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若手クリエイター、スタンプ制作で稼ぐ 知的財産の扱いが課題
【12月26日 CNS】SNSが生活に欠かせない現代中国で、スタンプはチャットに必須の「神器」となりつつある。
24歳の鐘超能(Zhong Chaoneng)さんが制作した、白くて丸っこいキャラクターのウィーチャット(WeChat)スタンプ「乖巧宝宝(訳:お利口さん)」が突如ヒットし、この2年間で「乖巧シリーズ」は1億5000万回ダウンロードされ、収入は50万元(約862万円)を超えた。
鐘さんは小さい頃から絵を描くことが好きで、大学では動画デザインを専攻、卒業後も動画業界に就職した。「同級生のほとんどはグラフィックデザインや広告関係の仕事をしていて、動画業界に就職した人は少ない」という。しかし鐘さんは先日、動画会社を退職した。今後はスタンプ制作チームを作る予定だという。
ウィーチャットのスタンプチームによると、「乖巧宝宝」のようなシリーズ作品は約2万1000セット存在するという。スタンプが有名になれば影響力を持ち、知的財産(IP)として価値が出る。2006年に中国の女子大生が制作したウサギのキャラクター「Tuzki」はモトローラ(Motorola)に採用され、16年には米ターナー・ネットワーク・テレビジョン(Turner Network Television、TNT)とテンセント(Tencent)が、共同でTuzkiを主人公としたアニメーション映画を制作すると発表した。
日本のチャットツールLINEのキャラクターのように、ゲームやアニメーションになり、関連グッズが生まれるなど、収入につながるようになれば巨大ビジネスに化ける可能性も秘めている。だが、中国では知的財産についての認識と、スタンプという新たな業界への理解が欠けており、スタンプを知的財産とし、ビジネスにつなげることを実現させるのはまだ難しいという。(c)CNS/JCM/AFPBB News
※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。