、福島の原発事故後の放射性物質の状況の予測などに役立つ成果を今後、あげていきたいとしています。
ウクライナにあるチェルノブイリ原子力発電所では、ソビエト時代の1986年の事故で大量の放射性物質が放出され、福島大学をはじめとした日本の研究機関とウクライナの研究機関が、今後の汚染拡大を防ぐための研究を、平成29年5月から本格的に始めています。
福島大学によりますと、これまでに、原発に隣接した湖の底の放射性物質を調べるため、湖底の湿った土砂や、湖が干上がった地面の乾いた土砂など、異なる環境の土砂を採取して、放射性物質の拡散状況の変化を比較する研究を始めたということです。
また、湖の東側を流れるプリピャチ川への放射性物質の流出を調べるため、湖と川の間の土地に設置した井戸の地下水の調査も始めたほか、原発周辺の土が雨で流れ出した際の泥水を回収して放射性物質を調べる設備も設置しました。
共同研究の中心メンバーの福島大学環境放射能研究所の難波謙二所長は、「チェルノブイリの事故は、福島の事故の25年前に起きており、福島の原発事故後の現状分析や今後の予測に役立つ成果をあげていきたい」と話しています。
共同研究は、今後4年間、継続されます。