日本でも徐々に普及しつつある動画サブスクリプションサービス。その中でもNetflixは、8月行なわれたイベント「Netflix アニメスレート2017」にてアニメ注力宣言を行ない、他のサービスとは違う存在感を示しました。
Netflixはオリジナルコンテンツのクオリティの高さで定評がありますが、正直、見たいコンテンツが多すぎて、24時間という時間制限が敵とでもいえるような状況です。ではその中でも、2017年で特に最高だったコンテンツはなんなのか、Netflixオリジナルの作品限定で選んでみました。
ギズモード・ジャパンの中の人が選ぶ「2017年ベストNetflixオリジナル作品」は以下の通りです。
岡本玄介(ライター)
【1位】『ザ・ベビーシッター』
【2位】『ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン2』
【3位】『マインドハンター』
【4位】『悪魔城ドラキュラ―キャッスルヴァニア―』
【5位】『サンタクラリータ・ダイエット』
5位はドラマ『デスパレートな妻たち』がゾンビものになったら?という感じで、主人公シーラがなぜ突然ゾンビ化したのかが気がかりのまま、次シーズンに続きます。口から吐き出した固まりは何だったのか?
4位は往年の名作ゲームがアニメ化!ということで期待大ですが……4話しかなく、まだまだ本題に入っていません。
3位は連続殺人犯と直接話すことで彼らの犯行動機に隠された心理を探し、徐々にプロファイリング術を構築していくFBIの話。さすがフィンチャー監督という画作りで、ジックリ見させる大人のドラマです。さらには古いアメ車好きにもオススメ。
2位は世界中で一大旋風を巻き起こしたドラマ『ストレンジャー・シングス』の、待望の新シーズン。イレブンの心の姉妹が登場し、かつての仲間と再開する場面では思わず涙が。80年代のイースター・エッグがギガ盛りなのも見所!
そして1位は映画『スクリーム』風ティーンエイジ・スラッシュ系ホラーとお色気とコメディーをごった煮にした、痛快な娯楽作。美人でギークでセクシーななパツキンねーちゃんが実は悪魔召喚の儀式に手を染めるサイコで、いじめられっ子の少年の姉のような存在だったのに、彼の生き血を狙います。狙う一味は憎めないキャラばかりで、最後は少年の成長物語でもあるというのがグーです。
2018年は上記ドラマの続編だけでなく、『DEVILMAN crybaby』と『オルタード・カーボン』も非常に楽しみです。
ヤマダユウス型(ライター)
【1位】『ビッグマウス』
【2位】『ヒップホップ・エボリューション』
【3位】『アート・オブ・デザイン』
【4位】『覗くモーテル』
【5位】『悪魔城ドラキュラ―キャッスルヴァニア―』
僕がNetflixユーザーになったのは、今年の8月。「Netflix アニメスレート2017」を見に行って「ネトフリいいじゃん、すげーじゃん」と感じ、その日の夜にはユーザーになりました。はじめは映画やアニメを見ていたんですが、『悪魔城ドラキュラ―キャッスルヴァニア―』でNetflixオリジナルの面白さを知ってからはもう大変。あれよあれよとNetflixオリジナル作品発掘にハマっていくのでした。
『覗くモーテル』は、著者であるノンフィクション作家と取材対象の密着ドキュメンタリー。窃視症を複雑なパラフィリアと捉えるか、それともただの変態と断ずるか、見ていて何かと考えさせられました。
『アート・オブ・デザイン』は本当にリッチなドキュメンタリーで、デザイナーやイラストレーター界隈の人には鬼推ししたい一作。ポーラ・シェアのデザイン論がハンパない。グランドマスター・フラッシュがしゃべりまくる『ヒップホップ・エボリューション』といい、Netflixはドキュメンタリーにハズれがありません。
などと言いつつ、1位はホルモン全開オゲレツ思春期アニメ『ビッグマウス』なんですけどね。SNS映え字幕のオンパレードは爽快痛快、これいいのかい?なレベル。ぜひ親、兄妹、恋人のいない時にご覧ください。
傭兵ペンギン(ライター)
【1位】『ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン2』
【2位】『ボージャック・ホースマン シーズン4』
【3位】『ヴォルトロン シーズン1~3』
【4位】『GLOW シーズン1』
【5位】『スター・トレック:ディスカバリー シーズン1』
Netflixの2017年公開のオリジナル作品のトップ5を選ぶのがいかに困難なことか……。
近年はハリウッドの映画やドラマで1980年代カルチャーへのオマージュやリバイバルなどがテーマとしてよく用いられていますが、その中でも『ストレンジャー・シングス』は抜きん出て面白く、前シーズンをも上回るものをみせてくれました。問答無用でいい作品。見てない人は見てくれとしか言いようがない。
しかし、多く語りたいのは2位の『ボージャック・ホースマン』。擬人化動物と人間が共に暮らすハリウー(ハリウッドのもじり)を舞台に、落ちぶれたかつて人気俳優だった中年馬男「ボージャック」が織りなす人間模様をコミカルでありながら心を抉る辛くていい話を展開するアニメ。
これはきっと実写でも成立する作品なのですが、実写でやられたらエグすぎてここまで楽しめなかったかも。でも「変な奴でも、ダメな奴でも、別にいいんだよ」というメッセージが出ているかなりの傑作です
ちなみに、あまりの豊作具合にNetflixのマーベルドラマが今年はまさかのランク外となる事態に。ただ、時間がとれず『パニッシャー』を観れていないのです(年末年始に時間をかけて真剣に見たい。それだけパニッシャーには思い入れがあるので……!)。
それにしてもNetflixはもちろん、Hulu、Amazon Primeもおもしろ作品が多すぎる。2018年は1日を36時間にしてくれませんか?
豊田圭美(ギズモード・ジャパン編集部)
【1位】『マインドハンター』
【2位】『ストレンジャーシングス 未知の世界 シーズン2』
【3位】『Okja/オクジャ』
【4位】『BLAME!』
【5位】『メディアが沈黙した日』
1位は、70年代アメリカが舞台のFBIモノです。犯罪心理学やプロファイリングの概念がまだなかった時代に、主人公率いる研究チームが連続殺人者と対話しながら彼らの心理を追求していきます。最初は「プロファイリング捜査」成立の歴史や、実在のシリアルキラーをアーカイブしていく作品なのかな、くらいのテンションで観はじめました。が、後半になるにつれて少しずつ展開がオカシくなっていき、最終話ではすっかり引き込まれている自分に気づきました…。微かな場面にも大きなヒントが隠れていたり、何度でも巻き戻して見直したくなる中毒作品。次シーズンも楽しみです。
3位『Okja/オクジャ』は、食と命と人間についてじっくり考えさせられました。淡々としているなかで笑いを誘うシーンもありつつ、観た後には余韻が残る強さもあります。登場人物それぞれが正義を貫いていく人間模様は美しくも醜くも描かれており、ずっと目が離せません。主人公の少女ミジャと架空の動物オクジャとのやりとりは『となりのトトロ』っぽくも『千と千尋の神隠し』っぽくもあり、どこかなつかしい気持ちになりました。
4位、『BLAME!』はポリゴン・ピクチュアズによるアニメーション作品。原作は『シドニアの騎士』でも有名な弐瓶勉さんの漫画ですが、スピード感と緊迫感ある戦闘シーンは、映像化によってさらに迫力を増していました。劇場でも観ればよかったな…。
K.Yoshioka(ギズモード・ジャパン編集部)
【1位】『ストレンジャーシングス 未知の世界 シーズン2』
【2位】『ネオヨキオ』
【3位】『ナルコス シーズン3』
【4位】『メディアが沈黙した日』
【5位】『オザークへようこそ』
1位は、昨年ヒットした80年代が舞台のSFドラマの新シーズン。相変わらずノスタルジーの連発です。ストーリーもばっちり。そして前シーズンにもまして、登場人物がみんな魅力的でした。思わずほっこりしてしまう瞬間が多々あり、なんだか優しい気持ちになれます。意外な友情?も生まれたりして、見所がたくさん。最終話も最高の終わり方、とだけ言っておきましょう。
2位は、謎の日本風アニメ…。「ネオヨキオ」という東京とニューヨークが混ざったような架空の街が舞台で、悪魔祓い一族のカズ・カーンという主人公が活躍するお話。…なんですが、もう本当に突っ込みどころが満載すぎて、どういうジャンルの作品なのかもわかりません。とにかくシュールなんです…。人を選ぶ作品だとは思いますが、個人的には大好きでした。
5位は麻薬組織の資金洗浄をするお父さんが奮闘する話。こういうテーマだと『ブレイキング・バッド』が思い浮かびますが、今作は家族で奮闘します。主人公となるお父さんは普通の見た目なんですが、とにかく頭のキレる人。次にどんな行動をとるのかが、見ていてとても楽しみでした。あと個人的には、ネトフリ作品によくある青い色味の世界観がよかったですね。ちょっと暗いけど、ほどよくコミカルな作品です。
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(ギズモード・ジャパン編集部)