音楽ライターの磯部涼による新刊『ルポ 川崎』(サイゾー)は、ラッパーやダンサー、スケーターなどストリートに生きる人々を取材し、川崎(神奈川県川崎市川崎区)という街を浮かび上がらせた一冊。帯の「ここは、地獄か?」という一文そのままに、中学生による殺人事件が起こり、不良たちが暴れ、在日外国人や日雇い労働者たちが暮らすこの特殊な街の不穏さをハードボイルドな筆致で浮かび上がらせている。
そして、雑誌『月刊サイゾー』での連載当初から、独特の青みがかった色調で川崎を撮影し、磯部とともにこの街の実像に迫ってきたのが写真家・細倉真弓。磯部のルポに合わせ、細倉の写真もまた『写真集 川崎』(サイゾー)として出版されている。言葉ではなく、カメラによって川崎を描き出してきた細倉の目に、いったいこの街はどのように映ったのだろうか?