外国為替相場に影響を与えてきた日本の個人投資家(市場関係者の間では「ミセスワタナベ」と呼ばれている)の間で、ビットコインへの関心が急速に高まっているという。
テレビコマーシャルでも人気芸能人を起用して、ビットコイン取引の魅力を訴えるものがある。
地下鉄の車内広告でも、ビットコインへの投資を勧誘するものを見かけるようになった。
その注意文言には次の記載があった。
<仮想通貨は価値が急落し、無価値になる可能性がある>
一言でいえば、ビットコインへの投資(投機)は、かなりリスクが高い。
FRB(連邦準備理事会)のイエレン議長をはじめ、ビットコイン取引は投機性が高いと指摘する専門家も多い。
ユーフォリア(熱狂的陶酔感)が広がる中だけに、リスクについては冷静に考えるべきだ
2017年年初の時点で、世界のビットコイン取引の98%程度が中国で行われていた。
その後、人民元の海外持ち出しを懸念した中国政府が取引の規制を強化した。
2月には中国での取引が急減し、世界全体でのビットコイン取引高はそれまでの10兆円台の規模から、7000億円程度に急減した。
その後、ビットコイン取引は対ドル、対円が中心となり、徐々に円の割合が増えている。
対円でのビットコイン取引が増えた背景には、冒頭で触れたように「ミセスワタナベ」と呼ばれている国内個人投資家の存在がある。
彼らがビットコインへの投資(投機)を増やした理由は次のようなものだろう。
2017年に入ってから、ドル/円を中心に為替レートのボラティリティ(変化率)が低下してきた。
相場が膠着する中、多くの投資家がより値動きの大きい投資対象を求めている。
なぜなら、価格がダイナミックに動いた方が、安く買って高く売ることで利益を獲得できるというイメージが膨らむからだ。