「国際送金は興味深い」PayPal創設者が語るデジタル決済、ビットコイン
Affirm via AP
マックス・レブチン氏は1990年代後半にPayPalを共同設立し、デジタルウォレットの概念が一般に周知される一翼を担った。
彼は今もオンラインサービスを使って金融業界の再構築に取り組んでいる。彼は今サンフランシスコを拠点とするスタートアップ「Affirm」のCEOとして、インターネットを通じた定額支払いローンを提供している。従来のクレジットカードでは、毎月の最低支払金額が低く設定されており、一部の消費者が債務返済に数十年以上かかる、という問題がある。Affirmのサービスはそれに代わるものとして提供されている。
今年42歳のレブチン氏は先日、AP通信のインタビューに応じ、デジタル決済の現況やコンピュータセキュリティ、そしてビットコインについて語った。ビットコインは暗号通貨の一種で、その将来性に多くの投資家が資金を投じたことから、資産価値が今年1年で1000ドルから1万9000ドルに急騰した。本記事は実際のインタビュー内容を読みやすくまとめたものだ。
Q. PayPal設立以後、デジタル決済はあなたが願ったように進歩しているか?
市場の規模や複雑さにうまく適応して、いいペースで進んでいる。規制も厳しく、多くのことに気を配らなければならない。ここ7、8年、誰もが気づいていながら見て見ぬふりをしているのが暗号通貨だ。ビットコインやそれに準じるもののまわりには、「~したらどうする」や「~したらどうなる」にといった大きな不安がある。
Q. それはなぜか?
ビットコインは、猛烈な勢いで値上がりしている。ビットコインを手に入れたら、それを手放すべきではないだろう。まだ使うべき時ではない。結局、ビットコインを取引ツールとして使える場というのは、クレジットカードや現金が使えないようなときだ。だからこそビットコインに出会う場所というのは、インターネットのどこか暗い隅なのだ。
Q. ビットコインに投資しているか?
私は初期のビットコインスタートアップの、初期の投資家として、多くのビットコインとかかわっていた。しかし、意識してビットコインの大量買いを決めたわけではない。
私はほとんど投資をしない。そういった意味で、非常に保守的だ。私は、長い時間をかけてその価値がどのように取引され、何が起こるのか、ということを理解しようと努力する。投機に精通していないから、というわけではなく、市場をタイムリーにチェックする時間がないのだ。だから結局私は株や企業に力を注いでいる。
Q. デジタル決済で最も興味深いのはどの分野か?
良いな、と思うのは、国際送金だ。参入したばかりの企業でもうまくやれる。送金側と受領側にとって摩擦が少なく、はるかに安くて透明性の高い方法を見出した連中がいる。
Q. 金融システムの混乱を招くハッカーについての懸念は?
サイバーセキュリティの備えに関しては、あらゆることに神経を使った方が良い。それは決済に限ったことではないと思う。(それをおろそかにすると)ビジネス運営のコストは上がり、社会的な信頼を低下させることになる。歴史的にもこれほど恐ろしい時代はない。すべてにチップが埋まっている。鍵(デジタルファイルやサービスを解除するための暗号)を保護する方法を学ぶ必要がある。
By MICHAEL LIEDTKE, San Francisco (AP)
Translated by isshi via Conyac