朝まで!ドキュメント72時間 2017[解][字] 2017.12.29
12月のNHKっつう感じですね。
そうですね。
そろそろ「紅白」関連のいろんな事が始まるかもしれないし。
あっち行くとあれですよね。
「大河ドラマ」のスタジオありますよね。
ちょうど撮ってるんですね「西郷どん」を。
「西郷どん」をね。
毎年恒例「朝まで!ドキュメント72時間」。
今年はこちら渋谷のNHK放送センターから4時間45分にわたってお届けします。
初めてだ。
おさむさん初めてスタジオに来れましたよ。
やっと来れましたね。
ようやく認めてくれたんですかね?セットが。
すご〜い!ちゃんと作ってある。
大き〜い!お金かかってる。
やった。
(笑い声)すごい。
大吉田展。
大吉田潮展。
すごいですよこれ。
今年ねご登場頂いた皆さんが。
本当だ。
今年の顔が。
今年の顔が。
いましたよね「鶏なら首絞めて」みたいな。
(笑い声)串カツか。
(吹石)すごい。
笑ってごまかす夫。
あっ色がついてる1個だけ。
あのほらマゼンタさんマゼンタさん!マゼンタさんだ!365日マゼンタさん。
じゃあそろそろ席に着きましょうか。
こちらに席が。
大丈夫ですか?はい大丈夫です。
よいしょ。
失礼します。
はい失礼致します。
という訳でね今年はこの3人で朝の4時30分までお送り致しますがさあ「72時間」今年もいろんな場所で取材しました。
こちらにありますね。
39本。
ずらっとありますね。
やっぱ頭の方からずらっとありまして。
面白いのいっぱいありましたけど僕はね「婚活ルーム」好きだったんですよね。
ほうほうどうして?意外とあれってなかなか撮らしてくんないんですよ。
婚活ルームでしかも顔出しでとかって難しいんですけどさすが「72時間」。
ねっあそこに来た人たちの顔出ししながら撮っちゃう。
確かに確かに。
なかなかできないでしょうテレビで。
吹石さんは?私も「老人ホーム」のナレーションさせて頂いてすごく印象深かったですね。
そこでの皆さんの生活。
生き生きとされてる方もいらっしゃればちょっとわがまま言っちゃうみたいなおばあちゃまもいらっしゃったり。
だってあそこは「60歳から97歳まで」っていきなりナレーション始まったでしょ。
あれ聞いて「俺来年入れんじゃん」と思った訳。
(笑い声)さあ今年もこの中からですね視聴者の皆さんに「もう一度見たい」そういう回を投票して頂きました。
リクエストの多かった10本をお送り致します。
じゃあ早速まいりましょうかね。
10位9位といっちゃいますか。
はい。
では10位です。
これは面白かったです。
これしみじみ回ですよね。
しかもちょっと新機軸だったな。
9位いきます。
それでは第10位「京都静かすぎる図書館」と第9位「なぜか大宮喫茶店は待っている」2本続けてご覧下さい。
今夜の「72時間」は…みんな1人で何に向き合っているのか。
ひそひそ声で聞いてみた。
秋の連休でにぎわう京都の街。
銀閣寺や京都大学に程近い大通りに珍しい図書館があると聞いてやって来た。
看板には私設図書館。
う〜んちょっと入りづらそう。
お邪魔しま〜す…。
みんな黙々と机に向かい自習室のような感じ。
いろいろ気になるけどうかつに声をかけられない。
ひとまず筆談で取材交渉してみる事に。
おっ答えてくれるみたい。
どうやら仕事に関する勉強をしに来たらしい。
業務管理ソフトのユーザーサポートをしているというけど…。
この調子では日が暮れてしまう。
申し訳ないけどちょっと移動をお願いする事に。
(取材者)すいません。
いえ…。
この休憩室はおしゃべりOK。
そうですね。
図書館は有料で2時間250円から。
お茶やコーヒーのサービスもあり自分の時間にゆっくり浸る事ができるそう。
こちらには分厚い辞書を広げる男性。
うん?何語だろう?気になるなぁ。
席を立ったところで声をかけてみた。
過酷な戦争を生き延びた父親が学んでいたという戦地の言葉。
遺品を整理するうちなぜか自分も覚えたくなったそうだ。
父親の記憶を追体験して8年。
現地にも足を運んだらしい。
へえ〜。
すいません…。
(小声で)NHKなんですけどちょっとお話伺ってもいいですか?はい。
キノコってこんなにデザインとか形とか見て頂いて分かるように多様性があるんだなっていうのが面白くて。
そうなんですか。
人が減り始めた午後8時2階にあるもう一つの部屋へ。
こちらはより静寂を求める人が集まるという。
恐る恐る声をかけてみた。
原稿?ふだんは建設会社に勤めてるけど今日は休みでゆっくり文章を練っていたそう。
まああの〜…。
通い始めて気付けば10年。
何だか居心地がいいそうだ。
みんな1人に見えるけど実はつながっている。
2階から下りてきた若者。
誰かを気にしてる。
いいね。
お前もな。
閉館は深夜0時。
図書館の長い一日が終わった。
3連休が明けた火曜日。
平日の開館はお昼の12時。
早速お客さんが入ってきた。
NHKなんですけど…。
あっそうなんですか。
へえ〜。
カナダで指圧師をしていた男性。
東洋医学を学ぶために京都へ来たという。
アイキャノットセイバット…。
英語でアトモスフィア。
ベリーコンフォタブル。
ふ〜ん。
今日は空席も多く一段と静か。
インタビューもなかなかうまくいかない。
ちょっとだけ…。
すいません。
カナダの男性が勉強を始めて5時間。
隣に昨日の夜出会った高校生が座った。
大学受験を控え学校帰りにも来ているらしい。
へえ〜。
へえ〜。
友達とは中学からの長いつきあい。
クラスも部活も別々で一時は距離を置いたそうだけど。
(笑い声)もう20年以上来てなくて今資格というか仕事で資格を目指してまして…。
夜部屋の片隅で夢中でノートに向かう男性がいた。
あっそうですか。
へえ〜。
あっ。
へえ〜そうなんですか。
ノートの端にはスケジュール。
早朝から働いて一日の終わりに勉強しているようだ。
お〜すごい。
図形?はい。
は〜。
教壇を離れて8年。
53歳の今年齢制限のある採用試験はもう受けられないというけど…。
ありがとうございます。
机1つ分。
小さな空間が守ってくれる自分の居場所。
男性は明日もここに来る。
お返し致します。
ありがとうございました。
撮影3日目。
開館間もなく一番乗りのお客さん。
あ〜そうですか。
もう10年世界各地のオランウータンを追いかけてきた。
知れば知るほど奥深い世界らしい。
さみしがり屋?群れていたいけど1人にもなりたい。
人間って不思議だ。
夜の館内で真剣に読書する男性。
…と思いきや麻雀?思わず声をかけた。
さっきはちょっと休憩中。
実は今が人生のふんばりどころなんだとか。
背中を押してもらいたくてやって来たこの場所。
目に見えない連帯感に包まれながらまた静かな自分の世界へ。
ああはい。
はい。
仲よく2人で?ああはい。
さようなら。
はい。
(「なぜか埼玉」)そのお店をひと言で表現するのは正直ちょっと難しい。
一見レトロな純喫茶。
でも店に並ぶのは奇妙な骨とう品に…なぜか蛇。
メニューも全てどか盛りでなんと300種類以上。
24時間眠らない何でもありのこのお店。
集まる人たちも皆どこか開放的。
(取材者)お〜すごいすごい。
ちょっとカオスな異空間に3日間潜入してみた。
パ〜。
お店の最寄り駅は…首都圏と地方を結ぶ14もの路線が乗り入れる。
駅前もどこか都会のような地方のような。
よく見るチェーン店が並ぶ通りから一歩裏に入ると…個性的なオーラを放つ建物が。
いらっしゃいませ。
金曜のランチタイムに撮影開始。
結構にぎわってる。
お食事中すいません。
すごいですね皆さん。
あっそうなんですか。
こちらにはまったりお茶をするカップル。
(笑い声)埼玉出身の2人は新婚夫婦。
今日は電車で30分かけて東京でデートしてきたみたいだけど。
地元の人にはこの雰囲気がたまらなく落ち着くみたい。
「モナ・リザ」の下で一人パンケーキを味わう女性がいた。
へえ〜。
ちなみに何年ぐらい通われて…?何年ですかね〜。
あっ高校の時から。
学生時代からの常連さん。
でもこのケーキを食べるのは実に10年ぶりなんだとか。
ああはい。
あっ在宅で。
介護の疲れで体を壊し最近まで車椅子生活を送っていたそう。
やっと回復し今日は検査の帰り道。
ご褒美に食べたくなったのが昔から大好きなこの味だった。
ありがとうございました。
はいどうもね。
ごちそうさまでした。
ありがとうございました。
ナポリタン1つ。
オムレツが大盛り2つね。
あっすごい。
すご〜い!は〜。
意識の?意識。
柔らかくなる。
こんなになっちゃうんですね。
夜7時大宮の街がにぎわってきた。
お店にも仕事帰りの人たちが。
席に着くなり熱心に本を読み始めた男性がいた。
何かすごい本を読んでたんで…あっそうなんですか?埼玉…すごい。
カバンには埼玉の本がどっさり。
図書館で借りて持ち歩いているんだって。
あっすごい。
こんなに。
はいはい。
子どもの頃は何の特徴もない平凡な街だと思っていた埼玉。
でも就職してから気持ちに変化が生まれたという。
クイズ大会はひとつき後。
かつ丼で英気を養う。
そうですね。
深夜1時を過ぎても人は途切れない。
にぎわう店内をぼんやりと眺める男性がいた。
あ〜そうなんですね。
ええ。
そうですね。
シングルマザーのお母さんを支えるため二十歳で就職。
ずっと家計を担ってきたけど時々ここで一人の夜を過ごすんだそう。
人には言えないいろんな思いを店のけん騒が優しく包む。
2日目は土曜日。
朝の人気はホカホカのうどんセット。
あっ普通に飲み帰り?へえ〜。
72時間ここにいたら…。
ちょっとこわもてのおじさん。
うん?軌道工。
軌道工?線路?おなかを満たしてこれからパチンコなんだとか。
こちらには語り合う男女の姿。
NHKなんですけどこんにちは。
お二人仲よくお話されてたので…。
えっ?えっ?どういう事?SNS?はい。
鹿児島の離島出身だという彼女。
近所に友達が欲しくてネットを通じて彼と知り合ったという。
体調を崩したお母さんに代わって家族の面倒を見ていたらしい。
ようやく持ち直したので今は埼玉で就職活動中。
あっそうなんですね。
全然別の場所から。
午前2時。
男性が一人でやって来た。
憂さ晴らしで。
試合に負けてモヤモヤしこの時間まで街を歩き続けていたそう。
あっそうなんですか。
あっそうなんですね。
職場での人間関係に悩み休職中らしい。
数年にわたり外出も難しかったけど今日は思い切って出かけてきた。
ああ。
験担ぎで…。
へえ〜。
久しぶりにスタジアムの歓声に包まれて昔の思いがよみがえったんだそう。
少しは気分転換になったかな?どうもいろいろありがとうございました。
夜が明ける頃。
店は始発を待つ人たちでけだるい雰囲気。
いらっしゃいませ!にぎやかな5人組がやって来た。
朝からちょっとテンション高め。
NHKなんですけど…深夜営業のバーで働く仲間たち。
仕事帰りにいつもみんなで立ち寄るそう。
パ〜みたいに。
ウフフフフやだ何か恥ずかしい。
あっそうなんですね。
ドキュメンタリーだから。
(笑い声)銀座にいました。
二十歳の頃から頑張ってきたけど心機一転埼玉へ。
競争の激しい銀座ではしんどい日々が続いていたという。
ママはもともとキャバクラ嬢。
店を始めてから稼ぎは減ったけど大切な事に気が付いたという。
(笑い声)ねえ?いろいろあってたどりついたこの土地。
ありのままの自分で生きていく。
(笑い声)はいはい。
ごちそうさま〜。
は〜いどうも。
ありがとうございました。
親子?仕事仲間でもあるみたいな。
独身ですから。
バツもついてないんだけど。
(笑い声)オムライス1。
いかがでしたか〜?こう来ましたよ10位9位。
喫茶店。
何かもうこれは定番ですけどね。
ああいう感じのね。
はい。
あのナポリタン?イカが入ってる。
イカ入りのナポリタン。
あれちょっとでも食べてみたい。
食べたいんですよ。
「大宮喫茶店」の放送を見た視聴者の方からのお便りをご紹介します。
新潟県18歳の女性から。
「『初対面なんです』と言っていた男女が印象的でした」。
ああいた。
はい。
「ネットで知り合って喫茶店でゆったりと過ごすなんてどこか現代的だなと思いました」。
それから大分県51歳女性の方からです。
「カオスな雰囲気にはまりました。
番組に出てきたナポリタンがあまりにおいしそうで…」。
やっぱり。
「九州から上京した際には是非食べに行きたいです」。
わざわざ。
わざわざ九州から。
大宮まで。
図書館。
ああいう所があったんですね。
何かそこなんですよね。
やっぱりあのこんな所が日本であるんだっていうのを知れるところが。
あとあそこでロケしようってちょっと駄目ですよね。
(笑い声)あそこまで「静粛に」って。
「ちょっといいですか」って。
よくないに決まってんじゃん。
はい。
俺高校生好きだったんですよね。
高校生2人組でしょ?いいですよね。
1階と2階で。
そうそうそう。
離れて勉強してるのに帰る時一緒みたいな。
来る時と帰る時だけ一緒。
でも友達ってああいう感じですよね。
そうですね。
会話しなくても友達じゃないですか。
ほら今人ってすぐつながりたがるじゃないですか。
SNSとか何とかで不安になるけど離れていてもああやって勉強して友達なんだよなっていう。
さあここで特別企画があるんですけれどもこちらもう皆さんお分かりですね。
スタジオのイラストを描いて頂いたのが人気コラムニストの吉田潮さん。
昨年も番組に出演して頂きましたが今年1年間「72時間」のコラムをNHKのサイトで連載して頂いたんですよね。
「読む72時間」。
そうなんですよね。
あれ面白いですよね。
何かねちょっとねチクリと来てるんでよね何か。
割かしディレクターを批判しますよね。
そうですそうですそうなんですよ。
(笑い声)独特の視点と辛口の批評で評判の吉田さん今年の番組をどうご覧になったかお話を聞いてきました。
吉田潮さんと待ち合わせたのは9位にランクインした大宮の喫茶店。
あっいたいた。
吉田さんが食べているのは名物の大盛りナポリタン。
早速今年印象に残っている回を教えてもらいました。
赤羽のお店で…。
激安な肌着を買い求めるさまざまな世代の女性たちを取材した回。
(笑い声)続いて選んだのも個性豊かな女性たちが登場した回。
ジャン。
老人ホームを舞台に自分らしさを貫いて生きるお年寄りたちの姿を見つめました。
どっかわがままだったり頑固だったり自分に素直に生きてる。
みんなとても自立した女性たちで…。
最後に来年6年目を迎える番組にエールを頂きました。
やっぱり吉田さんもお年寄りが気になったんだ。
そうですよね。
「この世は飽きた」の。
ああ97歳のおばあちゃま。
(鈴木)すごいおばあちゃんですね。
「お迎えが来ないんだからしょうがないじゃない」って吉田さんが言うようにかわいらしい感じで言ってる。
「飽きるんだ」みたいな。
飽きるんだ。
続いて8位と7位いってみましょうかね。
では8位です。
この回好きだったな。
それから7位です。
それでは「トラック一人旅風に吹かれて」と「生地とボタンと私」を2本続けてご覧下さい。
(クラクション)男一匹トラックドライバー。
旅する彼らが骨を休める場所がある。
ここは大型車専用の休憩所…食事に洗濯お風呂まで。
まるで第2の我が家のように過ごす事ができる。
あらゆるものが自由自在に行き交う時代。
トラックドライバーの日常から日本の今をのぞいてみた。
街をゆけばトラックに出会う佐賀県鳥栖。
九州を縦横に走る高速道路が交わる物流の拠点だ。
巨大なジャンクションのすぐ横にあるのが今回の舞台。
平日の正午。
駐車場はほぼ満杯。
おっ恰幅のいいドライバーさん。
ジュースを積んで走る途中一服しに寄ったらしい。
やばいですよ。
う〜ん誰かとしゃべってる?今ね撮影してはるんです。
長旅は体力勝負。
食堂にはがっつり食べられるメニューがそろってる。
中華丼。
おいしいですよ。
今度は巨大なトラックが。
(取材者)へえ〜。
週末の大会に向け大分へ輸送中。
あ〜こんなものまで運ぶんだ。
豪快で目を引く大型車両。
停められる場所が少ないのでいつもここに来るそうだ。
牛肉を積んで夜通し走ってきた男性。
いつでも熱い湯に入れるのはありがたいという。
そうなんですか?はい。
職場の人間関係に疲れ心機一転。
自分のペースで働ける今の仕事を選んだ。
さっぱりした表情に。
行ってらっしゃい。
えっ?古い映画に憧れてこの世界に入ったという人に出会った。
一年のほとんどをトラックで過ごし洗濯も自分でやっているそうだ。
あっそうなんですか。
は〜きつい。
今60歳。
最近トラック業界も少し変わってきたという。
え〜!?そうですか。
ちまたで話題の働き方改革。
労働時間は短くなったけどその分給料も下がったという。
トラックだらけの駐車場で珍しいものを発見。
こんにちは。
ああ。
えっ?飽きちゃったんですか?会社からきちんと休憩を取るよう言われせっかくならとあちこち散策する事に。
そうなんですか。
へえ〜随分仲いいんだなあ。
なるほど。
ちょっと分かるような。
夜8時過ぎトラックの数が増えてきた。
どうやらみんな車中泊するらしい。
確かにただでトラックを置けるしホテル代もかからない。
あっまだ起きてる人。
あっさっき着いたばっかりなんですか?は〜。
あっそうなんですか。
もうくたくただけど寝る前にやる事があるという。
(アルコール検知器の音)今もうきれいに洗ってるから。
へえ〜。
運転席の横には炊飯器。
(笑い声)いろいろ切り詰めてるんだなあ。
自然乾燥。
深夜のトラックステーションにはエンジンの音だけが響いていた。
翌朝6時前。
ドライバーたちがまた全国へ散らばっていく。
入れ替わりに一台のトラックが入ってきた。
札幌ナンバーだ。
福岡なんですか?少しでも稼げる場所を探し去年北海道の会社に転職。
2人の子供を育てるため決断したという。
今日はひとつきぶりの帰宅。
家にはトラックを置けないので奥さんが迎えに来てくれるそう。
はい?花を?はい。
なおちゃん!出発は明日の朝。
それまでつかの間の家族団らん。
ありがとうございました。
頑張って下さい。
結構戦う系が好きなんです。
あっそうなんですか。
えっ?このカメラで。
これ見られてるんですか?運転の…してるとことか。
リアバンパーもやりかえてるんで。
へえ〜。
(笑い声)夕方のトラックステーションに3人組がやって来た。
慣れた様子でそろってお風呂へ。
職場で意気投合して30年。
毎週金曜日は必ずここに集合しているという。
いいですか?いつもは禁酒してるけど明日は夜まで仕事がない。
ゆっくり羽を伸ばせるらしい。
向かったのは10年来の行きつけだというお店。
おはようございます〜。
(笑い声)
(笑い声)・「君とうたった」1週間の疲れを癒やして明日からまた一人旅。
毎週こんな感じ…?そうよ。
3日目の早朝。
女性のドライバーが降りてきた。
週に3回もですか?はい。
(笑い声)某通販会社?はい。
最近急増するネット通販の荷物を運ぶ彼女。
10代の頃からもう20年以上この世界で生きてきた。
自分の手でハンドルを握り好きな色に輝く。
それが彼女の走り方。
休みの会社が多い土曜日はトラックもまばら。
仕事前にひとっ風呂浴びに来た男性がいた。
以前は広告代理店にいたけどもっと自由に生きたくてこの道へ。
時代も変わり規制も増えたが大した問題じゃないという。
分かんないけど。
愛車にのせていたのは巨大な牛肉。
トラックに何もかも積み込んでこれから1,200キロの旅。
わっすごいですね。
は〜。
アンカー?係留する時にいかり下ろすでしょ。
あれあれ。
思わず手を伸ばしてしまう小さな夢のかけら。
新宿にある手芸屋さん。
色鮮やかな生地や小物に引かれてたくさんの人が集まってくる。
素敵でしょ?一枚の布から生まれる無限の世界を3日間のぞいてみた。
新宿駅前の人混みをかき分け1本裏通りへ。
創業90年の大型手芸店。
一歩足を踏み入れると鮮やかな布布布。
カラフルな生地を次々広げてる。
誰かが買うのかな?
(取材者)すごいですね。
はい量が多いです。
どうやらこの男性みたい。
どんな衣装…?あっアイドルさん。
これで?そうなんです。
何個かあります。
どんな服になるのかな?こちらにはじっくり生地を選ぶ女性。
娘さんのために本格的な手芸に初挑戦。
お気に入りの柄で幼稚園グッズをそろえるそう。
(笑い声)お店は2つの建物に分かれ全部でなんと13フロア。
手芸に必要なあらゆる素材が50万種類以上もそろっている。
一つ一つひもの質感を確かめる人が。
あっへえ〜。
何でもひもには人一倍こだわりがあるという。
わざとつけて…?デニムのダイヤリーのカバー。
ああ手帳ケース。
手帳ケース。
ああそうですか。
ああ〜。
名刺もこういう名刺です。
日暮れどき。
仕事帰りの人たちがお店になだれ込んできた。
もう30年以上通っているという常連さん。
いい生地。
いい生地。
大切な人とお花見する姿を想像しながら布を選んでいたんだって。
はいはいはい。
(笑い声)ありがとうございました。
ありがとう。
頑張ってね。
こちらにははぎれを探す女性。
はい。
おっそうなの?そう。
仕事柄周りにはないしょらしい。
あっそうなんですか?ふだんは華やかな業界で生きているけどそれだけでは息が詰まるんだとか。
誰もが心に秘めているもう一人の自分。
ここはそんな世界を解放できる場所なのかな?お店は夜8時半に閉店。
2日目の朝。
開店前だというのにこの人だかり。
おはようございます。
フフッ青いしっぽ。
フフッ。
足。
足もある?マジで?楽しそうに買い物する親子がいた。
子育てしながら自宅で縫製仕事をしているお母さん。
学生時代は東京で過ごしよくここに通っていたんだとか。
襟の飾りになる。
だけど…初めて見るものがいっぱいで娘さんも興味津々。
今日のお目当てはシンプルな白い布。
すぐに決まりそうなものだけどもう3時間も見て回ってる。
ようやく選んだのは素朴な生成りの布。
こちら置いてお待ち下さい。
今はまだ1枚の白い布。
どんな形になるか想像するだけで毎日を頑張れるんだって。
その後も小さな楽しみを求めて次々と人がやって来る。
熊のポーチをぶら下げたおじさんがいた。
見た事ないです。
お気に入りのカバンを肩に掛けるゴムバンドを探しに来たそう。
そんな洋裁というか…。
あっ服を。
思わぬ習慣が人生を彩ってくれる事もある。
あれ?随分派手な格好の人。
何か分かります?こちら。
さっき見てあっと思って。
実はこの方4年前にも新宿の郵便局でお会いした脳外科医さん。
うん?あっそうなんですか?はい。
前回の放送後大ブレーク。
個性的なセンスを生かし自らブランドまで立ち上げたそう。
はいはい。
どうもありがとうございます。
お疲れさまです。
はい。
お気を付けて。
(店員)ありがとうございました。
夜はぎれを熱心に見ている人がいた。
あ〜メガネかけて…。
あ〜そうなんですか。
抗がん剤がん…。
1年前から闘病中。
今日は手作りのバッグの持ち手に使う布を探しに来た。
あっそうなんですか。
へえ〜。
定年まで勤め上げ常に気を張って生きてきた。
でも一針一針ゆっくりと向き合ううち新しい楽しみを発見したという。
あっそうなんですか。
へえ〜。
3日目は土曜日。
赤い紙袋を持った女の子がやって来た。
あっそうなんですね。
あっちょっと見せてもらってもいいですか?すいません。
へえ〜。
そうですねえっと〜何でだろう?
(笑い声)インドネシアから来日して5年。
美術を学びオリジナルブランドを立ち上げる準備中だそう。
イメージの源は大好きな日本の文化。
おかしい?色も形もデザインもあふれ出すイメージを全て受け止めてくれるのが日本のよさなんだとか。
彼氏?そう。
アーロン君の赤い髪の毛大好きだけど染めてしまう。
夕方ボタン売り場に男性の姿。
こんにちは。
知り合いやデザイナーから頼まれた服を一針一針縫うのが仕事らしい。
今日は自分で着るためのジャケットのボタンを探しに来たそう。
埼玉の高校を中退して新宿へ。
いろんな人に出会ううちステージ衣装を頼まれるようになったという。
素直な自分でいられるこの世界。
小さく光るボタンが彼の人生の証し。
お疲れさまです。
ナンバーワンだったんですか?はい。
これどう?ママにいい?ねえ「生地とボタンと私」。
世の中何でも売ってるじゃないですか正直。
洋服もバッグも何でも売ってるのにやっぱ来て自分のためにつくる人多いじゃないですか。
でも多分つくるというその事に意味があるんだよね。
そうそう。
つくるという行為が何か癒やしなのか満足感なのか。
そうそう満足感を何で得てるかという話なんですよね。
僕も割といろんなものつくるの好きだからやるんだけど基本的に全部買った方が安く済むんですよ。
(笑い声)そうですよね!絶対割高になるんですよ。
ただやっぱり没頭できるって事ですよね。
それが…。
そう没頭するための値段でもある訳ですよね。
そうそうあれ没頭料なんですよ。
没頭料。
ではその「生地とボタンと私」の届いたお便りを紹介させて頂きます。
宮崎県61歳女性の方です。
「東京に行った時是非行こうと思ったのですが新宿駅で段差に気付かず転倒。
足首を骨折して…」。
えっ!「泣く泣く帰ってきました。
なのでもう一度見せて下さい」とリクエストのこれはお手紙ですね。
ああ大丈夫ですかね?そのあとおみ足は。
心配ですが。
さあ続いて「トラック一人旅」ですけどね。
お便りをご紹介します。
埼玉県20歳男性の方です。
「この回を見てトラック運転手になろうと思った。
誇りを持って仕事をしている人たちの姿を見て自分も新しい人生を切り開く事ができました」。
「できました」ってなっちゃったのかな?なっちゃったんですかね?それとも一歩踏み出そうと思われたのか。
結構なりたい…。
あれを見てなりたいと思った人は多い訳ですよね。
僕すごいネット通販買うんですよ。
ポチッとすぐするんですよ。
不在しないで下さいよ。
でも自分本当ちょっと思ったのがポチッとした事であの車の1台が動いてるんだっていうのすっごい思いました。
本当不在も思いましたしお風呂入ってる時にピンポンってされた時ももう本当タオル巻いて出るようになりました。
スタジオは盛り上がっていますがここで特別企画の第2弾。
番組主題歌を歌う松崎ナオさんのミニライブです。
松崎さんがやって来たのは今年番組で取り上げたあの場所。
見っけた。
宮崎市内の街角に置かれた路上ピアノ。
このピアノで主題歌を演奏してもらいます。
夜8時。
いつも「72時間」を見て下さっているファンの方を中心に200人もの人が集まってくれました。
・「大人になってゆくほど涙がよく出てしまうのは」・「1人で生きて行けるからだと信じて止まない」・「それでも淋しいのも知ってるから」・「あたたかい場所へ行こうよ」・「川のせせらぎが聞こえる家を借りて耳をすまし」・「その静けさや激しさを覚えてゆく」・「歌は水に溶けてゆきそこだけ水色」・「幸せを守るのではなく分けてあげる」・「なるべく大きくてなるべく立派な水槽を」・「自転車で買いに行きはなしてやろう」・「なんて奇跡の色を持っているのキラキラ揺らめいてる」・「水溜まりに映っているボクの家は青く透け」・「指でいくらかき混ぜてももどってくる」・「とても儚いものだから大切にして」・「一瞬しかない一瞬しかない」
(拍手)ありがとうございます。
ありがとうございます。
(拍手)ありがとうございます。
(拍手)
(拍手)ああ〜。
すご〜い。
(拍手)初めてお客さんがいたっていうのでやっぱりナオちゃんもテンションが違いますね。
生き生きされてましたよね。
どうもありがとうございました。
さあ続いては6位と5位の発表です。
え〜6位いきます。
早くもはい6位。
出た!それから5位です。
5位に入りましたか。
それでは第6位「金剛山ライブカメラの山頂で」それから第5位「男が靴を磨くとき」ご覧下さい。
「午前7時ちょうどをお知らせします」。
(時報)朝7時の山の頂上。
何やら謎のポーズをとる人たちが…。
実はこれ1時間に1回シャッターが下りるライブカメラ。
インターネットに記録が残せるとひそかな人気を集めている。
なぜこんなに人が集まってくるのか?不思議なカメラの前で3日間過ごしてみた。
4月すっかり春めいてきた大阪。
ライブカメラがあるのは市内から車で1時間金剛山の頂上。
ハイキングにぴったりの身近な山だと聞いてきたけど…。
登るにつれ天気が急変。
季節外れの大雪に。
無事山頂に到着。
こんな天気でも結構にぎわってる。
朝10時前ライブカメラのある広場へ。
いたいた。
おじさんたちがシャッターチャンスを待っている。
カメラ。
ライブカメラ。
続々と人が集まってきた。
番組スタッフも手作りメッセージを掲げて輪に加わる事に。
(取材者)あと30秒。
自然とカウントダウンが始まった。
(時報)これまあ今日のこれよう写っとる。
写真は無事ネットにアップされた。
一緒に写っただけなのに何だか距離が縮まったみたい。
撮影が終わるとみんな思い思いの時間を過ごし始めた。
おいしい。
あれっ?裸のおじさん。
寒い?次の写真撮影に合わせて早めに登ってきたんだそう。
一つの病気みたいなもんですかね。
病気ですか?ええ。
待っている間に必ず寄る所があるらしい。
最高齢ですわ。
登頂記念のスタンプカード。
毎日のように登ってもう600回。
11時3分前カメラの前にスタンバイ。
21。
隣の時計と同じポーズ。
必ず11時に写るのが日課なんだそう。
はいオーケー。
ああ〜。
ライブカメラを運営するのは広場のすぐ横にある神社。
はいそうですね。
20年前に配信を始めたらしいけど。
次第に口コミが広がり人が集まるようになったんだって。
2時の直前カメラ前に走ってきた女性がいた。
バンザイして写っている。
こんにちは。
あっこんにちは。
2日に1回登る常連さん。
ご主人を亡くし1人暮らしになって以来ライブカメラに写るようになったという。
アップされた写真はすぐに子どもたちに送るそう。
う〜ん。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
カメラの前に立つ事で伝えられる気持ちもあるのかな。
こんにちは。
夜7時直前男性が駆け込んできた。
こんにちは。
一日の終わり一人でここに来るのがひそかな楽しみなんだって。
金剛山名物大阪を一望するこの夜景。
眺めていると一日の疲れも吹き飛ぶらしい。
じゃあ…。
お気を付けて。
深夜になると気温はマイナスに。
山頂からは人影が消えた。
おはようございます。
あっそうですか。
あっそうですか。
一番乗りは71歳の女性。
誰もいないですね。
あっそうなんですか。
懐かしいふるさとを眺めているうちにシャッターチャンスが近づいてきた。
あっ間に合いましたね。
毎朝5時山で知り合った仲間と写真に写るのが楽しみなんだって。
朝7時前熱心に写真を撮る男性がいた。
あっそうなんですか。
あっそうですか。
ありがとうございます。
スタッフの様子をネットで見ていたらしい。
撮影開始から21時間。
動画をアップする人も現れ番組の事はすっかり知れ渡っているみたい。
あっそうなんですか。
どうもありがとうございます。
こちらこそ。
金剛に召します皆様方のご健勝を祝ってよ〜う!
(舌を鳴らす音)はい。
・「赤い夕陽が校舎をそめて」下を大きくしないと。
(笑い声)夕方4時。
こんにちは。
こんにちは。
見てほしい相手は一緒に暮らす大学生の息子さん。
実は最近ほとんど会話をしていないそう。
間接的なコンタクト…。
どこまで伝わるか分からないけどこれが今できる精いっぱい。
今夜も寒さのせいかカメラの前は無人のまま。
あっ久しぶりに人の姿が。
写っていたのは昨日会った淡路島出身の女性。
おはようございます。
おはようございます。
体調管理のため最近登山を始めた男性。
淡路島の女性を師匠と慕っているらしい。
いつも元気をもらっている師匠と今日は並んで1枚。
月曜の朝男性が一人でやって来た。
取り出したのはほら貝。
(ほら貝の音)気持ちいいんですか?ハハハッ。
夜勤が多く不規則な生活。
でも今の仕事に満足しているという。
…いっぱいいらっしゃいますもんね。
ああそうですね。
8時が近づくとカメラの前へ。
そこへもう一人男性が…。
おはようございます。
同じ時間に居合わせた者同士何か通じ合うものもあるのかな。
しんど。
今日はしんどい。
12時の撮影が終わった直後赤い服の男性がやって来た。
お〜い。
あら〜本当?自宅でライブカメラを見るのを楽しみにしているというご夫婦。
あっホームページでね。
そうそうそう。
それこそあの…姪っ子の本。
(笑い声)カメラに写るためもう1時間待つ事に。
あそこ?そしてようやくお待ちかねの時間。
(時報)さっきのあの人や。
ああそうやった。
(笑い声)夫婦の歴史に新たな一枚が加わった。
掲示板みたいなのをな。
見つけたんやな。
見つけたか。
先ほどの方から…。
そうそう。
こちら連続登山3,000回を記念して…。
土曜日も来てはりますよね?ええ。
ライブカメラで見れるんで見て「あっ雪降ってるわ」と思って。
世の中には足元を輝かせる事に勝負を懸ける人たちがいる。
ハンチング帽に蝶ネクタイ。
今や珍しい光景となった路上の靴磨き。
働く男たちが多忙な合間を縫って駆け込んでくる。
なぜそこまでピカピカの靴にこだわるのか。
今を生きる男の事情を足元からのぞいてみた。
ビジネスマンが行き交う街…週の半ばの水曜日商業ビルの一角にあるというお店へ。
磨いてる磨いてる。
どんな靴でも1回1,100円。
2年分の汚れがみるみる落ちていく。
10分ほどで終了。
今度は年配の男性。
食品の業界誌の編集長。
今夜は大事な会食があるらしい。
(取材者)場違い…。
じゃお気を付けて。
磨かざる者には分からない大人の世界。
時代は変わっても根強い支持はあるみたい。
少し使い込まれた靴のお客さん。
新しい挑戦を見守ってくれたお母さんからのプレゼント。
6年間一緒に営業現場を回ってきた。
頑張って下さい。
はい。
ありがとうございます。
午後2時雨足が強まってきた。
いつもなら行列が出来る時間らしいけど。
そんな中なぜかスニーカーを履いたお客さんが。
取り出したのは新品の革靴。
…いう感じかな。
結構しますよね。
はい。
若い頃から人一倍お金をかけてきた。
靴は人となりを映し出す鏡なのだという。
今名古屋から単身赴任中。
ゆっくり靴を磨くのが至福の時なんだとか。
ヨーロッパの職人さんみたいな雰囲気を出したいんですね。
そうです。
とてもね。
お店は夜7時まで。
この日最後のお客さん。
こんにちは。
朝7時から働きもうクタクタ。
でも一杯飲みに行く前にわざわざ靴を磨くという。
眠くても怒られても妥協しない。
男性は夜の街へと繰り出していった。
どうもすいませんいろいろ。
ありがとうございました。
お気を付けて。
はい失礼します。
翌朝8時半。
おはようございます。
七つ道具をワゴンに乗せて職人さんたちがやって来た。
今日は天気もいいせいか出足は好調。
おっちょっとオシャレな感じの若い人。
10万円以上したという高級な一足。
ふだんは建設現場も回る営業マンだけどあえてイメージを変えようと意識してるそう。
というのがやっぱり…競争が激しい中存在感を出そうと必死みたい。
きっちりとスーツを着こなした男性がやって来た。
知床!?え〜随分遠い…。
今日は霞ヶ関の省庁を回っていたらしいけど…。
実は知床半島斜里町の町長さん。
1万2,000人を代表して道路や飛行機の整備をお願いしに来たんだって。
ありがとうございます。
はい。
1,500キロも飛んできて靴も磨いて頭も下げて。
政治の世界って大変だ。
閉店10分前。
一人の男性が駆け込んできた。
初めてですか?はい。
履いていたのは7年使い込んだという愛用の革靴。
真剣に見てる…。
はいはいはいはい。
大事にしてきたつもりだけど気付けばボロボロに。
履けなくなっては困ると慌てて飛んできた。
もらった当時の鮮やかな色が少しずつ戻ってくる。
今日はもうまっすぐ家に帰る?ありがとうございます。
時がたてばまたすり減る。
それでも一緒に歩きたい。
3日目の朝。
職場の後輩を連れてやって来た男性がいた。
最近転職してきた30代の後輩。
先輩はここで教えたい事があるみたい。
よかれと思ってやってるけど。
何事も自己流だけではうまくいかない。
職を転々としてきた彼だけど今の先輩に出会いようやく気付かされた。
ありがとうございます。
(笑い声)ありがとうございます。
最終日は土曜。
開店早々職人さんが靴を囲んで話し合っていた。
どうやらかなり重傷みたい。
靴を持ち込んだのは30代の男性。
長い間放置していたらしいけど…。
工場勤めだった?5年前東京の営業現場から岡山の工場へ異動を命じられた。
この靴は東京にいた20代の頃に履いていたんだって。
めっちゃいい靴ですね。
力を出し切れないまま東京を離れ悔しい思いもした。
でもこの5年工場で厳しくもまれながらふんばってきた。
ありがとうございました。
今の目標は自分のような後輩を支えられる存在になる事。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
おさむさんの周りでは「靴磨き」の回が評判よかった?僕の…テレビマン特にディレクターの中では今年の1位はこれじゃないかって勝手にメールを送ってくるやつがありまして。
結構何人も。
僕結構この回ショックで。
というのは多分番組を企画した人も撮りに行ってるディレクターさんも靴を磨くのが珍しい事扱いに…。
ああ〜。
「もうそうなんだ」っていう…。
多分僕らの周りでもそういう考えだと思います。
我々世代ぐらいまでは「それ当たり前だろ」みたいな。
ああ〜。
「自分で磨けないのか?」みたいな。
はいはいはいはいはい。
靴磨くって何か見てると汚れを取るために拭くとかじゃなくてクリームを使って再生させてるじゃないですか。
当たり前じゃないですか。
そういう話じゃん。
だって俺今履いてるのでも30年履いてる靴ざらにあります。
え〜!カッコいいなあまた。
おしゃれ〜。
すご〜い。
それでやっとやっといい感じになったみたいな。
30年?30年履いて。
すごいな〜。
「金剛山」。
「金剛山ライブカメラ」。
お便りもご紹介します。
神奈川県52歳男性。
「私から見れば無意味に見える事を連日繰り返している人たちの行動が何だかとても羨ましくて憧れてしまいました」。
放送したあと大変な事になったらしいですよ。
まずはではこちらの写真をご覧下さい。
えらい事だ。
富士山みたいになっちゃったよ。
こちらは放送の翌々日4月30日お昼の1時です。
あら!フレームからはみ出してしまうほど人が来て急きょ1時間に1度だったライブカメラを30分に1度にされたそうです。
できるんだそんな事。
そんな事できるんですね〜。
柔軟に対応して下さるそうで。
実はねこの「金剛山」の回なんですけども企画自体視聴者の方の情報提供で実現したんですよ。
なるほど。
そういう時代になってきましたよ「ドキュメント72時間」も。
募集もしてないでしょう?募集もしてないのに勝手に送ってくるって事でしょ。
すごいね!実はそういう視聴者からのご提供頂いたというパターンが今年実は「金剛山」を含め3本あったそうで「金剛山」は横田嘉人さん58歳会社員の大阪府在住の方でもともと金剛山の常連の方だそうです。
それから先ほど10位にランクインしました「静かすぎる図書館」京都の。
こちらは歴史小説家の澤田瞳子さんからの情報ですね。
もう一本が?3月に放送しました「キリンが見える散歩道」。
ああはいはい。
おかしいと思ったんですよ僕は。
どこがおかしいと思った?やっぱり僕もバラエティーやってる人間として日本全国のいろんな場所をリサーチするじゃないですか。
絶対にリサーチのプロが挙げてきても見つからないネタなんですよ。
ほうほう!つまりは視聴者というか本当に生活になじんでいる人が「こういうのあるよ」って言わないと見つからないネタのはずなんですよ。
なるほど。
だからね俺ね「やっぱおかしいな」と思ったんですよ。
やっぱりそうなんだ。
今回「キリンが見える散歩道」を情報提供して下さった方に番組スタッフが会いに行ってきたそうなんですね。
熊本地震で休園した動物園。
中をのぞき見できる秘密のスポットに密着した回。
情報を提供してくれたのは…「72時間」の大ファンで時間を見つけてはロケ地巡りをしているそう。
この日仲間と訪ねたのは11月に放送した川崎のゲストハウス。
京都の鴨川デルタに新宿の郵便局。
更に香港のチョンキンマンションまで訪れた松村さん。
そのうちに地元熊本も取り上げてほしいという思いが強くなったと言います。
それどころじゃなくなって…。
その日を境に日常が一変。
でもそんな時思いがけない光景と出会いました。
すぐに番組へメールを送信。
念願の企画が実現したのです。
更に松村さんは友人たちを巻き込みある集まりを発足させたそう。
今年も九州各地から会員を招集。
熱く語り合ったそうです。
松村さん本当にありがとうございました。
いやすごい人がいらっしゃいますねぇ。
何ですかちょっとプロな感じが。
そうですよね。
これだ。
これだ。
これは本物だ。
でもこれいいですよね。
やっぱり5年6年やってるとどんどん場所に枯渇してくると思うんですよ。
こうやって視聴者からの勝手な投稿システムにより場所が変わると意外ともう一回アナログに戻るじゃないですか。
そうですよね。
この勝手に投稿システムは非常にいいんじゃないかと。
でしょう?はい!非常に助かるという事でですね番組からのお知らせがございます。
来年から番組では本格的に視聴者の皆様から企画を募集しようと思っています。
地元の人しか知らないユニークな場所やそのまちの特別な3日間など番組ホームページまで是非お寄せ下さい。
2018年度からどんどん視聴者の皆さんに頼っていこうと…。
よろしくお願いします。
いいと思いますよ。
もうね6年目になるんですから。
お待ちしております。
皆様あっての「72時間」でございます。
それでは続いて第4位と第3位まいりましょうかね。
では4位です。
いよいよベスト3に入ってきますよ。
(鈴木)あ〜これ入ると思ったな。
なごみ回だね。
では3位にいきます。
あっ!3位か。
俺的には1位だったけどな。
それでは第4位「ゆらゆらくらげに誘われて」。
第3位「海が見える老人ホーム」2本続けてご覧下さい。
あれ?夢を見ているのかな。
そんな気分に浸れる空間がある。
5,000匹のクラゲが浮かぶ大水槽。
不思議な動きに誘われて多くの人がやって来る。
へっへっへっ。
クラゲ。
無数のクラゲが漂う水族館で3日間過ごしてみた。
水族館があるのは山形県の日本海沿い。
(チャイム)日曜日のお昼館内は既に人でいっぱい。
迎えてくれるのは5万匹ものクラゲ。
世界有数の規模なんだとか。
そして一番人気ミズクラゲが泳ぐ5メートルの大水槽。
(取材者)えっ?お二人は東京から。
こちらには水槽を見上げる家族連れ。
難関大学の受験を控えるお兄ちゃん。
勉強に専念する前に来たかったのがいつも家族4人で通ってきたこの場所だった。
(笑い声)なぜか病みつきになる青と白の世界。
熱心にカメラのシャッターを切る女性がいた。
あっ飾るんですか。
へえ〜。
ああそうですね。
うんうん。
確かに夏にピッタリ。
行きつけの薬局のみんなが喜んでくれるのがうれしいんだって。
あれ?大水槽で何かが始まった。
へえ〜。
閉館30分前。
お昼に会った受験生のお兄ちゃんが一人で戻ってきた。
もう1回?将来の夢はロケットのエンジニア。
果てしない空の向こう側を想像するのが好きなんだって。
それを実現するためにじゃあ…まだ見ぬ景色を今はクラゲに重ねる。
夕方5時水族館の営業が終了。
夜閉館したはずなのに人の姿が…。
実はこれ水族館が開催する人数限定のお泊まりイベント。
一晩中クラゲを眺めながら眠る事ができる。
かわいい。
人の輪から離れ一人で見て回る女性。
夜10時半消灯。
みんなが寝静まったあともクラゲは漂い続けていた。
2日目は月曜日。
朝の水槽に…何だろう?6メートルのモップを使った掃除。
かなり不思議な光景。
開館直後何やら盛り上がっているおじさんたちがいた。
(笑い声)かつて大学の同じ研究室で高分子化学を学んでいた仲間。
卒業して半世紀たつけど年に一度は集まっているという。
(笑い声)
(笑い声)披露して。
え〜っと…ああいいじゃん。
その心は?すみません…。
クラゲを見て思うのは懸命に生きてきたこれまでの日々。
あっそうなんですね。
こういうのがすごくリラックスできるのが似てるなって。
癒やされるなって。
太極拳もそうなんです。
クラゲの群れに見とれる女性。
障害のある人たちに施設を紹介したり暮らしの手助けをする仕事だという。
ありがとうございます。
はいどうもご苦労さまです。
水族館のスタッフが外に出かけるという。
実は展示されているクラゲの多くはこの海で捕れたもの。
水をすくい目を凝らす。
カミクロメだともう少しあの…。
つい見逃してしまいそうな小さな存在。
それがいつしか光になる。
撮影3日目。
一番乗りはスーツ姿の2人組。
取引先との商談前にどうしても部下を連れてきたかったという。
社長さんの思い届いてるかな。
(笑い声)ありがとうございました。
2人が館内にいたのは20分。
足早に取引先へと向かっていった。
赤ちゃんクラゲの水槽をのぞき込む人がいた。
(笑い声)赤ちゃんですもんねこれ。
4年前からグループホームに入っているお母さんに会ってきたという。
認知症の症状が進行していくお母さん。
悲しんでばかりいられないと水族館に来てみたそう。
お見舞いに。
そうなんです。
すみません。
よかった。
晴れましたね。
そうなの。
何か何かいい事ありそう!フフフフ。
お気を付けて。
ありがとうございます。
はいじゃあチケットお持ちのお客様どうぞお進み下さい。
長い旅路を経てここへたどりついた。
今日の舞台は巨大な老人ホーム。
60歳を越えた人たちがここで共に余生を過ごす。
(歌声)「人生100年」といわれる時代。
老いをどう生きる事が幸せなのか。
3日間答えを探す事にした。
神奈川県三浦半島。
静かな海辺にそのホームは建つ。
なるほどなるほど。
なるほどね。
(笑い声)
(取材者)おはようございます。
おはようございます。
中に入るとまるでマンション。
30年前に出来て以来全国から入居希望者が絶えないという。
こんにちは。
こんにちは。
ホテルのような食堂も。
バランスのいい食事が3食とれるみたい。
こちらはご夫婦かな?これは…これは削って下さいよ。
(笑い声)60歳で夫と入居した節子さん。
21年前に死別してしまったけど新たな出会いが待っていたそう。
へえ〜。
(笑い声)毎日この席で待ち合わせ。
まだまだ青春みたい。
失礼します。
ロビーには熱心に新聞を読む人。
(笑い声)元高校教師。
奥さんを亡くしたのをきっかけに茨城から移り住んだそう。
お邪魔しま〜す。
この景色を手に入れるため3,500万円の入居費を捻出したんだって。
おしゃれですね。
はいお待たせしました。
失礼します。
以前はこういう大物に挑戦してたんですけどね。
来月満91歳になる…。
日暮れどき4人で食卓を囲む女性たちがいた。
(笑い声)そうは言いつつ何だか皆さん自身が楽しそう。
(笑い声)ねっ?4人の中でも特に新しいものが好きだという明子さん。
スマホを使ってここでの暮らしを楽しんでいるそう。
月に数回は会いに行くけどふだんはスマホで十分なんだって。
(笑い声)距離の取り方もどこか今どき。
夜7時を過ぎると館内は一気に静まり返る。
向かったのは医療設備が整うホームの中の診療所。
将来お互いに迷惑をかけたくないとここを選んだ。
就寝前の何気ない会話が2人の日課だそう。
へえ。
うん。
ありがとうございます。
失礼します。
さまざまな人生が同居する老人ホーム。
確実に訪れる老いと静かに向き合っている。
体操から始まる老人ホームの朝。
あっ歯医者さん。
おはようございます。
あっまた。
みんな健康を心がけてあちこちへ出かけていく。
(笑い声)フロントのソファーに一人座る女性。
通りがかる人が皆挨拶してる。
あ〜そうなんですか。
うん。
じゃあずっとここ…そうね。
皆さんでも結構…あ〜そうですか?うん。
あ〜そうですか。
独身を貫いて90年。
誰の手も借りず自立して生きていたいと思ってきた。
行ってらっしゃい。
は〜い失礼します。
自分に厳しいからこそもどかしい気持ちが伝わってくる。
こないだ入ってないから今日は…。
(笑い声)思いどおりに老いを生きる事はそんなに簡単ではないみたい。
夕方になると外から戻ってくる人たちが。
あっそうなんですか。
ものづくりが趣味だという元技術者。
奥さんを早くに亡くし一人で暮らしているという。
あれ?天井から花?持て余す時間をどう過ごすか考えた末現役時代の腕を生かして始めたそう。
毎月近くの保育園に届けているという。
でも時々手放してしまった以前の暮らしを思い出す事もある。
おはようございま〜す。
ちょっとちょっと…ちょっと待ってて。
(笑い声)まだこれから先分かんないけど。
ここに来ると気持ちが清々して。
ありがとうございます。
これ花バラバラにするんで。
花バラバラにするの?あっ奥様。
これがここ入ってる。
(笑い声)いやあの教えてくれたの。
(笑い声)
(ウグイスの鳴き声)今日はウグイスが夏ウグイスが盛んに。
そうだね。
「今年からケンカの少ない地球になりますように」。
はいはいつるそう。
ねっ。
はい低い所で。
七夕の短冊に願いを書いている人がいた。
「今がしあわせ…」。
あっ折り紙の。
年忘れちゃった。
寄り添っていたのは花飾りを作っていたあの男性。
長いつきあいでいろいろと本音を聞く事もあるそう。
親しくなった人みんな好き。
ありがとうございました。
失礼します。
お昼過ぎ。
一人の女性がロビーに下りてきた。
あっ生まれつきなんですか?へえ〜。
あっそうなんですね。
でもすごい自分でロッカーも…。
へえ〜。
今87歳。
不安と隣り合わせの中ずっと手探りで歩いてきた。
こんにちは。
あ〜は〜は〜。
木曜日。
はい。
届いていたのはうれしいお知らせ。
いいですね〜。
うんうん。
(笑い声)部屋まで蚊は来ないよ。
まあまあね分かんないですよ。
今度はどんな一日になるのか。
女性の声は明るかった。
椅子を持ってって。
廊下に?腰掛けてね。
へえ〜。
でもねちょっと椅子の高さが低いのよ。
はい。
(笑い声)おはようございます。
その間にね喉渇いちゃうから持ってく…。
この「ロンドン橋」これをやるんですけど。
どうも。
おはようございます。
映すからあなた方。
「海が見える老人ホーム」にはこんな感想も頂きました。
千葉県32歳女性。
「皆さんが今の自分を受け入れて生きているのが印象的でした。
自分はまだ可能性や感情に振り回されて疲弊してしまうので早くこの域にたどりつきたいです」。
「早くこの境地にたどりつきたい」って。
32歳の方そう思うでしょ。
だけどそうじゃない!さっきのあの人の…。
そう。
30代でも悩んでる事をね。
80になっても悩む。
あれね俺はゾッとしたよ!いや本当に…。
僕もマジで思ったんです。
60になってもしかしてそうじゃないかとちょっとうすうす感づき始めて。
今ですか?はい。
なんだけども「やっぱりそうか」と思って。
肝心な事はね何にも変わらないんだよ。
私は逆に「そうかずっと悩むならしょうがないな」ってちょっと楽になった部分がある。
その考えもあるね。
「そっかそっか今悩んでる事何十年後も悩むんだったらそりゃそうだよね」みたいなちょっと諦めというか。
放送後の反響が特に大きかった「老人ホーム」。
その後の様子をうかがいに半年ぶりに訪ねてみました。
(取材者)こんにちは。
皆さん相変わらずお元気そう。
まず訪ねたのは階段の数を体で覚えていた女性。
お名前は…放送後うれしい事があったと言います。
実は琴の先生だった敏子さん。
多い時には30人も弟子がいたんだとか。
来年はどんな年にしたいか敏子さんに伺いました。
「自由に楽しく過ごせるように」って。
自由っていうかね…今は何のお花作られてるんですか?今?今これ。
今この花。
こういうのは人気あるんだね。
へ〜え。
あっすごい…。
風車。
風車。
「無事息災」。
どういうあれですか?お邪魔します。
椅子も何もないんだけど。
(笑い声)来年とか今年の境目ないんですよ。
(笑い声)心の断捨離に励みたいと思ってます。
「元気で終活にはげみたいと思います」。
最後に訪ねたのはいつも同じ場所に座っていたあの方。
あっそうなんですか。
はい。
90歳の田巻リヨ子さん。
吉田潮さんのイラストをプレゼントすると…。
そんな田巻さんの来年の抱負は?はい。
何て書いたんですか?いいですね。
いや〜すごかったな〜。
皆さんお元気そうでしたね。
やっぱみんな健康の事なんだね。
一日ずつ老化するってねそういうものを感じるんですね。
でもどんどん増えていくんでしょうねこれから。
こういう所が。
ほんとに我が国の高齢化問題ってすごい事になってくると思います。
これから5年10年たっていく中で。
すごいな。
じゃあ第2位まいりましょうか。
はい。
第2位です。
さっきナオちゃんが弾いてた。
そうでしたね。
それでは第2位「宮崎路上ピアノが奏でる音は」ご覧下さい。
(「いつも何度でも」)どこからともなく聞こえてくる懐かしい音色。
今日の舞台は街角に置かれた1台のピアノ。
道行く人がぽつりぽつりと吸い寄せられ音を奏でていく。
(「君をのせて」)ストリートピアノ。
不思議なピアノの前に3日間いたらどんな音に出会えるんだろう。
(笑い声)青い空とパームツリーが出迎える南国宮崎。
そのピアノはお店やバス停がひしめく中心部にぽつんと置かれていた。
木曜のお昼過ぎ。
一人の女性がピアノに近づいてきた。
童謡かな?あっ。
(取材者)何弾いてたんですか?82歳の女性。
バスでお孫さんに会いに行く途中なんだって。
あっバスが来たみたい。
今度結構本格的な演奏が聞こえてきた。
すご〜い上手ですね。
NHKなんですけど。
アハハハハ。
すごい上手だったから聴き入っちゃったんですけど。
えっ?1年ぐらい…。
神奈川から出張で来たという海上自衛官の男性。
このピアノはインターネットで偶然見つけたんだとか。
へえ〜。
人が集まる場所を作ろうと街の有志が設置したこのピアノ。
4年前に置かれてからひそかな人気スポットになってるんだって。
街に明かりがともった夜7時。
ギターを背負った男性がやって来た。
演奏が始まるとみんなくぎづけ。
(拍手)あっありがとうございます。
趣味?はい。
独学ですか?はい。
え〜!ふだんは介護施設で働いているという。
もともとギターをやっていたけどピアノの優しい音色に引き込まれちゃったんだって。
毎日練習を重ねてこの腕前に。
今ではすっかりとりこみたい。
(歌声)あれ?独学で弾いてた彼が戻ってきた。
今度は友達と一緒みたい。
どうやらここからが彼の本番らしい。
声をかけてきたのは通りがかりのクラブのママ。
すごい楽しそうに聴いてましたね。
わ〜。
すごい楽しそうにされてました。
あ〜ありがとうございます。
お疲れさまでした。
失礼します。
気が付けば周りにはたくさんの人が。
(拍手と歓声)この高揚感が病みつきになるのかな。
(拍手)うれしい?はい。
ありがとうございます。
お疲れさまでした。
人通りが途絶えた深夜。
懐かしい。
弾いた〜。
弾いた〜。
(笑い声)
(笑い声)同じ大学に通う仲のいい友達らしい。
学校の先生になります。
今日終わってるわ。
勉強しよう。
ありがとうございます。
そろそろ真面目になります。
(笑い声)・「できれば横にいて欲しくてどこにも行って欲しくなくて」・「僕の事だけをずっと考えていて欲しい」歌うのは3人の思い出の曲。
授業の課題で猛練習したんだとか。
・「長くなるだけだからまとめるよ」・「君が好きだ」満足した。
帰ろう。
(笑い声)朝から地元の人がピアノの手入れをしていた。
(掃除機の音)鹿児島の家庭から譲り受けた古いピアノ。
季節ごとに調整を繰り返しながら使い続けてるんだって。
調律が終わったピアノを静かに奏でる男性がいた。
何のために…。
小さい頃からピアノを習い音楽の学校へ。
東京で専門の仕事を目指したけどなかなかうまくいかなかったという。
自宅のピアノは処分してしまったため今はここが彼の大切なステージ。
ありがとうございます。
・「寝たふりがこんなにつらいことだとは」一つ一つ音を確かめながら弾き語る男性。
・「滴は涙だね」・「そして君が出て行く」プロを目指しながら運送会社で働く49歳。
将来を考える恋人もいたけど夢を捨てきれず別れてしまった。
子どもの施設などで演奏する事もあるけどもっといろんな人に聴いてほしくてここに来てしまうんだって。
夜9時半。
わ〜すごい。
こんばんは。
上手ですね。
気まずい。
交代して。
駄目。
私弾けんもん。
今日…。
今日は…ねっ。
今は…。
(笑い声)3歳の時からピアノを習っていた彼女。
音大を目指した事もあったけど最近はあまり弾いていないんだって。
それでやってけんと思ったんやろ?え〜!言われるよね。
異色のあれで珍しがられるんですよ。
私がここでしてると…撮影最終日。
朝早く若いカップルがやって来た。
彼が行っちゃったのに一人で弾き続けてる。
夜通し飲んでいたという女性。
ふと昔習っていたピアノに触れたくなったらしい。
ピアノ弾くと…え〜。
何だろうな?ピアノを弾くといつも褒めてくれたお母さん。
音を奏でながら思い出していたんだって。
う〜んどうかな?もうきつい。
頑張りま〜す。
ねえあれいいですよね。
ああいうのもあるといいですよね。
街に。
あれを通してほんとに人と人がまたつながれたりとか。
地域でねつながりが出来たり盛り上がったり。
何を介して人がつながるかっていういろんなパターンを見ますよね「72時間」で。
ピアノって結構何かこう…ある程度うまくなるとですよ人のために弾くもんじゃないですか。
人に聞かせるために弾くもんだったりするんだけど自分のために弾いてる人が結構多かったですよね。
そこが何か面白いなと思いました。
確かに確かに。
「路上ピアノ」を見た人からはこんなお便りが届きました。
東京都46歳女性。
「思い切って宮崎に行きあのピアノを弾いてみました。
すると『ハナミズキ』の曲に合わせて朝帰り風の若い男性がワンフレーズ歌ってくれるという展開に。
心に残る思い出が出来ました」。
つながるんですよね。
つながるんですよね。
自然とこう音楽に合わせてつながれるという。
さあここまで10位から2位まで見てきましたけれども。
あとが入ってないのが名作もいっぱいありましたね。
ありますね。
「肌着」も入ってなかったりとか。
あの「横須賀」の。
(鈴木)「横須賀」はいこれね。
「軍艦の見える公園」。
僕結構それ好きでしたけどね。
(鈴木)あれは強烈なキャラクター…。
90歳の男性。
すごかったな〜。
あと結構「甲子園」とかも。
あの東筑高校の。
(鈴木)話題になってましたよね。
さあいよいよ?いよいよ第1位でございますよ。
では1位めくりま〜す。
やっぱり当たり前なんですけど人のお葬式とかそういうのを撮影するってすごいハードルが高い事じゃないですか。
だからやっぱりこういう瞬間を映像に収めてる事ってすごい貴重な事だと思うんですよ。
すごい貴重な事ですよ。
それでは2017年視聴者投票第1位「都会の小さいお葬式」ご覧下さい。
家族がくつろぐリビング。
隣り合う部屋に置かれていたのは亡くなったおばあさんの柩。
実はここ葬儀屋さんのビルの一室。
大がかりな式をせずに家族でこぢんまりとお葬式をあげる人が今増えているという。
大切な人との最後の時間に立ち会わせてもらった。
神奈川県の玄関口新横浜。
駅を出て3分。
このビルが今回の舞台。
中はビジネスホテルさながら。
でも自販機には黒ネクタイが。
シンプルな家族葬を専門にするこの葬儀屋さん。
通常は200万円近くかかるけど費用も控えめ。
春の陽気に包まれた3月撮影開始。
一組の家族がお葬式の打ち合わせにやって来た。
(取材者)金曜の夜に放送してるんですけど…。
あっそうですか。
ありがとうございます。
大変な時にもかかわらず取材に応じてくれる事に。
あっお母様…。
は〜。
豪快で愛情たっぷり。
家族のムードメーカーだったというお母さん。
周りに気を遣わせたくないから小さなお葬式にしてほしいと話していたという。
大きな荷物を抱えた2人組。
あっそうなんですか。
はい。
あっじゃあもう大往生ですね。
荷物の中身はお母さんが大切にしていた品々。
柩の中に一緒に入れてあげるんだって。
向かったのは小さな面会室。
昨日みとったお母さんにお化粧をしてもらうという。
いつもオシャレ心を忘れなかったという千鶴子さん。
ご主人の希望でお気に入りの帽子とワンピースを身につけていた。
火葬場が混み合っているため告別式は数日後。
それまでご遺体はビルの中で安置され24時間いつでも会いに来られる。
実はここを選んだのは亡くなった千鶴子さん自身。
流行に敏感だった千鶴子さん。
最近人気のシンプルな葬儀に興味を持っていたみたい。
葬儀場の前にあるベンチで作業をしている人がいた。
ふだんご遺体を運んでいるドライバーさん。
毎日の仕事で大切にしている習慣があるそう。
亡くなったあとも何かしてあげたい。
そんな気持ちに寄り添うのが葬儀屋さんの仕事。
夕方事務所が慌ただしくなっていた。
警察からの電話だった。
15分後住宅街に到着。
死因不明の男性の遺体を検視にかけるため搬送を手伝ってほしいという依頼だった。
突然訪れる人の死。
葬儀屋の夜に終わりはない。
ちゃーちゃんありがとう。
ありがとう。
お友達ですか?幼なじみなんですか。
何歳ぐらいから?えっ?ちっちゃい頃からですか?へえ〜そうなんですか。
ああ。
お昼過ぎ廊下で従業員と話し込む人たちが。
昨日の夜夫を亡くしたばかりだという。
ご主人は長年町工場を経営。
余命宣告を受けながらも必死に闘病していたそう。
夕方ご遺体との面会に向かう人たちがいた。
亡くなった奥さんとの面会に訪れた家族。
訳があってこれで今日3回目になる。
認知症のため記憶がすぐに消えてしまうお父さん。
亡くした奥さんとの対面を繰り返しているという。
洋菓子屋さんを営むおしどり夫婦だった2人。
昔かたぎなお父さんは明るい奥さんに支えられてきたという。
告別式まであと4日。
2人の最後の時間が過ぎていく。
撮影3日目。
昨日会った町工場を経営していた男性の家族。
遺影の写真を選んでいた。
へえ〜。
一番幸せな時ですよね。
昨日より少し落ち着いた表情。
奥さんのどんなわがままも聞いてくれたというご主人。
何度も会いに来て少しずつ現実を受け入れていくのかな。
昨日のお父さんがまたやって来た。
うん?あっそうですか。
忘れてしまう事も多いけど思いが繰り返し込み上げてくる。
じゃあすみません。
日暮れどき。
2人の子どもを連れた女性がやって来た。
あっそうなんですか。
ああ。
6年前に離婚した夫。
ずっと会っていなかったけど身内がいなかったため葬儀の準備を頼まれたという。
予想もしなかった再会にかける言葉は見つからない。
でも…。
夜葬儀屋さんの一室から笑い声が聞こえてきた。
えっ!?初日に納棺をしていたご家族がお通夜を行っていた。
ありがとうございます。
大丈夫なんですか?奧にはオードリー・ヘップバーンに憧れていた千鶴子さんの祭壇が。
最後の夜は家族そろってここで過ごす事を望んでいたんだって。
へえ〜へえ〜。
いつもと変わらない穏やかな時間が流れていく。
家族に囲まれて千鶴子さんがほほ笑んでいた。
こんな楽しいばあさんいなかったよ。
さようなら。
またね〜。
ばあちゃんありがとう。
本当にありがとう。
お母さん。
お便りご紹介致します。
長崎県22歳女性の方です。
「ビルの中でのお葬式はいかにも近代的。
でも何度も奥さんに会いに来る認知症のおじいさんを見て変わらないものもあるんだなあと感じました」。
それから熊本県45歳女性の方です。
「果たして自分が撮影をお願いされたらそれを許せる心の余裕はあるのか」。
そうね。
「家族を見送る時こんなに笑顔で過ごせるのかなどものすごくものすごく考えさせられた番組でした」。
これもまた俺「老人ホーム」と並んで身につまされちゃってさいろいろと。
「どうしよう」と思ったよ。
自分がもちろん親とかを送り出す側としても考えますし。
自分が送り出される側としても考えるし。
特集の「高齢化社会です」とか「年金が」とかって特集を正直見ても「まあそうなんでしょう」とかっていう事しか思わないし「まあそうなんだろうな」と思うんだけどこういうものからにじみ出てくる方がより重く感じません?感じる感じる。
リアルさが違うっていうか。
全然全然リアルだから。
そうなんですよ。
いろんな事考えさせられたな〜。
うん。
という訳で4時間45分にわたってお届けしてまいりました「朝まで!ドキュメント72時間」。
最後までご覧頂いた皆さん今年もありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
来年度はどんな事を期待しますかおさむさん。
(鈴木)やっぱりこの投稿システムから始まる。
ここだよね。
もっと知らない日本ねっこんな所があるっていうのをもっと見たいですね〜。
吹石さん何か見たいものあります?来年。
私はおさむさんが2年前か3年前におっしゃってた海底の神社でしたっけ?海底の神社あります館山に。
それいつ実現するんだろうと思ってひそかに楽しみに。
ちょっと南房総の人館山市の人是非投稿して下さい。
(笑い声)来年も楽しみですよね。
それでは皆さん…。
(3人)よいお年を。
・「君のうちに」・「早くここに」・「君のうちに」・「早くここに」・「雲が流れ」・「星は回る」・「La…Ah…」・「いぞきあい」・「たいめきも」・「あきそいた」・「いきいづむ」ありがとう。
(拍手)2017/12/29(金) 23:45〜04:30
NHK総合1・神戸
朝まで!ドキュメント72時間 2017[解][字]
今年もやります!年末恒例「視聴者が選ぶ今年のベスト10」。2017年に放送されたおよそ40本から「もう1度見たい1本」を投票してもらい、ランキングで紹介する。
詳細情報
番組内容
今年もやります!年末恒例の「視聴者が選ぶ今年のベスト10」。2017年に放送されたおよそ40本の中から「もう1度見たい1本」を投票してもらい、ランキング形式で紹介。ゲストには、72時間ファンを自称する山田五郎さんと鈴木おさむさん、そして長年番組のナレーションを担当してきた女優の吹石一恵さんを迎える。さらに、放送後の反響が大きかった場所でシンガー・ソングライターの松崎ナオさんがテーマ曲を熱唱する。
出演者
【出演】評論家、コラムニスト…山田五郎,放送作家…鈴木おさむ,吹石一恵,松崎ナオ
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:32485(0x7EE5)