ちょっといまサピアをチェックしている人から連絡があって、いろいろ教わったんですけど、衝撃的なことがわかった。サピアはどうも無罪っぽい。
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例えばピンカーも、ウォーフ説と似たようなものとして、ウィトゲンシュタインのまったくちがう主張をあげていたりする。こういう混乱がとても多い。
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ヤコブソンは、結局のところウォーフ説最大の問題は、事実認識レベルでの翻訳不可能性が存在するとしていることだとした。信原幸弘先生によると、この考えはのちにデヴィッドソンの概念枠批判でも踏襲されているそう。といってもわかりにくいので説明する。
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ウォーフ説に独特なのは「ある自然言語の話者には思考できるが別の自然言語の話者にはどうしても思考できないような物事が存在する」という発想があるところ。この発想はさらに二つに分解できる。
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①ある自然言語では表現できるが別の自然言語では表現できない物事がある②言語で表現できないことは、思考できない。ヤコブソンはこのうち①の、翻訳不可能性の概念を攻撃した。文学的ニュアンスならともかく、ある文の述べている事実認識を別の言語では言い表せないということはないだろうと。
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それをヤコブソンがどう論証したかは省略するけれども、じつは１９２１年の「言語」では、サピアも科学的真理に翻訳不可能性はありえないと述べていることがわかった。
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