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2017-11-30

SEOの進化系「SXO」:Googleが目指すユーザー体験の最適化


従来のSEOから、SXOの時代に移行しつつあるという話はご存知でしょうか?SXOはSEOが進化した概念で、これからの検索エンジン対策には欠かせないものとなるでしょう。

本記事では、SXOの基本的な考え方についてわかりやすく解説します。SEOとは何が違うのか?どうしてSXOが必要なのか?といったことを解説していますので、Webの仕事に携わる方はぜひお読みください。

SXOとは?

SXOは「Search Experience Optimization」の略で、日本語では「検索体験最適化」と呼ばれます。SEOが検索エンジンの最適化であるのに対し、SXOはユーザーに対する検索体験の最適化であるのが大きな違いです。

簡単にいうと、SXOではユーザーのためになるサイトであることが求められます。それは現在主流となっているコンテンツSEOにもいえることですが、SXOではユーザビリティやオーソリティ(信頼性)も含めた「優れたユーザー体験」を提供することが重視されると理解しておいてください。

Googleが目指すユーザー体験の最適化

Googleは検索結果の質を向上させるため、日々アルゴリズムに改良を加えています。たとえば、2013年に導入されたアルゴリズム「ハミングバード」は、検索者が入力したキーワードの背景と文脈を理解し、より的確な検索結果を提示するために開発されました。

また、Googleは機械学習の開発にも力を入れていて、「ハミングバード」には「RankBrain」という機械学習システムが導入されています。そうしたアルゴリズムのおかげで検索の精度はどんどん向上し、検索者の意図に沿った結果が表示されやすくなっているのです。

Googleが目指すユーザー体験の最適化は、キーワードから検索意図を汲み取って検索結果の精度を向上することにあります。検索エンジンは機械が判断しているわけですが、機械学習やディープラーニングによって会話での問答に近い検索も可能になるでしょう。

広告に関していえば、Googleはインタースティシャル広告を表示するモバイルページの評価を下げるアルゴリズムを導入しています。インタースティシャル広告は、ページ遷移時に全画面で表示される広告のことです。

インタースティシャル広告はユーザビリティを妨げるものとして、Googleは評価を下げるという決断を下しました。その影響により、SXOではインタースティシャル広告を表示しないという対策をとることになるでしょう。

現在、Googleは「モバイルフレンドリー」や「モバイルファースト」などを導入し、モバイル検索を重視する方向に進んでいます。モバイル対策もSXOのひとつで、Googleから評価してもらうためには、スマホやタブレットでも快適に閲覧できるようにサイト設計しなければなりません。

SXOではユーザーの検索意図を読み取ることが重要

Googleが目指すSXOをふまえた施策を打つには、サイト側は検索意図に沿ったコンテンツを発信することが必要となります。コンテンツが検索意図に沿っていない場合、離脱する可能性が高くなるのでSEO的にもよくありません。

SEOではキーワードに沿ってコンテンツを作成しますが、SXOでは検索意図に適合させることが大事です。もちろんSXOでもキーワードの適合も必要ですが、従来のキーワード重視のコンテンツ作りではGoogleから高く評価してもらうのは難しくなるでしょう。

Googleはすべてのアルゴリズムを公開しているわけではないため、どうやって検索者がコンテンツに満足してサイトを離脱したのかを判断するのかは不明ですが、検索者が求める内容であったかが重要視されると推測されます。

検索者が本当に知りたい情報を含むコンテンツであるか。それがSXOでは重要になってくるでしょう。

SXOに欠かせないユーザビリティの質

SXO-ユーザビリティ

SXO対策を行う上で、ユーザビリティは非常に重要な要素です。ユーザビリティはサイトの使いやすさを示す言葉で、Googleが目指す優れたユーザー体験には欠かせません。

たとえば、コンテンツの内容が検索者の意図に合致していたとしても、サイトが見にくいと途中で離脱してしまう可能性が高くなります。それはユーザー体験の阻害と判断され、Googleからの評価が下がってしまう可能性が高くなるでしょう。

優れたユーザー体験を提供するためには、見やすく操作がしやすいサイト設計が必要です。いわばユーザビリティはSXOの基本となります。

これからのSEOには「ユーザー体験」が求められる

これからはキーワード狙いで施策を打つSEOから、ユーザー体験を重視したSXOに移行していくことでしょう。一般的な製品やサービスでもユーザー体験が必要とされる今の時代、検索エンジンも例外ではありません。

ただ、検索エンジンはアルゴリズムによって機械的に判断しているため、これまでは人間のように意図を汲むのを苦手としていました。しかし、機械学習やディープラーニングの発達により、機械が人間の意図を汲むようになってきています。

いわばSXOはGoogleが望む検索エンジンのあり方で、これからは検索ランキングを決定する上での重要な要素となっていくことでしょう。まだ検索エンジンは人間のように正確に検索意図に適した結果を返せるわけではありませんが、徐々に精度は向上しているので、今かSXOを始めておくことをおすすめします。

おわりに

簡単にまとめれば、SXOではユーザーのためになるサイト設計、検索意図に沿ったコンテンツの作成が求められるということです。

SXOについてはまだ今後の動向が不明の部分がありますが、これからどんどん重要視されていくことでしょう。SEOで検索エンジン相手に施策を打つ時代は終わり、SXOでユーザー体験に優れたサイトが評価される時代が到来することが予測されます。

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