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【コラム 撃戦記】

俳優だった空手の師匠、石橋雅史先生

2017年11月29日 紙面から

 団塊世代が楽しみにするテレビ番組に時代劇がある。私も団塊世代で、「必殺仕事人」「水戸黄門」「暴れん坊将軍」が好きなシリーズのトップスリーだ。空手の師匠で俳優の石橋雅史先生(84)がよく出ているからだ。昔はお年寄りが孫を膝に乗せて時代劇を見ながら、「悪いことをするとこうなるよ」と諭し、黄門さまの印籠や暴れん坊将軍の裁きが道徳教育になった。

 私は高1で極真空手に入門した。剛柔流道場で大山倍達館長と一緒だった先生は、師範を務められていた。当時32歳。「石橋先生は役者だよ」と先輩から聞かされた。私は先生と体形が似ていて、技で勝負する先生に指導を仰いでいた。技の鋭さと切れで巨漢を手玉に取るダイナミックな組手と、俳優という職業のギャップがかけ離れていて、最初は違和感があったものだ。

 先日、顧問をしているワイナリーのワインを石橋先生に贈ったら、お礼の電話をくれた。ブログを書いてると聞いたので見てみたら、私の現役時代をことを載せてくれていた。声には張りがあって元気そうだった。長寿を祈るばかりだ。 (格闘技評論家)

 

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