お風呂の中で、長女に
「とおくのものは何で小さく見えるの?」
と聞かれました。
長女と次女は双子でして、先日6歳になりました。来年小学生です。
昨日はお友達やお友達のお母さんたちが家に遊びにきていて、ご飯も皆で食べていました。で、しんざき奥様が片づけやらなにやらでまだ忙しそうだったので、私が長女次女をお風呂に入れることにしまして、ざーーっと頭やら体やらを洗った後湯舟に漬かっていました。
幼児の常として、文脈とか話の流れとか、そういうものは基本一切なく、まるで天から何かの啓示が落ちてきたように、長女や次女は非常に唐突な質問をします。その時も、直前まではお友達と遊んでいた話をしていたのに、何故か長女はいきなり哲学的な質問を投げかけてきました。
「えーーーーとね」
咄嗟に5秒程時間を稼ぎました。
私は中学の頃からの筋金入りの文系でして、正直なところ物理や生物にはあまり自信がありませんし馴染みもありません。ただ、こういう子どもの疑問というものは生もので、興味を満たされれば満たされる程次の興味に繋がる傾向があるので、なるべくならその場で、ある程度妥当な回答を返してあげたいとは思っています。あんまり時間を空けてしまうとすぐ他のものに興味が移ってしまうので。
遠くの物が小さく見えるのは何故だ?
なんだっけこれ、視野とか視差の話だろうと思うんだけど、多分網膜上に入ってくる対象物の面積っていうか、光の角度っていうか、とにかく網膜上に占める割合で決まる筈だよな。あれ、左目と右目があるのはどう考えればいいんだ?っていうか6歳児になんていえば伝わるだろう。
喋りながら考えました。
「パパも上手に説明出来るかわかんないけど。今分かる分だけでいい?」
「うん」
「まず、大きく見えるってどういうことかなーってことなんだけど」
スポンジを拾って、長女の顔のすぐ前に出しました。
「これ、スポンジ、おっきく見えるよな」
「うん。パパよりおっきい」
パパわたしもー、と次女が言うので同じことをしてあげながら、
「長女ちゃんの目の中には、光を感じとって「あ、そこに物がある」っていうセンサーがあります」
「ひかり?」
「そう光」
「スポンジ光ってないよ?」
「電気から出てる光に照らされて、その光が跳ね返って目に入ってきてるから、スポンジからも光はきてるの。真っ暗だと何にも見えないだろ?あれは光が目に跳ね返ってこないから」
「そっかー」
「で、物が近くにあると、その光が目に対してひろーーく跳ね返ってくるの」
「ひろく?」
「うん。っていうか、跳ね返ってきた光が、目に入ってくる範囲が広くなる、っていうのかな。水たまりに石落として、じゃぱーんってなった時、近くにいるとたくさんかかるだろ?あれと同じ」
「うんうん」
「けど遠くなると、ちょっとしか跳ね返ってこない」
スポンジを離しました。
「ほらだんだんちっちゃくなるだろ?これは、跳ね返ってくる光が、長女ちゃんの目のセンサーにだんだんせまーくしか入ってこなくなるから」
「小さくなる!」
「だからもっと遠くにあるものはもーっと小さくなるんだよ」
「そっかー」
というような感じで、一応この時点で長女が納得した様子なので、話はここで終わりました。正直、私の説明が頭に入ったというよりも、「スポンジが実際に離れていって小さくなった」という事象で納得したような気がしています。
で、識者の方に伺いたいんですが、これ、私が言ってることってある程度妥当ですか?それとも全然違いますか?
多分、厳密に考えれば、対象物が網膜に像を結ぶ時の角度っていうか、どれだけの範囲が視野の中で占められるのか、というのが「目に見える時の物の大きさ」ってことになるんじゃないかって思ったんですが、どうもこれを上手く説明出来る気がしません。かつ、6歳児にわかるように説明出来る気がしません。
どなたか、もし分かりやすく説明出来る方法をご存知でしたら教えてください。私の言うことが根本的に間違ってたら何かの機会に訂正しますので。
今日書きたいことはそれくらいです。
ものが小さく見える。。反射した光が像を結ぶ角度、、みたいなことってなかなか子供には伝わらないですよね。大人でも、ぱっと聞いて理解するのはむずかしいような気がします。
自分の子供から同じように質問されて、どう答えるかなぁという風に考えてみました。
現象の理解としては違うと思うのですが、子供でも感覚的にとらえすいんじゃないかという点で、相対的、という考え方を使うのはどうかなと思いました。
イメージとしては、
1、からだは、遠くのものになる程大きいものが見えるようにできている(見える高さの範囲が広くなる)
※実演するといいかもしれません。たとえば、子供の顔の近くから手を上に上げて行くと、あるところから見えなくなる。そこから同じ高さ(=同じ大きさ)のまま手を遠くにやると、また見えてくる、のように。
2、このように、たとえば近くだと10見えるのが、遠くだと100見えるようになる
3、10の中の1と、100の中の1だと、同じ1だけど100の中の方が小さく見える
(たとえば10個のおもちゃから1つだけあげるって言われるのと、100個のおもちゃから1つだけあげると言われるのでは、100個の方が1が少なく感じるでしょ?というように)
4、なので、遠くにいくほど小さく感じてしまう
少し無理があるかもしれませんが。。
ただ、相対的、という概念について触れるいい機会な気がします。正確な理解というよりは、イメージする力をつけるという点で、良いのではないかと思いました。
また、更新楽しみにしています。
中学の理科で習う凸レンズが像を結ぶ原理です
眼球の水晶体が凸レンズの働きをし、網膜に像を結ぶことで「物が視える」のです
そして焦点から離れた物体ほど出来る像は小さくなります
つまり、網膜に映った像が実際に小さくなるから遠くのものは小さく見えます
凸レンズを用意して実際に実験することで、お子様にわかりやすく説明できるのではないでしょうか
「なんで実像は上下左右が反対になるのに、物の見え方はそうじゃないの?」とか聞かれたら……説明頑張ってください(笑)
人には利き目というのがあって、基本的には利き目で捉えた映像を認識する視覚として処理しています
物を見ている時、効き目を手で隠すと物体の見え方がズレて感じると思います
脳はこの右目と左目との映像のズレを自動的に補正処理して、見る物との距離を感覚で捉えやすくしてくれているのです
右目と左目がある理由はこういうわけです
だから肉食動物ほど目が顔の前面についていて、草食動物ほど側面についているのです
(距離の正確な計測は狩りに有利。視野が広いほど逃げるのに有利という理由)