慰安婦合意:文大統領が事実上合意を白紙化、「第3の案」を模索

文大統領「慰安婦問題、この合意では解決できない」

 しかし、合意破棄を要求する関連団体の考えと「対日外交」のはざまで代案を見いだすのは容易でない。作業部会が検討結果報告書で「非公開部分」として記述した事項に対する見解をどう整理するかで、ジレンマに陥っているという。

 作業部会の発表によると、朴槿恵(パク・クネ)政権は韓日慰安婦合意時、「第三国における慰安婦関連の像・碑設置」について「このような動きを支援しない」と言ったという。また、「韓国政府は今後、『性奴隷』という言葉を使用しないでほしい」という日本の要請にも「韓国政府の公式名称は『日本軍慰安婦被害者問題』だけ」と答えていたとされる。慰安婦関連団体などはこれを「裏合意」と規定し、政府もこれを積極的には否定していない。そうならば、文在寅政権としては海外での少女像設置を支援し、「性奴隷」という表現も使わなければならないことになる。しかし、それでは国際社会に対して「合意破棄」という負担を抱えることになる。

 政府が「『非公開内容』は両国間の『合意』ではなく、前政権が発表した『政府見解』に過ぎない」という論理を持ち出してくる可能性もある。これなら「見解変更」をしても合意破棄ではないと主張することができる。だが、そうすれば、「朴槿恵政権が裏合意をした」と批判する余地がなくなる。「政府は今後『性奴隷』という言葉を使い、国際社会において第三国での慰安婦関連像・碑の設置を支援するのか」という質問に、魯圭悳(ノ・ギュドク)外交部報道官ははっきりとは答えず、「政府措置内容にこうした内容も含まれると思う」とだけ言った。

 大統領府は「作業部会の報告書発表後に文大統領と安倍晋三首相の電話会談は行われておらず、今後も予定はない」と明らかにした。しかし、政府は韓日関係の悪化が韓米関係に及ぼす影響を考慮し、報告書の内容と今後の政府方針について米国とは意見を交わしたとのことだ。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者 , 金真明(キム・ジンミョン)記者
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