1年も終わりに差し掛かり、2017年アニメもおさらいの次期になりました。昨年に引き続き、今年も「新米小僧の見習日記」さんの記事を参考にしながら、10話を選んで生きましょう。
ルール
・2017年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。・冬→春→夏→秋アニメの順番で書く
目次
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私が選んだ10本はこちら
けものフレンズ 第6話「へいげん」
けものフレンズは3話の空間の使い方の美麗さ、金田朋子ワールドの絶妙さなど抜群の話がありますが、個人的に大好きなのが6話です。「けものはいてものけものはいない」という世界観の中城があり戦があるという異色の話ではありますが、その戦のガチさをふうせんチャンバラによりマイルド化したストーリーの独特性と、その中でのライオンとヘラジカのガチの大将戦のそれっぽい動きがツボでした。
以前にアンケートを取った際には意外とウケのよかった6話。ハシビロコウさんが出てきたから、という理由も考えられるのですが、6話は全体的にフレンズ界の中でも異色極まりない感じがしるところが個人的な評価ポイントでした。
リトルウィッチアカデミア 第18話「空中大戦争スタンシップ」
コンスタンツェのメイン回。魔法という世界の中でメカ要素をつめこみ、この作品の全体的な雰囲気とは全然違う、熱量と熱血漢を感じさせる話でした。全体の世界感を崩さないようにはしているものの、その中でアッコのバカっぷりとノリノリのコンスのテンションがぎっちぎちに乗っかった話でした。作風、世界感からも「これはTRIGGERじゃないと出せないよなぁ」と思ってしまう話の作り方というところにも作品愛を感じたところです。
個人的にはクロワ先生とコンスの組み合わせで現代魔法と機構のコラボなんて見たかったなぁとか思っていた部分があったので作品全体を通して物足りない部分はあっただけに、この話への思い入れは相当強かったです。
僕のヒーローアカデミア 第22話「爆豪VS麗日」
雄英体育祭本戦の中では、この次の23話「轟焦凍:オリジン」のほうが取り上げられることが多いんだろうなぁと思いつつも、私はその前話のこちらを取り上げます。
ヒロアカは主人公以外の話が結構好きなのもありますが、雄英体育祭の戦闘としては意地と意地とのぶつかり合いというシンプルな戦闘の23話より、爆豪との実力差を理解しながらも、周りの影響により知恵と賢さを手に入れたお茶子と、自分のポリシーを一切曲げず誰に対しても全力で叩きに行った爆豪との戦闘シーンにぐっときたわけです。
この試合、戦闘としての視点が上下左右へ色々な方向へ振られるところがポイントなのですが、アニメとしてその視野移動がわかりやすく、楽しく描写されているところが原作ファンとしては何とも嬉しい感じでした。
鬼平 第三話「暗剣白梅香」
鬼平犯科帳のあの独特で昭和な感じの時代劇を、アニメという形で再構築し、現時代に適応するようにきっちり作られた作品がこの鬼平。時代劇の1時間の尺を30分に再構成しその中で各話の中で殺陣のシーンをリアリティを絶妙に崩さないところがこの作品全体としていいところでした。やっぱり時代劇専門チャンネルが一枚噛んでるだけのことはあるなぁと。この作品は今年のアニメの中でも本当にいい出来なのですが、話題に上げている人が圧倒的に少なすぎて悲しい限りです。
で、個人的に好きだったのが3話の暗剣白梅香。どの話も原作とは改変を加えているのですが、その中で勧善懲悪の感じがせず、モヤモヤの残るドラマを見ているようでした。この感覚は次に出てくるプリプリ7話と割と似通った終わり方ではありますが、ストーリー性の違いだけでこんなに違った表情を見せるんだなぁと思ったわけです。
プリンセス・プリンシパル 第7話「case18 Rouge Morgue」
アニメ放送時では6話放送でしたが、公式HPでは7話になっていたので表記上はこちらにしておきます。
この作品は最終回後に放送された「アンジュ レポート」のあの一通りの流れをおさらいする感じとかも好きなのですが、プリンセスとアンジュ以外にメインフォーカスが当たっている回の中で、この世界感の鬱蒼とした部分やその中で垣間見える明るさ、そしてすっと差し込んだ光が束の間のもので叶わぬものだという哀愁をただただ感じさせるぐっと重い話でした。
何よりドロシーの父との過去、そして決別の回想部分、その中で地底で会った二人への切っても切れない捻れた親子関係には何とも切なさを感じます。
親子関係を描いた話として第5話「case7 Bullet & Blade's Ballad」ともだいぶ迷った(1作品で上限1話なので)のですが、5話のメインは空中描写と殺陣のシーンであり、別作品で鬼平を選んだのでこちらを外そうかなぁという感じだったりします。
賭ケグルイ 第3話「糸目の女」
賭ケグルイと言えばMAPPAの地力のあるギャンブル描写と原作以上の顔芸という作画の力強さを感じる作品でした。原作の内容を少しばかり展開に合わせているとは言え、内容にも申し分ない面白さであっという間に1クールが終わってしまったことを覚えています。
何よりこの作品では、夢子役の早見沙織さんの「いつもの早見沙織じゃない」演じ方が見られて良かったと思っています。何というか、彼女が演じるものは全て同じフラットな感じになってしまっていたのですが(個人的に残念な例が「覆面系ノイズ」)、この作品ではそんな彼女のリミッターなり何なりが一切合切ない感じを抱いたというところが何よりいいところでした。ここ数年で一番好きです。
で、そんな賭ケグルイの中で夢子の狂気じみたギャンブル捌きを感じられた3話をチョイスしました。何よりこの話では百合子の表情が般若に例えられた変化のしようといい、部員によるイカサマ前提の部分における各人の表情の歪み方といい、結局最後に夢子が負けてしまった時のコロっとした感じまで含めてこの作品の湾曲した何かを感じさせられたやつです。
ゲーマーズ! DAY6「ゲーマーズと全滅ゲームオーバー」
この1年の作品の中で単話の脚本として、個人的にはトップだったのがこの話だったように思えます。
ゲーマーズ!自体を取り上げると、(原作未読で作品タイトルだけで期待した内容とは)なかなか厳しいところがあったり、「結局ハーレムもの、というかゲームをダシにした学園ものか」などと少し苦しい作品だったのですが、この6話だけは前の話からの展開を抜きにしても、この話単体の結末への持っていきかたは本当に熱量のあるものになっていました。これだからアニメはやめられない、って思った話です。
話としてはよくあるラノベの人間関係の拗れを多人数視点で描き、最終的に主人公がヒロインに告白してOKされてズコーってだけのストーリーだったりするのですが、ただそれだけの話が面白い。構成も声優さんの頑張りも視点変換によるアニメの描き方も素敵だったやつでした。
セントールの悩み 第9話「世間で偉人って言われている人の人生って。」
セントールの悩みを見ていて本当に疑問だったのがこの9話。原作未読だったのでこの話がどのようにマンガで展開されていたのかが少し不思議だったところはありますが、他の話とは作風もタッチも違っていて、この時間だけ違う作品を見ているような気持ちになりました。
ただこの話にはセントールの悩み全体に影響する、世界観のバックグラウンドをひとりの史実として語らえているところに不思議さを感じつつも、普段のセントールの悩みはどこへ行ったんだというインパクトの強さと謎の説得力に押し切られた話でした。
メインドインアビス 第9話「大断層」
メイドインアビスはこの後の10話が本当に評判のよく、特にリコが苦しむシーンにおける富田さんの演技力の高さと作品本来のグロさがよく出ていて「・・・・・・100点!」と言いたくなるものでした。
そこで敢えて9話を選らんだ理由ですが、私がこの作品の好きなところとして、リコとナナチがふたり力を合わせて冒険を進めていく、その過程と苦労だけで1話終えるもののほうが好きだからです。その感じがよく出ていたのが4話の「アビスの淵」、そして今回選んだ9話の「大断層」です。
特に9話の大断層では、基本的に下へ下へ突き進むという単純そうでアニメとして奥行きや動きを出しづらい話だろうと思っていたのですが、縦へ横へ、そして下へは転がり進み、呪いを理解した上で上へも進み……と三次元方向での動きが何より一番多く、冒険心を駆り立てせる話でした。他の話のように「広い空間」を活かした話ではなかったのは確かですが、その前のシーカーキャンプで彼女達が得た知識と経験を理解しながら冒険を進めていく、そんなところにこの作品のよさ、雰囲気が出ていたと感じています。
少女終末旅行 第1話「「星空」「戦争」」
作品が始まってまず真っ暗でスタートするというアニメとしての胆の据わり方はここ最近の作画がうんぬんとかなんだって作品にはないモノを感じました。全体的に情報量の少ない部分と多い部分とを噛み締めながら楽しむ、ゆるく楽しいアニメ。その中でもインパクトの強かった1話をピックアップしました。
この作品でシカコさんの評価が個人的にはだだ上がりでした。あのフラットな感じの演技はなかなか好き。
本当であれば、異世界スマホのナツコ節とかけものフレンズの上位互換であるにゃんこデイズの話とかも話題に取り上げるべきかと思ったのですが、今回はマジメに10個選びました。狂気じみた10選はにゃるら先生あたりにおまかせして、わりと定番どころからちょっと変化球くらいの作品選びにしておきました。