2017.12.26 Tue posted at 17:51 JST
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)の国立衛生統計センター(NCHS)はこのほど、2016年の米国人の平均寿命が78.6歳で、前年より0.1歳短くなったとの調査結果を発表した。
平均寿命が前年を下回ったのは15年に続いて2年目。2年連続の短縮は1962~63年以来、50年以上起きていなかった。
NCHSの死亡統計部門の責任者は、2年間のデータだけでは米国人の寿命が全体として短縮傾向にあるとは言い切れないとしたうえで、懸念材料であることは確かだと指摘。特に、鎮痛剤として処方される「オピオイド」を中心とした薬物の過剰摂取による中毒死が心配だと語った。
今年のデータは今のところ、年初からのほぼ半分が明らかになっているが、薬物関連の死亡は増え続けていることがうかがえるという。結果として平均寿命が3年連続の短縮を記録すれば、100年前にスペインかぜが流行した時以来の現象となる。
NCHSの報告書によると、昨年の米国人の寿命は男性が76.1歳、女性が81.1歳だった。死因で特に多いのは心疾患とがんで変わらず、これに上位10位までのうち慢性の下部呼吸器疾患、脳卒中、糖尿病、インフルエンザと肺炎、腎臓疾患を加えた計7項目は死亡率が下がっていた。上昇したのは不慮の事故とアルツハイマー病、自殺の3項目だ。
不慮の事故に含まれる薬物の過剰摂取では、昨年1年間に6万3600人が死亡した。
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