これが鉄道の原点!今乗れる「客車列車」10選

SL列車以外で乗れる客車をピックアップ

JR北海道の「くしろ湿原ノロッコ号」。この写真では機関車が先頭だが、このまま逆向きにも走ることができる「プッシュプル・トレイン」だ(写真:NOV / PIXTA)

2016年3月の北海道新幹線開業と引き換えに急行「はまなす」が廃止され、JR線上から機関車の牽引する定期客車列車が消滅した。客車列車は、鉄道の原点であるにもかかわらず、さまざまな弱点があることから特に日本では淘汰され、現在走っているのはイベント的要素の強い列車ばかりである。

蒸気機関車牽引列車(SL列車)は人気ゆえに各地で走っていて、「今でも乗れる客車列車」ベスト10をピックアップすると、そのほとんどがSL列車となってしまう。そこで今回は、あえてSL列車以外の客車列車にスポットを当ててみた(小湊鐵道「里山トロッコ列車」、伊予鉄道「坊っちゃん列車」は実態はディーゼル機関車ではあるが、SL風ということで今回は除外した)。単発のイベント列車は除き、週末限定、春から秋まで、冬季限定などを含め、ある程度定期的に走っているものの中から選んでいる。

北海道を代表する観光列車

1)JR北海道「ノロッコ号」(北海道)

この連載の一覧はこちら

JR北海道の代表的な観光列車。釧網本線を走る「くしろ湿原ノロッコ号」は、運転開始以来およそ四半世紀にもなり、後発の「富良野・美瑛ノロッコ号」とともに人気を博している。

列車はDE10形ディーゼル機関車に、かつて通勤用として使われていた50系客車を大改造した車両を4~5両連結した編成だ。客車列車は機関車が先頭に立って牽引するのが通常の形だが、この列車は終点で進行方向が変わる際、機関車を切り離して列車の反対側に付け替える作業をすることなく、最後尾に連結したままで先頭の客車に設けた運転台から機関車を制御する「推進運転」を行う。欧米でよく見られる形で「プッシュプル・トレイン」と呼ばれる(ちなみに、機関車を前後に連結した列車を「プッシュプル」と呼ぶことがあるが、これは正確な表現ではない)。

人気列車ではあるものの、近年は車両の老朽化が進む。後継車両をどうするか、JR北海道の経営状態も関わり悩ましい問題である。

次ページ冬といえば乗ってみたいこの列車
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAME5f978ec8b109
    客車列車、懐かしいなぁ。比較的静かですし、旧客などは風情もありました。

    台湾の在来線では、日本製の振り子電車も増えてきましたが、まだまだ客車列車も活躍しています。特に急行にあたる莒光(きょこう)号は、初期車が日本製のため、その後それを参考に作られた台湾製も含め、まるで国鉄14系客車のような風情で今も快走中。

    今月も一時間ほど乗ってきましたが、懐かしくてもっと乗りたかったのが正直な気持ち。

    のんびり客車の旅がしたくなったら、台湾という手もありますよ という話でした。
    up8
    down1
    2017/12/29 08:55
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
2018 大予測

250ページ、140テーマで2018年を大胆予測。さらに、2019年4月末に幕を下ろす「平成30年間」を総括。みずほFG佐藤康博社長、日立製作所・中西宏明会長のインタビューも収録。