“赤の絶景”といえば何を思い浮かべるでしょう。真っ赤な夕焼け?それとも京都の紅葉?ひたちなかのコキアや巾着田の曼殊沙華など、いろいろあります。いずれも日本が誇る絶景ですが、それらをはるかに上回るスケールの真紅の世界が中国にあることをご存知ですか?
今回ご紹介する「紅海灘風景区」は、秋のわずかな期間にしか見られない貴重な赤の絶景。秋は海外で紅葉を楽しむっていうのもありですよ。
大地が燃える!奇跡のレッドビーチ「紅海灘風景区」
一面真っ赤に覆われた大地――通称「レッドビーチ」と称される「紅海灘風景区」は、中国人にとってはおなじみの国内観光名所。この地が真っ赤に紅葉するシーズンは、連日大勢の観光客が詰めかけます。
場所は中国東北部、遼寧省に属する遼東半島西部の盤錦市。遼河デルタと呼ばれる三角州の一角に位置しています。湿地総面積は世界最大規模を誇る100平方km超を有し、東京ドーム約2,000個分と聞いたらその途方もない広さに驚くことでしょう。
真っ赤に燃えるシーズンはわずか1か月間!その赤さの理由とは?
紅海灘風景区が一面真紅の絨毯となり、もっとも赤が濃くなるベストシーズンは9月中旬から10月上旬のわずか1か月弱の間だけ。10月半ばを過ぎると赤みがくすみはじめ、迫力が半減してきます。せっかく訪れるなら最高の絶景をねらいたいですね!
大地を真っ赤に染めるその正体は「マツナ」という葦の一種で、海岸の砂地に生息する塩湿地植物です。春には淡い赤に、夏には紫に変わり、秋の9月に入ると一気に紅葉を迎え、一面を真紅に染めていきます。
丹頂鶴が飛来する姿は圧巻!
ここ紅海灘風景区は、丹頂鶴が飛来するその最南限の地としても知られ、風景区内には丹頂鶴の保護区も存在します。時折丹頂鶴が紅海灘へ飛来してくるのですが、赤い大地の上を優雅に飛翔する白い姿は、まさに絵画のような息を呑むような絶景です。
お楽しみはレッドビーチだけじゃない!
風景区内には、近年日本でもおなじみの稲田アートが存在します。風景区の入口から出口を貫く約18㎞の幹線道路を挟んで、一方に中国故事などにちなんだ黄金色の稲田アート、もう一方には真っ赤に染まるレッドビーチと一度で二度楽しめます。
紅海灘風景区のある盤錦市の名物の一つがカニ。風景区内の遊歩道でも、カニ釣りを楽しむ中国人観光客をよく見かけます。盤錦ガニは、リーズナブルでありながらその味は上海蟹にも匹敵すると言われ、この風景区内でも気軽に屋台などで食べることができますよ。
紅海灘風景区内には、全部で5つの鑑賞ポイントが用意されています。それぞれ立派な遊歩道が渡されていますが、特に注目なのが第4、5鑑賞ポイント。その近くには遊び心満載のハート形の“愛の橋”が設置され、SNS映えする撮影スポットとして人気です。
紅海灘風景区へのアクセス
紅海灘風景区のある盤錦市へのアクセスは、省都である瀋陽からと大連からの2つのルートが一般的。いずれにしても、中国高速鉄道を使えば1時間半程度の距離です。紅海灘風景区の前後、どこで何を観光したいかによって入出国ルートを選ぶと良いでしょう。
なお、盤錦市から風景区までは公共バスも出ていますが、本数が少なく日本人にはハードルが高いため、タクシー移動をおすすめします。もちろん日本からのツアーもありますので、予算に応じて個人で行くかツアーで行くかをご検討ください。
是非、赤の絶景を海外で楽しもう!
紅海灘風景区のある盤錦市は、緯度的に青森県の辺りに位置します。つまり、日光や京都などが紅葉に色づく前に紅海灘ではベストシーズンを迎えます。
拠点となる瀋陽・大連は、共に日本からも直行便が出ており、片道3時間程度と週末旅行には絶好の距離。是非、日本の風情ある紅葉を堪能する前に、一度、紅海灘の圧倒的な真紅の絶景を堪能してみてはいかがでしょうか。
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