遠隔充電のWattUp が実用化へ一歩、1月のCESで実演へ。約1m範囲の送電機がFCC認証取得
将来的には範囲4~5mに拡大予定
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離れた場所のスマートフォンなどを充電できるワイヤレス送電技術 WattUp が、また一歩製品化へ近づきました。
開発するスタートアップ Energous によれば、WattUp対応の中距離トランスミッタ(送電機)が、遠隔送電技術として初めてFCC(連邦通信委員会)から民生品扱いの認証を取得したとのこと。
iPhone や Android スマートフォンの「ワイヤレス」充電は、端子や接点がないだけで結局は充電台の上にずれないよう置いておく必要があります。しかし WattUp は充電器(送電機)から一定の範囲内にあれば、手に持って使っていても、ポケットやかばんのなかでも勝手に充電してくれる「リアル」無線充電技術。
スマートフォン以外にもヘッドホンやスマートウォッチなどのウェアラブル機器、PC周辺機器、小型のセンサや各種IoT機器など、複数のデバイスを認識して同時に充電できる点も特徴です。
現在のスマートフォンなどで使われる無線充電(「置くだけ充電」)が主に電磁誘導方式を採用するのに対して、WattUp はWiFi のような電波で電力を送るRF方式。
WattUp は従来、送電機に近ければ大きな電流で高速に充電できるものの、技術的には約4.5m離れた範囲まで対応でき、スマートフォンや各種センサなど低電力で動く機器に向いた方式と説明していました。
範囲内にある対応機器ならば無差別に充電するわけではなく、まず対応機器と通信して相手を認証したうえで充電を開始します。特定の機器を優先して充電することや、残りの容量に応じて開始などもインテリジェントに設定が可能。同時に10台以上の機器に充電できます。
Energous が例に挙げる WattUp トランスミッタの導入先はテレビやモニタの縁、スマートスピーカー、照明機器など。
ライバルよりも広範囲が売りのWattUp ですが、今回FCCの Part 18認証を取得したのは範囲約90cmまでの中距離タイプ送電機。
90cmでは、例えばデスクトップのモニタに埋め込めばスマートフォンや周辺機器をまとめて充電できそうです。ベッドサイドに置いた場合、ケーブルを気にせず寝転がってスマホを使いながら充電できそうですが、どちら側を向いて寝落ちしたか、で朝に満充電か電池切れか運試しかもしれません。
Energous は来年1月の家電見本市 CES 2018で最新の WattUp 技術を実演する予定。現時点で対応機器の販売予定などは明らかにされていませんが、チップの製造についてはパワーマネジメント部品などで知られる大手半導体メーカー ダイアログ セミコンダクターとのパートナーシップを発表しており、供給とサポートの体制は整っているとアピールしています。
なお、くっつけなくても良いワイヤレス充電技術としては、Qi 対応機器を約30cm範囲で充電できる Pi があり、すでに送電機の購入予約受付を開始しています。
30cm離れても充電できる無線充電「Pi」発表。充電パッド不要、複数台同時も対応でQi互換