少しの出費で仕事がグンとはかどるようになる、そんなデジタルガジェットやデバイスとの出会いを切望するビジネスパーソンは多いことだろう。ちょうど買い替えのタイミングでそうした製品に巡り合えれば、予算もさほど無理をすることなく、導入メリットを最大限に享受できる。
今回は筆者が2017年に使ってみた製品の中から、ビジネスユースでも即戦力となり得る、「個人で購入できて仕事がはかどるデジタル製品」のベスト5を選んでみた。
原則として、同一カテゴリーの中で複数の製品を使い比べ、おすすめであると判断できた製品をチョイスしているので、仕事の効率を高めてくれる一品との出会いに役立てていただけると幸いだ。
単体で動作するプロダクトではないが、出張や遠征に伴う筆者の作業環境を激変させたという点で、FINsixの「Dart」は、2017年購入したデジタル製品の中で特筆すべき製品だ。これは、さまざまなノートPCと組み合わせて使える汎用(はんよう)の超小型ACアダプターで、わずか約85gという軽さが大きな特徴だ。
ノートPCは、本体の重量がどれだけ軽くても、ACアダプターがそこそこの重量があるために、結果的に持ち歩く荷物が重く、体積も増えることがしばしばだ。最近はACアダプターが小型軽量であることを売りにするメーカーも見かけるが、それでもまだ300g程度の重量はあるのがザラだ。
このDartであれば、重量はスマートフォンより軽い約85g、また体積も4分の1以下とあって、荷物の軽量化および削減に多大な効果を発揮する。純正のノートPCのACアダプターに比べるとケーブルが柔らかく、そうした意味でも荷物をコンパクトにまとめられる。スマホなどの充電に使えるUSBポートが付属するのも利点だ。
製品には9種類の電源ジャックが付属しており、利用するノートPCに合わせて付け替えて利用できる。パナソニックなど一部メーカーの製品には対応しないので、購入にあたって対応機種のチェックは欠かせないが、ノートPC本体を買い替えても継続して使える可能性が高いのは、メリットといっていいだろう。
価格は1万1100円前後(税別)と高価だが、わざわざノートPCを買い替えなくとも荷物の量と重さを劇的に改善してくれる逸品であり、毎日ノートPCとACアダプターをバックに入れて行動しているユーザーには十分価格に見合う。年内にはUSB Type-Cに採用したモデルも投入予定で、2018年はそちらにも期待だ。
タブレットのベストバイに挙げられるのは「10.5インチiPad Pro」だ。画面サイズが大きくなったことを除けば、従来の「9.7インチiPad Pro」からそれほど劇的な変化はなく、本製品ならではの特徴を挙げるのは難しいのだが、これに慣れた後で9.7インチの画面を見ると恐ろしく小さく感じるなど、「小さなボディーに大きな画面」というトレンドを的確に押さえたモデルだ。
ディスプレイサイズが10型前後の現行モデルとしては第5世代の「iPad」という選択肢もあるが、この10.5インチiPad ProはApple Pencilが使えることに加え、画面を横向きにしたときにスピーカーが左右に配置されるなど、クリエイティブな作業から動画の再生に至るまで、幅広く対応できるのが利点だ。
もっとも筆者の場合、外出先に持ち出して打ち合わせのメモを取る用途以外では、もっぱら動画再生用のデバイスという位置付けなのだが、ハードウェアのスペックが高いため、あらゆる作業がストレスなく行えるのは特筆すべきだ。
具体的には、NASに置いた動画のストリーミング再生や、それらのスキップ、さらに再生速度を1.5倍程度まで上げての高速再生などがそれだ。多くのタブレットは、動画配信サービスは問題なく利用できても、これら特殊な再生には実質使えないことがほとんどなので、それらに支障なく対応できる本製品は貴重だ。個人的には同様のコンセプトを備えた「iPad mini」シリーズの後継モデルの登場にも期待したい。
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