慰安婦合意 非公開の「裏合意」あった=韓国検証報告書(聯合ニュース)
慰安婦合意 韓国が先に「不可逆的」言及=本来の趣旨から変化(聯合ニュース)
「被害者中心主義」に徹底して背いた慰安婦合意=韓国報告書(聯合ニュース)

 韓国で慰安婦合意検証タスクフォースによる検証結果が発表されました。
 まあ、これといって意外なこともなく。
 これまでの予想範囲から一歩も出ることのないものでしたね。

 そんな中、唯一面白かったのは「不可逆」と言い出したのはどちらか、という話。
 韓国で一時期、「不可逆という文言を入れろと言い出したのは韓国政府側」というニュースが出てて「合意内容でそれはないな」という話をしたことがあるのですが、「文言として」の「不可逆」を言い出したのは韓国側であるということでした。
 でも、日本側にそれを逆手に取られて「最終的、かつ不可逆的に解決」というように組み入れられてしまったと。
 なるほど、これは日本側がうまくやったというか、韓国にとっては痛恨の一撃になったってところ。

 さてもうひとつの注目点として「裏合意」とされている項目がこちら。

・挺対協などの関連団体の説得努力をする。
・韓国政府は海外に追悼碑設置などについて支援しない。
・性奴隷との表現を用いない。

 裏合意というか、合意の細目って感じです。
 それぞれの大きな合意項目に対して「こうしなければならない」という細かい部分。
 裏合意って騒ぐほどのものでもないかなぁ……。こういう部分を作っておかないとなにが合意違反なのか判断しづらくなりますわな。

 ただ、こうしてわざわざ「裏合意だ」ってこれらの細目をさらしたことで、韓国政府としてはこれら項目も遵守しなければならない義務が生じているわけですね。
 韓国側から破棄しない以上、「合意」として活きているわけで。
 これらの項目をやってきた場合、日本側は対抗措置を執ることができると明らかにしてしまったということでもあるわけですが。

 さて、これらの報告に対して韓国政府がどのような対応をするのかを発表するのが平昌冬季オリンピック後。
 パラリンピックに関しては言及がなかったので3月くらいということになります。
 現在のムン・ジェイン政権が「裏合意」」まで明らかになった慰安婦合意を遵守できるのか、ということですが。
 まあ、無理でしょうね。政権の成り立ちからしても無理ですし、政治家としての資質から見ても無理。
 どんな無理矢理な言い分で「破棄」もしくは「再交渉」を言ってくるのか、という部分に焦点が絞られてきているわけです。

 再交渉を申し入れれば日韓関係が死んで、慰安婦合意を受け入れれば政治生命が死ぬ。
 外交カードとしての慰安婦合意が検証結果によって強化されてしまいましたね……。