2017年もあとわずかになりましたが、今年飲んだウイスキーの中で、気になったものをピックアップしていきます。
昨年だとトップ10を発表していましたが、正直言うと10個挙げるのもつらいほど、ピンとくる銘柄が少なかった印象です。ですので今年は、かなり数が少ないのでご了承ください。

1.サントリー 特級ウイスキー

royal_1960_01今年は古酒、特にサントリーの特級時代の銘柄をいくつか飲みました。

今でも看板として現役である角瓶、オールド、リザーブ、ローヤルですが、等級制度が存在した1989年以前のボトルは、いずれも現行のボトルと比べても香り、味わいともに深くて豊かな印象でした。

特に顕著だったのが燻製のようなスモーキーな香りがしっかりしていて、ウイスキーらしさが実感できる点です。
現行品ではスモーキーさをしっかり出しているのはローヤルくらいで、オールド、リザーブ、角瓶ともにノンピートモルトを使っているような希薄さです。

等級制度が廃止されて30年近くが経過していますが、その間に幾度か減税が行われて安価になっていった中で、サントリーは便乗して品質を下げているのではないか、と疑いを持ってしまいました。

原酒不足が徐々に解消されつつある中で、サントリーは比較的低価格の部類で巻き返しを図るのか、見守っていきたいです。

2.ザ・マッカラン ダブルカスク

maca_w12一方で、現行品で今年飲んだ中でベストだと思ったのは、3月にリリースされた、ザ・マッカラン ダブルカスクです。

値段が7000円近くと高価ですが、シェリーオーク12年と比べるとマイルドで飲みやすく、ストレートでもとっつきやすさを感じました。

12年もののシングルモルトとしては熟成感がしっかりした印象です。

残念ながら、このボトルを超えるものを今年飲むことは出来ませんでした。これ以上になると、本当に2万円近い投資が必要なのか、個人的にも不安があります。
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3. ニッカウヰスキー 鶴 ノンエイジ

tsuru_na_01_01次点としては、ニッカウヰスキーの鶴を挙げます。

従来品は17年ものとして売られていましたが、2015年で製造終了してしまいました。
しかし蒸溜所限定、ノンエイジとして復活を果たしました。

価格は蒸溜所でも14,000円と大きく値を上げてしまいましたが、従来よりもアルコールからのとげとげしさが抑えられて、ストレートでも飲めるブレンドにスイッチしました。

原酒不足によって、ニッカの現行品が軒並み香りの層が薄く熟成感に欠けるものが多いですが、この鶴においてはそのような物足りなさを感じることはありませんでした。

おいそれと買える値段ではないですが、十分に金を払っただけの満足感は得られるでしょう。

併せて、シングルモルト余市 2000'sも復活したのが朗報でした。

4. ザ・フェイマスグラウス メロウゴールド

fg_mg_最後に、甘くて万人受けで比較的手に入りやすいボトルとして、ザ・フェイマスグラウス メロウゴールドをピックアップします。

このボトルも今年リリースされましたが、レギュラーに比べてファーストフィルのシェリー樽原酒を主体にしたブレンドになっていて、最初にラムレーズン、後々でメープルシロップの香りが続き、甘さが支配する印象になっています。

その中で、ライムのような柑橘系の爽やかな香りがアクセントになっていて、甘さ一辺倒にならないようバランスが取られています。

ストレート、ロック、ハイボールいずれの飲み方でも甘さが堪能できて、ウイスキーに親しんでない人でも取っつける印象を受けました。
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以上が、2017年で特に印象深かった銘柄でした。

国内においては、昨年から今年にかけて多くの蒸溜所が建設、製造を開始しましたが、熟成されたウイスキーが出るのは、早くても2019年からになるでしょう。

その中で、来年において既存のメーカーがどのような攻勢を仕掛けるかも見物かと思います。
東京五輪が行われる2020年以降は、国内のウイスキーが激戦となる時代になるかもしれません。