ごごナマ おしゃべり日和「白石加代子 鬼気迫る演技の魅力!秘密の私生活とは」[字] 2017.12.28
富≫いくつだっけ?みね子≫19です。
富≫19か!はあ…。
阿部≫今日のゲストは朝ドラ「ひよっこ」でアパートの大家立花富を演じた白石加代子さん。
強烈な印象を残しました。
今年デビューから50周年。
これまで、数多くの舞台で活躍。
その圧倒的な演技力と唯一無二の存在感で観客を魅了してきました。
中でも22年かけて上演した朗読劇「百物語」は大人気。
なんと今日はその「百物語」をスタジオで披露。
さらに、現在76歳。
白石さんの元気のもとは毎日のトレーニングと夫婦ラブラブ生活なんだとか。
そのプライベート生活にも迫ります。
生字幕放送でお伝えします船越≫こんにちは。
ようこそ、我が家へ。
オトナの井戸端「ごごナマ」。
今年最後の放送でございます。
そして、お客様でございます。
トリを飾っていただきます白石加代子さんです。
よろしくお願いします。
大変お忙しい1年だったと思います。
どんな1年でしたでしょうか?振り返ると。
白石≫私はほとんど知ってる人がいないんだけどどこを歩いてもああ、富さんってお声をかけていただいてあれ以来。
とても楽しい日々でした。
船越≫でも並行して舞台もおやりになって大変、体力的にはきつい年だったんじゃないですか。
白石≫年々ね…。
船越≫でも、お元気で。
阿部≫50周年。
どう受け止めていらっしゃいますか?白石≫半世紀って思うとね何もしてないですね。
何も残ってないんだけどにんじんを前にぶら下げられて走って、ずっとやってきたなという感じです。
船越≫でも走り続けるには健康維持も大変だと思いますがそんなお話も今日は伺いますので。
美保≫今日の髪形が大好き!2つに大人っぽい感じの。
私もまねしていいですか?白石≫やって!阿部≫白石さん今年の大切な「ひよっこ」。
中でも思い出のあるシーンをご覧いただきましょう。
富さんの恋人が亡くなって2人で各地を旅行したシーンを振り返ります。
富≫松島の、美しい島々。
天橋立。
仙台のささカマボコ。
茨城のアンコウ。
三重の伊勢エビ。
奈良の柿の葉寿司。
下関のふぐ、長崎のカステラ。
阿蘇山のカルデラ。
鹿児島の桜島。
阿部≫このシーン大変だったそうですね。
白石≫大変でしたね。
長ゼリフはね本当になかなか入らなくて。
3日前くらいにいただいたかな。
船越≫ずいぶんギリギリだったんですね。
白石≫もう固有名詞がどんどんだめになっていくじゃないですか。
苦しかったです。
船越≫地名も次から次に出さなきゃいけないし名産品もセットで。
白石≫地名で名所の景色なんかの話が入っていると思うと急に食べ物も出てくるし。
引っかき回されました。
船越≫このセリフは役者泣かせだよね。
美保≫メニューを丸々読むみたいな感じですよね。
船越≫一番つらいパターンですよね。
感情からくるセリフじゃないですから。
阿部≫長ゼリフを言い終えた次のシーンとてもスッキリされてるそうなんです。
ご覧ください。
富≫どうかしら?新しい私!愛子≫富ちゃん、かわいい!富≫ありがとう。
私もね、さっき鏡見てあら、かわいいって思ってしまった。
船越≫ドラマの中でもスッキリしてましたね。
阿部≫純さんがおっしゃるように解放されてますね。
美保≫芝居を超えてますね。
船越≫いろんなものがおりたっていう。
阿部≫今日のお客様白石さんへのメッセージ、ご質問をホームページからのメールFAXでお寄せください。
お待ちしています。
ボードで話を進めてまいります。
今日のタイトル「芸歴50周年!白石加代子さん唯一無二の大女優はこうして生まれた」。
白石さんの魅力に迫ってまいります。
原点から伺ってまいりましょう。
早稲田小劇場。
1967年、25歳のときに入団されました。
それ以前は何をされていたのかといいますと港区の区役所の職員でいらしたと。
そのときのお写真です。
船越≫美脚で、しかも美人。
阿部≫区役所の職員という感じがしませんけどね。
白石≫これは、親友が区長の秘書だったの。
それで、しょっちゅう区長がお留守のときに遊びに行って、部屋に。
お客様のいすに座ったら写真撮ってあげるって。
斜めに流すと脚はきれいなのよってアドバイス受けながら撮ってもらったの。
船越≫なんか国際派の女優みたいな。
阿部≫公務員からなぜ劇団員ということになったんでしょうか?白石≫それは、私たちの時代は幼少期焼け野原だったんですよね。
東京って。
娯楽はなんにもないし。
ラジオぐらいかな。
それで、ちょうど小学校に移動演劇のようなものを持ってきてくださってそれのお芝居を見て舞台をやりたいって思うようになって内に秘めてたんです。
私は母子家庭で育ってまして3人きょうだいが。
だからそんな食べていけないようなお芝居なんかじゃなかなか…と思って。
だからお勤めに出てそのあと飛び込んじゃったんですけど。
船越≫一家を支えようと思ってこのお仕事をされてちょっと落ち着いたので夢へとなったんですね。
阿部≫舞台の様子のお写真もありますが早稲田小劇場、少し解説します。
早稲田大学の学生演劇から生まれた小劇場運動の走りともいえる劇団ということです。
船越≫寺山修司さん、唐十郎さんそして、早稲田小劇場。
これで、60年代の演劇をけん引していったっていうそういう感じですよね。
美保≫すごい人たちがいっぱいいたような感じのときですよね。
船越≫小劇場という新しいムーブメントが日本に起きた。
阿部≫注目されたのが「劇的なるものをめぐって2」という作品です。
1980年にNHKの「若い広場」という番組で稽古の様子や白石さんの舞台を紹介した映像がございます。
まず、これが稽古の様子です。
一体どういう稽古でしょうか。
白石≫これはトレーニング方法です。
腰を一転して移動していくんです。
忘れてた…。
美保≫これが稽古ですか?白石≫そうです。
阿部≫演出家の鈴木忠志さん。
白石さんが一躍注目を集めることになった演技です。
白石≫別れてたまるもんですか!それが、あなたの心ではなく別れろとおっしゃるのはもう一度、相手にすがっても何もしようもないのでしょうか!白石≫よく残ってたわね。
阿部≫どうやってこの演技を磨かれたんですか。
どういうふうに説明すればいいかしら。
私だけ、ともかく追い込むだけ追い込むという形でマンツーマンでハードなことやらされて。
それで、そのときにあんまり苦しいので肩で息をするじゃないですか。
肩では絶対に息をするなってセリフが出ないからって。
ぐっと押さえ込んで呼吸をしたら呼吸が下にぐっと下がったの。
そういうときに呼吸法みたいなものが身に着いたような気がする。
阿部≫体得されたもの。
その呼吸ですね。
そして体の使い方と。
どういうことになりますか?白石≫体の使い方どういうことだろう…。
阿部≫腰を落とす形でしょうかね。
白石≫それと呼吸っていうものが中に入るためにはその前に、ものすごく激しい動きをしていないとだめなわけ。
普通の対話劇のようなもので横隔膜の下に入っていく呼吸っていうのはなかなか体得できないと思うんですよね。
ちょっとやってみましょうか。
激しくしておいて肩が上がるのを抑えて息をふっと中に入れたときに私の場合は、両脇の後ろのところにふっと息が入るのが分かったのね。
船越≫まず激しくしなきゃいけないんですね。
美保≫激しくしたふりみたいになったら、だめですよね。
阿部≫競馬の騎手みたいになってますよ。
白石≫だめですすぐ収まるようじゃ。
船越≫どうしよう相当やらないと上がりません!阿部≫皆さん、激しい!白石≫それで…。
肩を揺らさないでください。
そのとき、息を中にぐっと入れてください。
もっと…そうです。
入った?船越≫きました!わき腹にきました。
まだ、ぜーぜーはーはーが足りない。
もうちょっと激しくしないと。
白石≫入った?息してないね、大丈夫?美保≫息してなかった…。
船越≫一瞬感じるんですけど…。
美保≫背筋マッスルみたいなのがあるんですね。
船越≫おっしゃるように相当、体を追い詰めないと体感できないようなことかもしれない。
阿部≫そんな白石さんの才能にこの方も注目されているんです。
野村萬斎さんです。
白石さんとは「サド公爵夫人」「国盗人
(くにぬすびと)」で共演されています。
ご自身の野村さんのワークショップで白石さんの発声法の秘密に迫るなど白石さんを尊敬されているそうです。
野村≫野村萬斎です。
Eテレ「にほんごであそぼ」の収録中に頼まれたのでちょっとこんな格好でございますがよろしくお願いします。
すごい、普通の人と同じように最初は、ちょっと怖いとかねそういうことを思ったような気もしますけれど。
実際、稽古場とかそういうとこでは武司ちゃんって呼んでくれますし本当に優しい方なんですよ。
男性より、よっぽど息が強いというふうにね。
つまり、込めている気合いというようなものの強さそれが言葉、セリフの芯の強さにもなるのでやっぱり、そういうふってやって吹けば飛ぶようなセリフではなくてもっと重心の低い、重い、太いそういう1つの声の在り方。
それから、体の使い方もですねそういう声を出すためには重心を低くして下半身を安定させてないとそういう声は出ないわけですね。
我々、古典芸能の役者と同じようなねいろいろな技術というか型を一種、使うような演技術というものを確立されていることにはね驚きますよね。
阿部≫古典芸能と同じ技をお持ちだということで。
白石≫鈴木忠志っていう方が古典芸能をとても大事にしていらっしゃいました。
阿部≫野村さんからのお話でした。
船越≫説得力に欠けるようないでたちでしたね。
白石≫たけちゃん足りないって。
船越≫いでたちの問題です。
ニワトリでございましたから。
阿部≫先ほどの早稲田小劇場に23年間在籍されたのち、1989年に退団してフリーになられました。
飛躍のときを迎えます。
舞台「百物語」。
22年間で99本取り組まれてるんですね。
「百物語」、説明しますと夜に何人かで集まって100本のろうそくを立てて怖い話を1つするごとに1本ずつ消していって最後の1本が消えますとお化けが出てきちゃうので99で止めておくという。
99本、こんなにあるんですね。
いろんな作品に挑戦されています。
江戸川乱歩ですとか、小泉八雲それから筒井康隆さんや村上春樹さん。
浅田次郎さんの「鉄道員
(ぽっぽや)」怖い話でしょうかね。
船越≫怪談である必要はないですね。
阿部≫最後は泉鏡花「天守物語」ですね。
体得されたものがあります。
ぼっちの快感。
2つ目、笑いがあるから怖いが深まる。
どういうことでしょうか?白石≫1人で読むのは恐怖でもあるんですけど。
あがっちゃうし。
だけど、私は大体、小説を読んだんですね。
地の文と出演者が女の子とおじいちゃん、子どもお父さんっていうふうにいるのをそれぞれ使い分けるじゃないですか。
それはやっぱり小説家はそれぞれの運命を振り分けてるでしょ。
ちょっと神の力で書いてますよね。
そういう座を読み手も獲得するから独りぼっちでやるというのは所帯骨を背負うという感じで快感なの。
船越≫でも、普通の演劇とはちょっと違う手法、アプローチを用いないと難しいですよね朗読というのも。
白石≫演出家の鴨下信一さんという方がとても博識でなんでもご存じで私の体を使ったらこういうものをやったらおもしろくて怖いんじゃないかって考えてくださっているから。
それと、照明とか衣装とか頭、結髪とかそういうもので補助してくださって1人でやっても楽しくおもしろく見ていただけるようには作ってあるんだよね。
阿部≫そして、笑いがあるから怖いが深まるというのは…。
白石≫最初のころからそうだったのかな。
あるときから、お客様が白石さんという人はちょっと、ずっこけのおもしろい人だって感づいちゃったのね。
それで、途中からはね3本とかやるときにはそのうち必ず1本は笑えるものを入れないと許さないっていう感じになってきたんです。
だから、どんどんそういう傾向になりました。
笑っていたほうが突然、崖の下に落ちちゃったりという効果があるかなとは思います。
阿部≫では今日、こちらで「百物語」を披露していただけるということで。
白石≫つたないものですけど。
船越≫スタジオで白石さんが。
美保≫今日の衣装も白くてミステリアスですよね。
阿部≫どんな雰囲気になるんでしょうか。
今日の演目は、夏目漱石の「夢十夜」という小説からです。
これは「第一夜」から「第十夜」までの連作になっていまして今から披露していただくのは「第一夜」です。
どんなお話かといいますとある女の人が100年待っていてくださいと言って死ぬんです。
そのお墓の隣で待ち続けるというお話。
今日は「第一夜」の前半部分を朗読していただきます。
白石≫こんな夢を見た。
腕組
(うでぐみ)をして枕元に坐
(すわ)っていると、仰向
(あおむき)に寝た女が、静かな声で“もう死にます”と云
(い)う。
女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔
(やわ)らかな瓜実
(うりざね)顔をその中に横たえている。
真白な頬
(ほお)の底に温かい血の色が程よく差して、唇の色は無論赤い。
とうてい死にそうには見えない。
しかし女は静かな声で、“もう死にます”と判然
(はっきり)云った。
自分も確
(たしか)にこれは死ぬなと思った。
そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗
(のぞ)き込むようにして聞いてみた。
“死にますとも”と云いながら、女はぱっちりと眼を開けた。
大きな潤
(うるおい)のある眼で長い睫
(まつげ)に包まれた中はただ一面に真黒であった。
その真黒な眸
(ひとみ)の奥に、自分の姿が鮮
(あざやか)に浮かんでいる。
自分は透き徹
(とお)るほど深く見えるこの黒眼の色沢
(つや)を眺めて、これでも死ぬのかと思った。
それで、ねんごろに枕の傍
(そば)へ口を付けて、“死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、”とまた聞き返した。
すると女は黒い眼を眠そうにみはったまま、やっぱり静かな声で“でも、死ぬんですもの、仕方
(しかた)がないわ”と云った。
じゃ、“私の顔が見えるかい”と一心に聞くと、“見えるかいって、そら、そこに、写ってるじゃありませんか”と、にこりと笑って見せた。
自分は黙って、顔を枕から離した。
腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。
しばらくして、女がまたこう云った。
「死んだら、埋めて下さい。
大きな真珠貝で穴を掘って。
そうして天から落ちて来る星の破片
(かけ)を墓標
(はかじるし)に置いて下さい。
そうして墓の傍に待っていて下さい。
また逢
(あ)いに来ますから」自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。
「日が出るでしょう。
それから日が沈むでしょう。
そしてまた出るでしょう、そうしてまた沈むでしょう。
赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、あなた、待っていられますか」自分は黙って首肯
(うなず)いた。
女は静かな調子を一段張り上げて、「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。
「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。
きっと逢いに来ますから」自分はただ待っていると答えた。
すると黒い眸の中に鮮
(あざやか)に見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。
静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、女の眼がぱちりと閉じた。
長い睫の間から涙が頬へ垂れた。
もう死んでいた。
(拍手)阿部≫ありがとうございました。
情景が浮かんできますね。
作品の世界に引き込まれました。
ではお伝えします。
日本相撲協会はきょう、臨時の理事会を開き理事で巡業部長を務める貴乃花親方に理事の辞任を勧告しました。
貴乃花親方は元横綱・日馬富士の傷害事件を巡る問題で警察に被害届を出しながら事案を相撲協会に報告せず、その後も今月25日に聞き取りを受けるまで調査への協力を拒んでいました。
関係者によりますと相撲協会はきょう開かれた臨時の理事会で貴乃花親方に巡業部長や理事としての責任を問い理事辞任を勧告したということです。
理事会は理事の解任の権限を持つ評議員会に貴乃花親方の理事解任を提案することになりました。
それではスポーツニュース部の神田デスクに聞きます。
この貴乃花親方への処分。
理事の辞任を勧告ということですがどういったものなんでしょうか。
相撲協会の懲罰規定にはこちらなんですけれども、最も軽いけん責から最も重い懲戒解雇まで7つの処分があるんですけれども今回、貴乃花親方に対して行われたのはこの降格にあたる理事の辞任勧告です。
重いものから3つ目ですね。
ではどうしてこうした処分になったんでしょうか。
貴乃花親方は被害者の貴ノ岩の師匠なわけですけれども、その師匠としての立場ではなく協会の理事、巡業部長としての責任を重くみたのだと思います。
日馬富士が貴ノ岩に暴行してけがをさせたという傷害の事実自体が前回の理事会で危機管理委員会から報告されて日馬富士をはじめ関係者の処分が行われました。
その一方で相撲協会は今回の問題の解決が長引いている原因の1つが理事会で相撲協会が一丸となって解決に向けて努力していくことを議決したにもかかわらず貴乃花親方が調査に協力する姿勢を見せてこなかったことにあると指摘しました。
この点は相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会でも厳しく指摘されました。
そうした理事としての貴乃花親方の姿勢を重くみて今回の処分に至ったものとみられます。
このあと今後、どのようになっていくんでしょうか。
理事から降格させるには理事を解任しなければならないんですがその権限は理事会にはありません。
きょうの理事会では貴乃花に理事の辞任を勧告したというところまでで、そのうえで評議員会に理事の解任を提案することになります。
評議員会は外部の有識者を含んで7人が評議員に選任されています。
きょう午後3時から評議委員会が開かれるんですが、何が議題になるかを含めて1週間前までに評議員に通知する必要があります。
きょうの評議委員会では議論できず改めて評議委員会に対して貴乃花親方に理事の解任を求める提案をすることになるとみられます。
スポーツニュース部の神田デスクに聞きました。
お伝えしていますように日本相撲協会はきょう、臨時の理事会を開き理事で巡業部長を務める貴乃花親方に理事の辞任を勧告しました。
貴乃花親方は元横綱・日馬富士の傷害事件を巡る問題で警察に被害届を出しながら事案を相撲協会に報告せず、その後も今月25日に聞き取りを受けるまで調査への協力を拒んでいました。
阿部≫今日の「ごごナマ」は女優の白石加代子さんをお迎えしてお届けしています。
先ほどの朗読の余韻が残ってますよ。
船越≫スタジオ中に漂ってますね。
それぞれ恐らく浮かんでくる情景は違うんでしょうけれどもみんなが同じ体験を同時にさせていただいたような気がしました。
白石≫ありがとうございます。
それぞれの方の感性で大抵「百物語」って喜んでいただけるので。
みんな違う感想だと思うんだけどそこが、おもしろいところだと思います。
ちょうど半分くらいなんです。
あのあともなかなかいいんですよね。
阿部≫ボードで白石さんの女優人生を見てまいります。
運命の出会い。
どなたかというと演出家の蜷川幸雄さんです。
中でもご紹介するのは「身毒丸
(しんとくまる)」。
これは義理の母と息子の禁断の愛を描いた物語です。
義理の息子・身毒丸を藤原竜也さんが演じました。
ご覧いただきます。
♪「私の子どもが飢えたけど」♪「その子はとうに戦死した」身毒丸≫お母さん…。
もう一度僕を妊娠してください!撫子≫もう一度もう二度、もう三度…。
できることならお前を産みたい。
阿部≫この舞台も圧倒的な存在感。
蜷川さんとの運命の出会いというのはどの辺で運命と感じられたんでしょうか。
白石≫「夏の夜の夢」というのが最初に演出していただいた作品なんですけど私は最初お話いただいたときはお断りしようと思って。
私はとても暗いものしかやってきませんでしたので早稲小時代に。
それで祝祭劇だから合わないだろうと思ってお断りしようと思ってたら翻訳家の方に怒られて。
今から行ってお受けしなさいって言われたから分かったって言ってそれでやらせていただいたんです。
合わないと思って、自分には。
船越≫悲劇が多かったですよね。
でも思い切って喜劇にと。
白石≫そうしたらとっても向いてたんですね。
阿部≫いろんなご指導があったんでしょうね。
蜷川さんから。
白石≫大体、早稲小というのは芸術っぽいものをしていましたでしょ。
でも私蜷川さんのことを思うとやっぱり華やかでスケールが大きくてそして、いい意味で通俗なところも入っていたりしているので。
とても私に合ってるなってそのころから思うようになったんです。
だからお話がくるたびにお受けしてたんですけどね。
阿部≫そして来年は蜷川さんの三回忌追悼公演こちらの舞台を再演されますね。
「ムサシ」。
井上ひさしさんの書き下ろしで2009年の初演ですがどんな思いで今度は臨まれますか。
白石≫井上先生がなかなか書き上げられなくてそのときも3日前にものすごく…。
よかった、今回は少ないかと思っていたら3日前にぶわーっと固有名詞がたくさん入ってるやつがきたんですね。
それよりもっとひどかったのは前の日に初演のときは小栗旬さんと藤原竜也さんが武蔵と小次郎をなさったのね。
その2人のセリフは前の日に。
私より倍ぐらい、うわーっときたの。
初日の前の日に。
そして、それなのにお二人は若さもあると思うけど入ってたんですよ、初日に。
私はね、プロンプつけてもらいました。
後ろに。
保険をかけていただいたんだけど入ってることは入ってるけどとても怖かった。
すばらしかったですよ。
竜也さんと旬さんは。
阿部≫蜷川幸雄さんの三回忌追悼公演「ムサシ」期待しましょう。
船越≫巌流島の決闘の6年後また再び2人が出会ってさあ、どうなるかっていうお芝居です。
♪〜
(コーナー音)船越≫この音が鳴ったので船越のクエスチョン5!「百物語」のおかげで怖いものがへっちゃらだ。
これはノーですね。
怖がりなんですか?白石≫とても怖がりです。
だからいやだなって、こんなお話…。
私のところにくる話じゃないってそれもお断りしたかったんだけど何しろ、劇団をやめたばかりで仕事がなかったんですね。
だから、しかたがないからそれも持ってきた方がいいかげんでね裸電球1個でラジオドラマやるみたいに読む仕事ってどうだろう?って。
でも私は、セリフがね役者は体の中に覚えて入っちゃえばとちったりしないけど読むのってすごく怖くありません?いやですよね。
毎日、今でも怖いんですけども。
読むのはいやって言ったんだけどあんまり仕事がないもんだからじゃあ、やろうかって言って始まったんです。
そういうものでした。
それで、怖がりです。
美保≫私は読んでるうちに架空の何かが降りてきちゃうのかなって。
白石≫しない、そんなこと…。
私ね、人からもそう言われるんだけど全く霊感なし。
そういう人間じゃないの。
ずっこけおばさんなんだから。
全然、変な人なんだから。
船越≫そんな白石さんですがお料理は得意という。
これだけイエスでございましたね。
白石≫おこがましいわねイエスっていうのは。
私は、冷蔵庫にある余りものでお総菜を作るのは得意ですけど料理家がなさるようなのはできないんですよ。
阿部≫ある日の食事のお写真いただきました。
白石≫ずるしてるんですよ、これ。
船越≫おいしそう。
一番下の左側はなんですか?白石≫これは、ギョーザね。
水ギョーザ。
冷凍できたものをあつらえてます。
スープに入れて。
すごく簡単に作るのが上手なの。
有り合わせで。
船越≫あれだけ激しい舞台もされて、映像のお仕事も忙しくて、それでもきちんとお料理されるんですね。
白石≫2食は自宅で食べてます。
主人は血圧が高かったりそれから、コレステロール値が高かったりなのでちょっと気にしてます。
だから、外ではあまり食べないようにはしてるんです。
そうすると手際がよくなって。
船越≫どれだけ時間を短くお料理するか大事になってきますもんね。
そして、結婚29年ということで。
ご主人とけんかしたことがない。
これはノーです。
白石≫ものすごく仲はいいです。
いいけどけんかはします。
美保≫優しそうな旦那さんですよね。
白石≫誼さんはものすごく優しい。
阿部≫そして、仲のよさを証明するお写真もあるんです。
衝撃です。
何かの作業をしていますがぴたっとくっついてますよ。
白石≫これは修善寺に母が建てた家があってそこに梅の木があるんです。
梅の枝を切ろうとしてあの下は崖になってるんです。
この写真じゃ分からないけど。
だからつかまえてあげてるんです親切に。
船越≫抱き合いながら枝を切ってるわけじゃないですね。
美保≫いつまでも一緒でいなきゃいやだ!みたいな。
白石≫何?純ちゃん。
阿部≫こういうシーンもあります。
船越≫足踏みマッサージ。
美保≫つぼも知ってるのね、きっと。
白石≫そう。
ガチガチなの。
船越≫マッサージもしていただけるんですね。
白石≫そうです。
とても親切だと思います。
船越≫いつも片時も離れずご一緒に…。
白石≫舞台やってた人なの。
早稲小で。
だから、挫折してお仕事したから。
そうすると、私がする舞台を応援しようという気持ちになってくれたのかな。
それでとても大事にしてもらってます。
船越≫何かのインタビューで拝見したんですけどご主人が私の趣味は白石加代子ですっておっしゃってるという。
白石≫恐れ入ります、すみません。
けんかはします。
美保≫なんでけんかするんだろう。
白石≫私が、わがままだから。
私が言いたい放題言うと途中までは、競ってるんだけど途中から、黙ります。
船越≫あまり大きなけんかにはならないと。
白石≫穏やかな人でそれは本当に癒やされてます。
ありがたいと思います。
船越≫そして、スポーツが得意だ。
これはノー。
ものすごく意外です。
僕ら、ものすごいアクティブなそして踊りもダンスもされる白石さんをずっと拝見してきたので。
白石≫スポーツはだめですね。
ただ、舞台が終わってうちへ帰ったらちょうどスポーツの中継とかしてることが多くて楽しいですよね。
ルールは全く分からないけどサッカーも楽しいしゴルフも楽しいしテニスも楽しいですね。
自分では何もしないんだけど見るのは大好き。
野球は大好き!中日のファンです。
船越≫ドラゴンズファン。
白石≫主人が岐阜の人だから。
船越≫そこはご主人に合わせて。
美保≫2人で見に行ったりするんですか?白石≫東京の神宮に来たときは近いので行きます。
船越≫最後、独自の美容法で美肌を保っている。
ノーなんですか?白石≫ノーっていうのは美肌、それほどだとは思わないから。
船越≫いやいや、美肌ですよ。
美保≫すごい美肌です。
同じライトでも一番白いですもん。
白石≫お化粧してるから!美保≫お化粧じゃない。
もとの光が強すぎるんだと思う。
白石≫ちょくちょくそれは言われるの。
でも、自分では自覚がなくて困ったなと思って生まれつきですって。
すごい感じ悪くなっちゃう。
美保≫いやな女の…。
船越≫それでも、これはこだわってることってあります?白石≫朝晩ちゃんと顔を洗ってお化粧もきちっと落として寝るしということは最低、してるんです。
だから、そのぐらいだと思うけど。
船越≫あとはお食事もご自身でお作りになってますからね。
阿部≫これも関係あるかもしれないです。
体力年齢は20代!?ということでどういうことをされているかというと超スパルタ!70歳から始めた加圧トレーニング。
大のトレーニング好きということですがトレーニングの様子です。
まずスクワットきましたよ。
パーソナルトレーナーの方についてもらいながらということで。
美保≫お座敷芝居のときに立ち上がるのがね…。
白石≫あのとき筋力使うのよね。
船越≫ベルトを外しましたけどただでさえスクワットつらいのにこれ、加圧ベルトしてたらその10倍とかの負荷がかかりますからね。
本当にきついですよね。
阿部≫どうして70代からお始めになったんですか?白石≫それは、予感として筋力が落ちてきているというのを感じたからです。
舞台って2年先ぐらいまで決まってるんですよね。
そして、それをクリアするためになんとかしなきゃと思ってちょっとお話を聞いたら加圧のトレーニングやると成長ホルモンが出るんだって。
それで、どこが成長するのか知らないけどそれ、いいかなって思ったんだけどね。
でも、日常の動きが楽になったのはあります。
阿部≫トレーニングのメニューすごいんですよ。
これ、びっくりです。
ある日のメニューダンベルが上腕65回二の腕65回スクワットは30回から45回さらに体幹トレーニング。
美保≫20代のメニューですね。
阿部≫これだけのことを。
白石≫マンツーマンでついてくださってるでしょ。
彼がいると頑張ろうという気になる。
お上手なんですよね。
おやりになったら?美保≫私もですか?やってみようかな。
白石≫いいと思う。
別の話になってる?美保≫ちょっとたくらみが…。
阿部≫白石さんの担当されている番組をここでご紹介したいと思います。
禅の教えと書の世界を描いた番組でナレーションを担当していらっしゃるんです。
白石≫昔、ある和尚が毎朝、自分に問いかけていた。
おい、主人公。
目覚めているか?だまされるなよ。
本当の自分が主人公。
それは、あなたが思っているほどちっぽけなものではない。
阿部≫ナレーション2016年からご担当ということで。
やられてみていかがですか?白石≫すごく楽しくやらせていただいて。
書の方もすてきなんだけど詩がとてもよくてね。
それから、映像がもう吸い込まれるようなんです。
そういうものに助けられて。
私は読むだけですけど。
船越≫そこに魂がふっと宿ったような感じがいたしました。
白石≫すごくすてきな番組だと思います。
阿部≫すっと語りが入ってくるんですね。
白石≫映像もいいんです。
ご覧になってください。
阿部≫次回があす、あります。
Eテレで午前11時57分からです。
どうぞ、ご覧ください。
今日の中継ドコでも隊を呼んでみましょう。
年の瀬、お正月の準備で大忙しの場所に行っているようです。
稲塚さん。
稲塚≫ご覧ください。
マグロの頭です。
立派ですよね。
大きい!こんにちは。
マグロ、新鮮ですか?≫新鮮ですよ!ちょっと触ってみようかな。
あっ!痛かった…。
この野郎!稲塚≫そんなわけないですよ。
おもしろいお父さんもいるまぐろ祭今日から3日間でございます。
後ほど3時台マグロの魅力をとことん探ります。
よろしくお願いします。
ノリノリ…ありがとうございます。
阿部≫今夜のおすすめ番組です。
≫「フランケンシュタインの誘惑」90分スペシャル。
科学はユートピアを作れるのか?最前線の研究者が語り尽くす。
吉川≫科学は誘惑する。
≫せわしない年末の夜1本10分ちょいとのぞける5つのドラマ。
ご案内は、この人。
≫「ちょい☆ドラ」ってドラマ10分だけ見ませんか?阿部≫「ちょい☆ドラ2017」今夜放送です。
せわしない年末に10分でちょいと見られる楽しいドラマをオムニバスで5作品お届けするんですね。
そのラインアップです。
純さん、気になるものはありますか?美保≫「もうひとつのドキュメント72時間」。
阿部≫そこ、いきますか。
「ドキュメント72時間」。
ドキュメント番組としてあるわけですが放送には使われなかった部分。
撮影中にスタッフが体験した不思議な出来事を初公開するということです。
船越≫でもドラマなんですよね。
阿部≫さらに、ネット連動のナビゲートドラマ「ロボカトー中島と花沢さん」の最終回も放送いたします。
「ごごナマ」のスタジオにも来てくれました加藤諒さんソックリに作られたロボットなんですって。
このロボットの恋の行方に注目というドラマなんです。
船越≫なかなかよくできたロボットなんですよね。
阿部≫これまでのエピソードは番組のホームページで見ることができます。
事前にチェックしてから今夜の放送をお楽しみください。
総合テレビで今夜10時からです。
ご期待ください。
お便りをたくさんいただいています。
大阪府の方からイラストがあります。
とってもかわいい感じで。
美保≫唇を赤く塗りたいです。
阿部≫富さん大好き。
また、ドラマも出てくださいということです。
それから、東京都の50代女性。
「夢十夜」の朗読とてもすばらしいものでした。
ちょうど、「夢十夜」が手元にありましたので本を見ながら聞かせていただきました。
ただ文字だけを追う読書とは異なり文字の持つ力や行間を感じることができ今から読む続きがとても楽しみになりました。
近い将来、舞台を拝見できる日を楽しみにしたいと思います。
今、各地で読み聞かせなども盛んに行われていますが何か朗読のポイント、秘けつございますか?白石≫教えて。
美保≫えー!白石≫そうだね、なんだろうね…。
分からない。
読むポイント…。
落ち着くことかな。
まずは。
落ち着いて…。
朗読って、私はものすごく動き回る朗読だけど普通は座って背筋を伸ばしてお読みになるでしょ。
だから、背筋をピッとしてお読みになるのがいいんじゃないですか。
私はいろいろ恥ずかしいぐらいの格好をしてやるんですけどね。
阿部≫そして呼吸も大事になりますかね。
白石≫呼吸ね。
阿部≫それから東京都10代の女性から。
私は「ひよっこ」の富ちゃん役に毎日癒やされていました。
白石さんは、いつもニコニコしていて幸せな雰囲気をつくろっているなと思います。
いつも笑顔で和やかでいる秘けつはなんでしょうか?白石≫生まれつき。
美保≫また!阿部≫とっても朗らかでいらっしゃいます。
白石≫そばに優しい人がいるといいですよね。
船越≫笑顔の秘けつはご主人と。
白石≫それはありますね。
阿部≫時々はいやなことがあったりストレスがたまったりということもあると思うんですがどうやって吹き飛ばすんですか?白石≫みんなと同じようにおいしいものを食べたりちょっと慰めてもらったり。
その程度ですよね。
阿部≫最後にもう1枚。
私も名前が富さんですという方。
富さん登場の場面でバック音楽のヒュードロドロドロがとてもマッチしていて大ウケしましたと。
とても大ファンになりました。
2017/12/28(木) 13:05〜14:00
NHK総合1・神戸
ごごナマ おしゃべり日和「白石加代子 鬼気迫る演技の魅力!秘密の私生活とは」[字]
ゲストは朝ドラひよっこでも存在感を放った白石加代子さん。芸能生活50周年、鬼気迫る演技の神髄とは?私生活では夫とラブラブ!?伝説の朗読劇をスタジオ生披露。必見!
詳細情報
番組内容
ゲストは朝ドラ「ひよっこ」で独特の存在感を放った白石加代子さん。芸能生活50周年、早世した父の代わりに家族を支え公務員に。夢をあきらめきれず入団した早稲田小劇場で脚光を浴びる。22年演じ続けライフワークとなった朗読劇「百物語」。鬼気迫る演技の神髄とは?圧巻の朗読劇をスタジオ生披露!▽私生活では夫とラブラブ生活!毎晩お互いをマッサージ?毎日作るというこだわりの手料理とは?▽大女優の意外な素顔に迫る。
出演者
【MC】船越英一郎,美保純,阿部渉,【ゲスト】白石加代子
ジャンル :
バラエティ – トークバラエティ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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