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    【ドロッセルマイヤーズ渡辺】プレイヤーは魔法使いであるという話
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    印刷2017/12/28 00:55

    連載

    【ドロッセルマイヤーズ渡辺】プレイヤーは魔法使いであるという話

    渡辺範明 / 遊びと創作ボードゲームの店「ドロッセルマイヤーズ」代表

    ドロッセルマイヤーズ渡辺の ゲームボーズ

    Twitter:@Drosselmeyers_


     「マジック・サークル」という概念がある。日本語で書くなら「魔法円」。

    これではない
     もともとはJohan Huizinga(ヨハン・ホイジンガ)「ホモ・ルーデンス」が出典とされる言葉で,ゲームよりも,もっと広義の「遊び」についての用語である。最近ではゲームデザイン論の名著「ルールズ・オブ・プレイ」で紹介されたことで,ゲーム関係者にも知られるようになった。
     まあゲーム論史的な検証は専門家の方々に任せるとして,僕はとにかくこの概念が好きだ。なにがいいって,まずネーミングがいい。ロマンチックでかっこいい。そして,ゲームとはなにか? という問いにこれほど意義深いヒントを与えてくれる言葉はなかなかない。今回はこのマジック・サークルについて,僕のごく私的な解釈と思い入れを交えつつお話したい。

     ゲームデザインにおけるマジック・サークルとは,ざっくり言うと「ゲームが成立する範囲」のことだ。この「サークル」の内側ではゲームが成立しており,外側ではゲームが成立していない。あるいはこの「サークル」が発生したときにゲームは開始し,消滅したときにゲームは終わる。
     例えば,ある公園のベンチで日向ぼっこをする老人がいたとしよう。彼の傍らには将棋盤と駒一式がある。この時点では,ここにマジック・サークルは発生していない。しかし別の老人が現れ,彼にひと勝負をもちかける。パチパチと盤に駒が並べられ,2人の対局が始まる。すると「将棋のマジック・サークル」がその場に発生する。このマジック・サークルの中において,2人の老人は「プレイヤー」として,ゲームの構成要素の一部となる。そしてそのうち2人の対局は終了し,それと同時にマジック・サークルは消滅する。2人の老人も「プレイヤー」ではなくなる。

     どうだろう? なんの変哲もない日常の風景が,マジック・サークルという概念を通すだけで,豊かな意味を持つ空間になるのが分かるだろうか。さらに,それが単なる言葉の言い換えに留まらず,ここを起点にいろいろな思考が促されるのがまた,面白い。とはいえ,この説明だけで興奮できるゲーム論フェチはそう多くないと思うので,もうちょっとだけかみ砕いてみたい。

    ルールに人が向き合うことでマジック・サークルが発生し,そこで初めてゲームが成立する

     例えばマジック・サークルの概念で考えるならば,将棋盤と駒一式は,実はそれだけでは単なるゲーム用具にすぎず,「ゲームそのものではない」ということになる。将棋というゲームはあくまでも「2人のプレイヤーがおこなう行為」であって,日向ぼっこする老人の傍らに置いてある木製の物体のことではない。そんなの当たり前じゃん! と思われるかもしれないが,われわれは普段,デジタル/アナログ問わず商品としてのゲームパッケージを指して「ゲームを買う」「ゲームを貸す」「ゲームを持っていく」「ゲームを積む」と表現するし,実際あの箱や記録媒体やスマホアプリのアイコンの中に「ゲームが入っている」と思い込んでいる節がある。
     でも本当は,そこに入っているのは野球でいうところのバットやボールやグローブのようなもの,あるいはルールブックや審判,さらには野球場であって,「野球」そのものではないのである。

     またマジック・サークルの内側では,人間は「プレイヤー」という属性を持つことで,ゲームを構成する一部になる。ゲームを構成するさまざまな要素の中でも,「プレイヤー」の重要度はとくに高く,例えば将棋盤や駒がなくても(何らかの代替物やルールのアレンジなどで)“将棋っぽいゲーム”は成り立つかもしれないが,プレイヤーがいなければゲームは成立しようがない。
     さっきの比喩で言えば,野球は野球の道具を使う18人のプレイヤーが集まって「今から野球をするぞ!」と宣言することで,初めて成立する。つまりマジック・サークルの内側で人は「プレイヤー」としてゲームの一部となるが,そのマジック・サークルを作り出しているのもまた,ほかでもないプレイヤー自身なのだ。

     こんな風に,「ゲームの成立」をマジック・サークルの概念を通して再解釈できるのと同様に,「ゲームの不成立」もまた,マジック・サークルによって再解釈できる。先ほどの将棋の例で言えば,老人のうちの1人が急用を思い出し,帰宅してしまったらどうなるか? 当然ゲームは終了し,マジック・サークルは消滅する。あるいは一方の老人が陽気につられてウトウトしてしまうだけでも,急用を思い出してソワソワし出すだけでも,マジック・サークルは消滅してしまいかねない。
     ゲームを遊んではいるが,ゲームになっていないこの状態。こんな経験がある人は,読者にもきっと多いのではないだろうか。古くは「桃鉄の途中で誰かがジャンプを読みだしたら実質終了」現象だったり,「ゲーム中に誰かがスマホをいじりだすと一気に盛り下がる」現象だったりするアレである。
     それってゲームが盛り下がってるだけで,いちおう成立はしているんじゃないの? と思う人もいるだろうが,僕の定義(関連記事)では,面白さが維持できないことが自明な環境であるなら,それはゲームとして成立していないも同然なのだ。


    誰が魔法を操るのか


     ここまで話したところで,最初の「マジック・サークルというネーミングがロマンチックでいい」という話に戻ると,僕の気持ちもけっこう共感してもらえるんじゃないだろうか。
     ゲームは常にルールによって面白さを生み出すわけだが,そのルールがきちんと機能して面白さを実現するためには,空間や人間,時間がうまくかみ合った「特別な場」が必要になる。そういうことを,マジック・サークルという言葉はうまく言い表している。天気のいい公園のベンチに将棋道具一式があり(空間),2人の将棋好きがいて(人間),その二人が睡魔や野暮用に邪魔されず,ひとときを共有する(時間)。これ以上ないほどに平凡な日常のひとコマだが,こと将棋を楽しむ場として,これ以上の幸せな舞台装置はない。
     遊びとは本質的に「無意味」なものだが,そこに人が「意味を錯覚」することで面白さが生まれる。ゲームとはプレイヤー達が一定のルールに基づいて執り行う,ある意味,魔法的な儀式であって,その錯覚や幻惑,陶酔効果によって発揮される力は,まさに「魔法」と言って過言ではないだろう。

    ゲームを取り巻く“場”もまた,魔法を生み出すための大事な要素の一つと言える

     この「魔法」を実現するための技術は,日々進化している。それがいわゆるゲームデザインだ。その意味で,ゲームデザイナーという人種は常に新しい魔法技術を探求/開発している研究者であると言える。
     そして,むしろこっちのほうが今回伝えたいことなのだが,ゲームデザイナーがどんなに新しい魔法書やら魔法陣やら魔法の杖を開発したとしても,それを実際に活用して魔法を発現させるのは,個々のゲームプレイヤーだ。だからゲームプレイヤーこそが,実は魔法使いなのである。

     当然ながら魔法使いには,魔力の高い者もそうでもない者もいる。魔力の高いプレイヤーの周囲には,強力なマジック・サークルが出現しやすい。「あいつと遊ぶと,どんなゲームも面白いんだよな~」。あなたの周りにもいるそういう友人が,高位の魔法使いだ。「遊びの才能に恵まれた人」と言い換えてもいい。
     いかにも中二的で大げさな表現に感じるかもしれないが,実際のところ,例えばアナログゲームプレイヤーであれば,「まったく同じゲームが,場によって盛り上がったり盛り下がったりする」あの落差に驚いた経験があるだろう。つまりこれは「ゲームの面白さ」はゲームデザインだけでは実現できないということの,何より確かな証明なのだ。

     もちろんデジタルゲームであっても事情は変わらない。1980年代に超絶面白かった8bitのゲームをいま遊んでも,まったく同じ面白さを感じることはできない。まったく同一のゲームデザインが,まったく同一には機能しないのだ。それらの違いはなにかと言えば,技術的/文化的環境の変化,プレイヤーの変化,時代の変化……つまり空間,人間,時間が作り出すマジック・サークルの質的変化であろう。

     あるゲームプレイが爆笑の渦に包まれるとき,ヒリヒリした最高の駆け引きが味わえるとき,物語世界に没入して感動するとき,そこにはいつも,なにか「特別な魔法」がかかっている。その魔法をかけているのは,我々プレイヤー自身なのだ。そう考えると,なんともロマンチックでかっこいいのだ。

    ■■渡辺範明■■
    ドロッセルマイヤー商會代表取締役。創作ボードゲームと雑貨をあつかうネットショップ「ドロッセルマイヤーズ」を経営するかたわら,アナログゲームを中心にさまざまなタイトルを手がけるゲームデザイナー&プロデューサー。代表作に「巨竜の歯みがき」「アダムとイヴ」「未来逆算思考」など。2017年一番遊んだボードゲームは「グリュックス/Glux」でした!
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