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IQが高い人とは話が合わない? 高IQ集団「MENSA」の会員と話してみた
ライター:杉山大祐
コンテンツメーカー・ノオトの編集者、ライター。無類のゲーム好きだが、ヘタクソなのが悩み。
ライターの杉山です。
皆さんは、TwitterやFacebookなどのSNSで、言いたいことがうまく相手に伝わっていないなぁと感じたことはありませんか?
絵文字やスタンプなどもありますが、文章で会話することは難しいもの。まして、さまざまな境遇の人とコミュニケーションを取ることができるインターネット上では、常識と思っていることが自分と相手でまったく違ったなんてことも、珍しくないはず。
ここで思い出したのは、「IQに差がある人とは話が合わない」というウワサ。本当かどうかは定かではありませんが、たしかに頭がよい人の話す内容が理解できない……という経験はあります。
話が合わないというのは、本当でしょうか? また、そうした人と話すときはどんなことに気をつければよいのでしょうか? 実際に頭のよい人たちに聞いてみました。
高IQ集団「MENSA」とは?
頭がよい人たちと聞いて思い浮かべたのは「MENSA」。IQ(知能指数)が高い人たちが所属している団体で、独自のテストに合格した人だけが入会できるそうです。
所属している有名人は、相対性理論を考案したアインシュタインや『2001年宇宙の旅』の著者・アーサー・C・クラーク、日本人ではお笑いコンビ「ロザン」のツッコミ担当・宇治原史規さんや脳科学者の茂木健一郎さんなど。
どのくらいの知能指数がある人たちなのかは公表されていませんが、公式サイトによると、人口比上位2パーセントのIQの持ち主のみが入れるとのこと。
ぜひ話を聞いてみたいと思い、Twitterで呼びかけてみたところ、取材に応じてくれるMENSA会員の方が2人見つかりました。
それでは、根掘り葉掘り聞いてみましょう。
MENSA会員はどんな人?
佐藤雄介さん
職業は、塾講師やお笑い芸人、ボードゲーム制作者など多彩な顔を持つ。MENSA歴は3年。大の「ももクロ」ファンで、エピソードのほとんどを記憶しているということを買われ、一度共演したことがある。
布村壮太さん
職業は、IT企業でアライアンスを担当。MENSA歴は3年。常に脳をフル回転させているせいか糖分が不足しがちなため、オリゴ糖がすぐ摂取できるラムネを持ち歩いていたこともあるという。
MENSAに入ったきっかけは何でしょうか?
私は以前、お笑い芸人として積極的に活動していました。肩書があれば「◯◯芸人」として自己紹介できるので、MENSAに入って「高IQ芸人」の肩書を作ろうと思ったのが、きっかけのひとつです。
たしかにそうした肩書があると、重宝されそうですね。実際に効果はあったのでしょうか?
テレビ番組に出演することができました。あとは単純に興味があり、MENSA会員がどういう人たちなのか好奇心があったのも理由にあります。
学生時代は試験などで頭のよさが発揮できると思いますが、社会人になってからは、そうした場がないなと。自分は頭がよいのか試してみたいという気持ちから入会テストを受けました。また、そうしたジャンルが得意だと確かめて安心感を得たいというのもあったと思います。
お二人は、どの時点で頭がよいと自覚したのですか?
振り返ると、幼少期からパズルをやっていたりクイズが好きだったりしましたが、気づき始めたのは、小学校4年生のとき。分数の授業で、周りが何をやっているのか理解していなかったと聞いて、なぜ同じことを何回言われてもわからないのだろうと思いました。
小学生のときに気づいたんですね。とはいえ、MENSAに入るレベルとなると、かなりハードルが高いと思いますが……。
MENSAは上位2%の IQ があれば入れるのですが、2%といえば、50人に1人。小学校の一学年には50人以上生徒がいて、その上位2%には入っているんじゃないかと思いました。
自分の場合は、高校時代に予備校に通っており、少人数のクラスだったのですが、「理解が早すぎる」と困られたことがあって。そこで初めて、他人と自分とで理解力に違いがあることに気づきました。
お二人とも試験や勉強で気づいたとのことですが、日常的に頭の回転が速いと感じる場面はありますか?
クイズ番組が好きでよく録画するのですが、答えが分かった時点でスキップしながら見ると、2時間の番組を30分ぐらいで見終えてしまいます。知識量が多いわけではないので、知識を必要とするクイズはそうでもないですが、規則性を見つけたり、計算や記憶が絡んだりするクイズは結構得意ですね。
たしかにクイズ番組は好きですね。偉人の名前や地名を答えるといった問題よりも、謎解き系が得意だと思います。そうした意味で実力が発揮できるのは、リアル脱出ゲームではないでしょうか。
謎解きといえば、取材に応じてくれると手を上げていただいたMENSA会員の方には、謎解きの制作に携わっている人が多かったように思います。佐藤さんはボードゲームの制作をしているんですよね。
▲佐藤さんが制作したボードゲーム
▲こちらの「タイムボム」は、音楽グループ「19」の元メンバー・326氏がイラストを手掛ける
ボードゲームのルールの設計は、MENSA的な資質があると有利なのでしょうか?
クリエイティブ能力の高さは、別だと思います。私の場合は IQ が高いことを利用して、ボードゲーム制作に生かしているというイメージですね。たとえば、確率計算は全部暗算でするとか、テストプレイで何回も同じことを行う際に、的確にやるのが得意かなと。
頭の回転の速さは、昔から変わらない?
ふと疑問に思ったのですが、頭の回転の速さは幼少期から現在まであまり変わらないのか、それとも筋肉のように鍛えていないと衰えるのでしょうか?
おそらく何もしていないと思考能力は落ちるのではないでしょうか。ただ、考えることは癖になっていて、常に何かしら考えているので、衰えていないのかなと。
なるほど。常に考えているとのことですが、休むことはないのでしょうか?
大学受験が終わってから大学に入学するまでの期間、勉強をしないでいいと思って、本当に何にもしないでいたんですね。そうすると、3日ぐらいで頭がおかしくなりそうになりました(笑)。それで本屋に行って、パズル雑誌を買いあさって、ひたすら解いていた記憶があります。勉強はそんなに好きなわけではないですが、頭を使うことは好きだったのかなと。
常日頃、何かを考えていることは多いかなと思います。妄想だったり、空想だったりするんですが。もちろん疲れているときにパフォーマンスが落ちるということはありますが、年齢的に衰えるということはないですね。
たとえば、どんなことを考えていますか?
ロボットアニメが好きなので、オリジナルのストーリーを考えるとかですかね。好きなアニメや映画のワンシーンを、頭の中で再生するとか。あとは、目につくものに対して思考を巡らせます。このテーブルであれば、木目模様を触ったらどういう感じなんだろう、とか。
すごく分かります。模様などをよく見るんですよね。意味があるかはわかりませんが、部屋に入ったときにロッカーやイスの数を無意識的に数えていますね。目についたものを、何かしら考える材料にしているのだと思います。
共感できる話なのですね。現在進行系で今も考えていることはありますか?
今だと、目の前に見えるブラインドの羽が1個だけ向きが違うものがあるので、そこが気になります。
不思議な共通点ですね。頭の回転が速いと、そんなことを考えるのですね……。
IQに差があると話が合わないって本当?
MENSA会員とそれ以外で、会話をした際に違いはありますか?
あるといえば、ありますね。MENSA会員以外の人には、「この間、こんなことを達成できた」など嫌味に聞こえるだろうなと思うことは、言わないようにしています。MENSA会員相手の場合、そうしたことはないので隠さず話すといった違いでしょうか。
なるほど。他にはありますか?
あとは、話の展開に差があるかもしれません。MENSA会員が相手なら同じことを何度も言わないですし。MENSA会員以外の人には、理解しているかどうかゆっくり待っているイメージです。とはいえあくまで無意識的なことで、気を遣っている感覚はほぼありません。MENSA会員が相手なら、まったく気を遣っていないのかもしれないですね。
たとえばMENSA会員の人は、話の段階を飛ばして話すので、一般人には話が通じないのではないかというウワサ話を聞いたことがあります。そうした感覚はありますか?
話の展開がA→B→Cとあった場合、AだったらBというのが考えればわかる内容のときは、Bを飛ばしてA→Cと話すことはあるかもしれません。ただ、MENSA会員以外が相手であれば、段階を踏んで話すようにはしています。
話の展開を飛ばすことはあるけれど、相手によって対応を変えているということですよね。当然といえば、当然だと思いますが。
コミュニケーションという意味では、MENSA会員相手だとどこまで理解されるか、ある程度わかります。会員以外と会話する際は、相手の理解力を推し量りながら話しているのかと。
そうなのですね。ちなみに、佐藤さんの職業は塾の講師とお聞きしました。学生に教える際、何でここがわからないんだろうとじれったく思う気持ちはありますか?
じれったい気持ちはないです。わかっていたら、塾に通わないと思うので。正直なところ、なぜわからないかは理解できませんが、どうやったらわかるようになるかは経験上理解しています。
なるほど。では、どういう感覚なのでしょうか?
自分の場合、数学はほとんど独学で、参考書を読めば、それを元に問題が解けます。しかし、学生のなかには、人から教わることでわかる人もいる。極端な例では、教科書の音読をしているだけで「わかった」という人もいました。その意味では、じれったさはなく、そうした人がいることがデータ的にわかっているという感じですね。
布村さんの仕事は、他社との交渉をすることが多いと思いますが、どんなことが得意だと思いますか?
相手の戦略の読み解きではないでしょうか。交渉を行う場合、相手の要求はどこにあるのかだいたいは予想がつきます。そのため、この会社の場合はこうした方法が最適といったことに、勘が働くというか。どのルートが一番楽そうとか、早そうとかいうのが分かります。
「楽そう」とか「早そう」という表現は、MENSA的ですね。この方法がうまくいくというというより、楽に、早くと効率を考えるのは、MENSA会員に共通する特徴かもしれません。
同じような質問をしたら、怒られそうですね……。
そんなことはないです(笑)。伝わっていないと思って、別の内容を回答するかと思います。
SNSをやっていますか?
ちなみに、お二人はSNSをやっていますか? インターネット上のオープンなコミュニケーションで、気をつけていることがあるのかが気になったので、それも聞きたいです。
常に何かを考え続けているので、無意識的にSNSに吐き出してしまうと、投稿の数が多くなるし、長文になってしまいますね。うるさいと言われないよう抑えながらやっています。
考えていることをすべてSNSにさらけ出したら、あふれてしまうということですね。たしかに嫌がられそう……。佐藤さんはどうですか?
あまり参考になるかはわかりませんが、基本的にSNS が嫌いで、 Facebook は自分から投稿したことがありません。個別にメッセージが来たものに対しては、用件が伝わるようにして、1行で返しています。LINEも既読だけつけて、何が書いてあるのか読まないことも多いです。
どこまで個人の資質なのかMENSA的な要素なのかはわかりませんが、効率的にしたいと考えるのは、MENSA会員らしさかもしれませんね。
もちろん仕事に関わる場合、そんなことはしませんが、プライベートでたわいないことを送られた場合は何も返しません。ターン数を圧倒的に減らしたいですね。「あのさぁ」とだけ書く人は、どういう神経しているのだろうと。最近は、直接の連絡先を教えるのではなく、知り合いを経由して、連絡してもらっています。
ところでインターネットでは、たびたび言い争いが発生します。コミュニケーションがうまくいかない相手に対して、どのように対処すればよいのか、お二人だったら、どう考えますか?
まずは、解決するかしないか、その必要があるかを判断したほうがよいかもしれません(笑)。解決することを前提にすれば、相手の脳の中で何が起きているかを考えます。この人はどのような状況で、どういう感情が起こっているのか、こちら側のどこに不満があるのか。
冷静に相手の状況を分析するということですね。
同じように、こちらが相手に対して、どのような感情を抱いているかも考え、対応方法を決めます。私は誰に対しても怒りが持続するタイプではないので、そんなに怒りがないことや、あっても理不尽な怒りでないことを伝えます。なぜそういう感情なのかは説明できるので、それを話すでしょう。ただ、そこまでする必要があることって、そんなにないですよね。
インターネット上の言い争いは、想像力の欠如が主な原因だと思います。そのため、なぜ相手が自分の意図することを理解できていないのかを考えますね。インプットが足りていないのか、視野が狭くなっているのかなどの原因を考えて、補足説明をして解決を図るのではないでしょうか。
情報が足りていなくてすれ違うことはよくありますね。そこを説明してあげれば誤解が解けると。
特にインターネットでは、想像に至る前に脊髄反射で話していることが多いと思います。相手の想像力が十分に働いていないとき、自分の言葉がどう伝わってしまうのかを想像しながらコミュニケーションを取るようにしています。
IQに差がある=話が通じない、ではなかった
MENSA会員の方に話を伺ってみると、「IQに差がある人とは話が合わない」なんてことはまったくなく、それどころかコミュニケーションがうまくいかないときの解決案も、非常に納得できる回答でした。
お二人の話をまとめると、以下の通り。
・MENSA会員は規則性を見つけたり、計算したりするのが得意
・「常に何かを考えている」はMENSAあるある
・MENSA=話が通じないということはなく、むしろ理解されやすい工夫をしている
・コミュニケーションがうまくいかないときは、相手の状況をよく知ることが大事
ということで、頭のよい人が話す内容は、非常にわかりやすかったです。
コミュニケーションを取る際は、どんな相手であっても理解しようとする姿勢が重要。そのことを忘れないようにしたいと思います。
ライター:杉山大祐
コンテンツメーカー・ノオトの編集者、ライター。無類のゲーム好きだが、ヘタクソなのが悩み。
コメント 10
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よんでみて、めんどくせーな、こんな話はと思いましたよ。
途中すっ飛ばしちゃいました(笑)
これってもしかして、最後の2行
>コミュニケーションを取る際は、どんな相手であっても理解しようとする
>姿勢が重要。そのことを忘れないようにしたいと思います。
を言いたいかっただけだったりします?
とても面白い記事だと思いました。
特に、エーツと思ったのは2%の話、クラスに一人はMENSA有資格者がいるというお話。
それと、SNSとどうかかわるかというお話。結局、コミュニケーションはIQの高低とあまり関係がないらしいということでした・・・
つまり、不当にレスを削除する行為はIQの問題ではないということかのぅ・・・?
邪推ですが、スタッフ方面の意図としては
>これってもしかして、最後の2行
>を言いたいかっただけだったりします?
だと思いますが、個人的に一番興味を引いたのは
>ターン数を圧倒的に減らしたいですね。「あのさぁ」とだけ書く人は、どういう神経しているのだろうと。
ですね。スタッフ方面の意図が予想通りであれば、記事内容は意図に反して、コミュニケーション能力はIQに支配される解釈になるので、「あのさぁ」とだけ書くようなタイプの方は、低いIQを意味してしまいますし、筋力や持久力等と同じで即効性のある鍛え方は出来ないし、劣化もする事も示しているので、かなり絶望的な事を言っているんですけどね。いつものスタッフ方面らしい(詰めが甘い)と思っています。w
※本当は私、IQはただのテスト結果と思っています。知性の方向は人によって異なるので、単一の能力だけで人を計るのは明確に間違いと考えます。
面白い記事でした!
「IQに差がある人とは話が合わない」
ではなく、今回のインタビューから
「話が合わない人とは付き合わない」
と言う事が
「LINEも既読だけつけて、何が書いてあるのか読まないことも多いです。」
「直接の連絡先を教えるのではなく、知り合いを経由して、連絡してもらっています。」
という文章から伺えます。
コミュニケーションを取る際必要がある時は、理解しようとする姿勢は見せるものの、打算や感情で付き合う相手は選ぶようです(ある意味とても人間らしい)。
以上の事から、IQが高い人とは話が合わないのではなく
話しをしてもらえない(人も多い)という結果となりました。
※IQの高い人全員が同じ結果ではありません。
まとめるとこうかな?
あのさぁw
超面白かった。
もしも…
IQが高い『女性』とは話が合わない? 高IQ集団「MENSA」の『美女』と話してみた
であれば、皆の食い付きが違ったかも(笑)
ここ微妙なコメントが多いので想像してみました。
前の職場は頭の良い人がまあまあ居て(私は頭良く無いです)、1言えば10わかる人と仕事すると、
「すっごいなあ。どんな頭してるんだ」
とよく感心していました。
頭の回転の速さは単にCPUのクロック数が高い感じなんでしょうか。一時メモリ容量も多いのか。ただそれだけでも無いような。
ところで私もブラインドが裏返っているなあとか、そういう規則性の一部外れた風景が気になるんですが(笑)。IQは別に高く無いです。