米政府、北朝鮮のミサイル開発高官2人に独自制裁 金氏側近
米財務省は26日、核・ミサイルの開発を主導したとして、北朝鮮高官2人への制裁を発表した。財務省は、朝鮮労働党軍需工業部の金正植(キム・ジョンシク)副部長と李炳哲(リ・ビョンチョル)第一副部長が北朝鮮の弾道ミサイル開発の「主要リーダー」だと名指しし、2人の米国内取引を禁止し、米国内に資産があるならばそれを凍結すると説明した。
国連安全保障理事会は22日、11月28日の弾道ミサイル「火星15」発射実験を受けて、北朝鮮に新たな制裁を発表。「火星15」はこれまでで最高高度に達し、通常の高さで発射すれば米国本土のどこでも到達可能だと北朝鮮は主張した。
北朝鮮は安保理の追加制裁について、完全な経済封鎖で「戦争行為」に相当すると反発した。
安保理制裁決議が名指しした北朝鮮の政府関係者16人の中に、金正植氏と李炳哲氏も含まれていた。両名とも、ミサイル発射実験の現場写真で最高指導者・金正恩氏と一緒に写っていることが多い。
ロイター通信によると、李炳哲氏はロシアで教育を受けた元空軍将軍で、金正植氏はロケット工学のベテラン研究者だという。国防科学院の張昌河(チャン・チャンハ)院長と共に、金正恩氏に直接選任され、信頼も厚いとされる。
国連安保理による22日の新制裁は、禁輸品の海上輸送監視強化などのほか、以下の内容が含まれた。
- 石油精製品の北朝鮮への年間供給上限を50万バレル
- 原油供給の年間供給上限は400万バレル
- 北朝鮮の重要な外貨獲得手段となっている海外労働者全員を24カ月以内に送還
- 機械や電気機器、土石類、木材、船舶などを禁輸対象に追加
北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は、「国の核戦力完成という歴史的偉業を達成した我が国に、完全に震え上がった米国は、ますます必死になってかつてない制裁と圧力を我が国に課すためじたばたしている」と反発している。