昨日、教員でもあるゆたろうさんのこ子から始まる一連のツイート群がたくさんの方にRTされ、まとめ師cookさんにより早速丁寧なまとめが作られていました。
まとめはこちら。
さて、機会があったらこれをお話ししたいな〜と思っていた矢先のこと。
夕方三男と次男を留守番させている間にケンカが起こっていたとわかり、そのお話をする中でこの「強いきまりと弱いきまり」のことを子どもたちに話すことになりました。対象は小1三男、小4長女、小6次男の3人です。
まず「強いきまりと弱いきまり」は何かを考えてみよう
白い紙を用意して、紙に「強いきまり」「弱いきまり」と書き、それぞれが箇条書きにできるよう表の形を作りました。
「学校で色々なきまりがあるよね?その中には『強いきまり』と『弱いきまり』があります。じゃあ、君らが知っているきまりを挙げてごらん、表を埋めてみよう」
と、強いと弱いの違いを話す前に例を挙げていくことを提案しました。
お話をし始めた時点で手にひものようなものを持っていじっている次男を見て娘が「手遊びをしない」と言いました。
「それは『弱いきまり』の方ね」と弱いきまりの欄に書き込みます。
なかなか出てこないので私が「けしごむをなめないとかも弱い方」と持ち出すと「え〜〜〜いや〜〜」と言いながら「あ、じゃあ鉛筆を噛んじゃだめなのは?」と三男。
「それも弱い方」
こんな感じで、子どもたちから色々と具体例が出てきますがどれも「弱いきまり」の方ばかり。
面白いなぁと思っていたところで娘が「なるべくふわふわことばを使う」と学校でよく言われているきまりを挙げました。
それに連動して「チクチクことばを使わない」と出ました。
初めての「強いきまり」の方です。
この辺りで子どもたちが「強いきまり」と「弱いきまり」の違いについてなんだろうと考え始めます。
ティッシュとハンカチを持っていくとか、授業中姿勢よく座るとか、歯磨きをするとか、考えても考えても弱い方ばかりが出てきます。(自分たちがいつも注意されていることだからでしょうか)
やっと出てきた「強いきまり」
娘が「こそこそ話をしない、は?」と持ち出しました。
娘が学校でやられて悩んでいることでもあります。
「うん、それは娘ちゃんが傷ついているから『強いきまり』の方だね」
それを横でゲームしながら聴いていた長男が
「先生を殴らない」とボソッと呟きました。
下の3人が「そんなのあたり前だよ〜〜」と笑います。
私「うん、それも『強いきまり』」
子どもたち「え〜〜〜!」
「人をきずつけないこと!」と最初に言ったのは確か次男で、そこから芋づる式に「暴力をふるわない、たたかない、けらない」「ガラスをわらない」「暴言を吐かない」…と続きました。
「強いきまり」と「弱いきまり」の違い
どんどん出てき始めたのだけど一旦ここで止めて、それぞれの違いを説明します。
強いきまりは『人やものや自分の体や心を傷つけること』で、みんなが守らないといけないこと、危ないこと、だから大人は注意するし、君らも見かけたら大人にすぐに知らせてほしいこと
弱いきまりは「誰も傷つけない」けど、守ったほうがかっこいいこと、守れるようにがんばったら自分が輝くこと
と説明しました。
ちょうどその時、次男と三男は姿勢悪く座り手遊びをしていて、娘は姿勢よく座っていたのでその対比を説明したら、男子2人がさっと姿勢を正して「かっこいい??」とキラキラした目で。
うん、そうだね、姿勢が悪くても誰も困らないけど、姿勢よくがんばってるほうがかっこいいね、と話しました。
三男からの質問
三男から、給食を残す子のことで質問が出ました。
好き嫌いがたくさんで嫌いなおかずを全然食べずに残しているのに、完食した子がもらえるごほうびのおにぎり(残ったご飯で先生が握ってくれる)をもらってるんだけどそれはいいの?というもの。
「給食をなるべく残さないように食べるのは?」と聞くと「弱いきまり」と答える三男。
うん、その子は今、できるようになる前でがんばってるところじゃないのかな、と話すと「先生もそう言ってた」と三男。
そうか、三男くんはおにぎり欲しいからがんばって給食食べてるんだねと言うとそうなんだよ〜〜と嬉しそう。結局そこなんだろうなぁ…
三男のクラスにいる落ち着いて座るのが難しい子も、好き嫌いが多い子も、おしゃべりが止まらない子も、みんながんばってる途中だと思うよ。三男もみんなより下手くそなこともあるでしょ?それは「まだがんばってる途中のこと」じゃない?と話すと、うん、と納得してくれました。
締めのところで意外な質問が
まとめの中にもあったRAVENさんのお掃除当番のお話をチラッとして(これは三男にはちょっと難しかったようだけど)さあ終わろうかという時に次男から質問が出ました。
「弱いきまりに入っていることで傷つく人がいたら?」
これは私も目からウロコ、確かにそうです。
例えば、「鉛筆を噛まない」は弱いきまりだけど、それは自分の鉛筆を噛んだ時の話で、これがお隣の友達のを噛んでいたら…「え〜〜〜いや〜〜」「最悪〜〜〜」と子どもたち。
「お話を聞く」というのも授業の中だと自分しか困らないかもしれないけど一対一で大事なお話をしてる時に態度悪く聞かなかったら相手は傷つくかもしれない、そんなふうに、同じ行動でも相手を傷つけてしまうかどうかは確かに変わってくるね、相手がどう感じるかどうかを考えることは大事だね、と話しました。
後からゆっくり考えたこと、総括
この、最後の疑問が子どもの側から出てきたのは大きいなあと感じています。
「厳密なやってはいけないことではないけれど相手が嫌がるとわかっていること(例えば真似をしてからかうとか)」を利用するケースはうちの子たちの行動の中にもあるし、いじめの一環として行われることもあるもの。
行動そのものが判断基準ではなくて、相手の気持ちや心の状態を考えることが大事だということを改めて話す機会になりました。
子どもたちから「弱いきまり」ばかりが出てきていたのはなんでだろう、と振り返ったのですが「強いきまり」に入っているのは守ることが当たり前すぎていちいち細かく言われているわけではないからかもしれません。(それでも守れてるわけじゃないんですが)
「弱いきまり」の方でも、日頃比較的生活態度が良い娘はほとんどの項目について「え、それ当たり前じゃん」と反応していました。
「弱いきまり」のことを説明する中で、ゆたろうさんの書かれていた
「できない日もあると思う。できないときは励ましあったらいい」
という部分についてはうまく説明に盛り込めなかったので今後どうやって伝えていくかな〜と考えています。
三男のおにぎりの話のように、相手の行動についてズルさを感じてしまう根っこにあるのはやっぱり自分のがんばりが認められているかどうかなのかなと。
ゆたろうさんもツイートの中で何度も「みんな頑張ってるんだよと声をかける」と書かれていたけれど、子ども同士で頑張りが見えなくても周りの大人がそれを言葉にしてあげること、そして「頑張れない日だってあるよね」ってそこも認めてあげることって大事なんだろうなぁと改めて感じました。
大人だって毎日マックスで頑張れるわけじゃない。
子どもたちが学校で一生懸命頑張っているってことを、改めて考えてサポートしてあげられたらなぁと考えるきっかけにもなりました。