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ようやく発売されたノキアのウェアラブルデバイス「Steel HR」に満足

 フランスのWithingsをノキアが買収したのは2016年のこと。その後腕時計型のアクティビティートラッカー「Steel」や体重計など、Withingsブランドの製品が次々とノキアブランドに変わり販売されている。日本のスマートフォン市場から撤退して久しいノキアも、今では家電量販店のウェアラブルやスマートヘルスコーナーにその製品を見かけることができる。

ノキアのSteel HR

 ところがSteelの上位モデルであり、円形のデジタルディスプレイを文字盤に搭載する「Steel HR」はなかなか発売されなかった。Withings時代に一度発売になったものの、ノキアブランドに変更するに際し材質変更などが行われ、より耐久性の高い製品として登場するのに時間がかかってしまったのだ。2017年秋には登場予定が、11月にヨーロッパ、そして12月に日本とギリギリ年内に発売された。

 これまで筆者はサムスンのスマートウォッチ「Gear 2」を3年間使い続けているが、スマートウォッチへというよりも内蔵カメラを使うことが主だった。そのためスマートウォッチのアプリを使うこともほとんど無く、アクティビティートラッカーに特化しているSteel HRへの乗り換えで困ることは無かった。

 実はSteelがノキアブランドになった時に買おうと考えたが、やはり最低限のスマートフォンとの連携、つまり着信の通知くらいは欲しいと思っていた。そのためSteel HRの発売を気長に待っていたのだ。利用開始してから現時点で1週間以上たっているが、思ったよりも使いやすく満足している。

 まず外観はアナログ式の腕時計そのものなので、どのような服装にも合うように思う。文字盤にあるアナログの小さい時計は1日の運動目標に対し、成果をパーセントで表してくれる。これが意外と使い物になるのだ。筆者は1日1万歩を設定しているが、文字盤をちらっと見るだけで「まだ3割程度しか動いていないのか」とか「まだ17時なのにもう90%も歩いたか」など、文字盤の針を見ただけでその日の自分の運動量がなんとなくイメージできるのだ。

 スマートフォンアプリは歩数や睡眠時間の記録ができ、これは他社の製品とあまり変わらないところだろう。もう少しグラフィカルに表示をしてくれるとわかりやすいのだが、特に運動やダイエットをしているわけでもないので前日の睡眠状態が分かれば十分。自分にとって必要のない機能は無くていいと割り切るべきだ。

 さて、電池寿命は約25日と言うことで、フル充電から使い始めて現在でまだ50%以上電池が残っている。そのため寝ている時も点けっぱなしで、朝の洗顔時に念のためはずす以外は、ほぼ腕にはめたままだ。以前からスマートウォッチを使っていたとはいえ、夜中ははずしていたので1日中装着するのは学生時代に腕時計をしていたころ以来になる。しかし、ベルトの素材が良くできているようで、汗で不快になることも無く手首にはめていることが全く気にならない。このあたりはWithings時代から長年腕時計デバイスを作り続けているだけあって、表面処理や素材選択のノウハウを持っているのだろう。

ベルトの装着感がよく、腕にはめっぱなしで使っている
充電は約1カ月おきとなる。専用充電台が付属

 不満点といえばディスプレイの表示フォントがあまり美しくないなど、細かい点はいろいろあるかもしれない。また、できればスマートフォンからの通知がもう少しできるようになってほしいところ。しかし、ノキアマニアの筆者だけに、「NOKIA」のロゴの入った腕時計をはめているだけでも実は十分満足なのである。

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