こんにちは、ライターのみやけです。
冬といえば、鍋ですよね!
熱々の鍋をみんなで囲んでハフハフ、そこにお酒をきゅっと。考えただけで幸せです。具材も味付けも無限大。毎日食べたい。
まさかのセリが主役を張る「せり鍋」
ところで皆さま、「せり鍋」って知ってますか?
名前の通りセリが入った鍋なのですが、具材は基本的にセリと鶏肉(または鴨肉)のみといたってシンプル、しかもセリがメインのお鍋です。どちらかというとマイナー野菜のセリが主役を張っているのです。
セリの旬は冬。セリの名産地・宮城県ではせり鍋が郷土料理としてよく食べられています。同じく東北出身の私(山形)は、よく醤油ベースのお雑煮に入れて食べていました。
春の七草でもあるセリ。でも七草粥でしか食べたことないかな〜って方にまず伝えたいこと。それは……
「セリは根っこが美味しい!!!」
この事実はぜひ知ってほしいのです。決して、捨てて良い部位ではないのです!
そして、せり鍋はそんな「セリの根っこががっつり入っていて、セリの美味しさを存分に味わえる」うってつけの料理らしい……!
都内でせり鍋を食べられるお店はかなり貴重で、私自身も実はせり鍋を食べるのは初めて。日比谷に期間限定で出しているお店があると聞きつけ、早速行ってきました!
仙台グルメが食べられるお店「三代目 文治」へ
やってきたのは、日比谷にある「塩釜おでんと仙台牛たん 三代目文治 日比谷本店」。宮城県・仙台のご当地メニューや地酒を楽しめるお店です。
お目当てのせり鍋!に行きたいのをぐっとこらえつつ、まずはいろいろ頼んでみましょう。
お通しはささかまと自然薯!仙台といえばささかまですよね。
ねっとりした自然薯はわさび醤油で。ささかまには大葉とチーズが挟んであり、ちょこっと明太子が添えられています。お通しだけでお酒グビグビいけそうです。
じっくり時間をかけて煮込まれた「ゆでたん」(1枚480円)。
柔らかくなっていて、さっくりと噛み切れます。何よりこのスープが美味しい。塩気も絶妙、このスープをご飯にぶっかけたい……!
炭火焼 仙台牛たん(1,450円)がきました。この定番の白菜のお漬物と南蛮味噌はやっぱり必須。
先ほどのゆでたんとはガラッと変わって、しっかりとした弾力があります。炭火での焼き加減も素晴らしい!味付けは甘めで、ご飯はもちろん日本酒とも合う。
本日のお供は阿部勘酒造(宮城県塩釜市)の阿部勘 柱焼酎仕込みというお酒。日本酒に焼酎を加える製法でつくられた、お燗専用のお酒なんだそう。お燗になっても後味がすっきりで美味しい。
大好きな南蛮味噌で早くもお酒が進んでしまいます。
「レバ刺あります」の文字がパッと目に入り、大丈夫なのか!?と思いきや、「海の」がついておりました。
海のレバ刺がこちら「モウカの星」こと、モウカザメのハツ刺です。鮮やか!
お醤油につけて食べると、貝のような海の香り。身はしっかりとしていて歯ごたえがあって、美味しい!
ですが、塩×ごま油で食べると本当にレバ刺しです。もちろん食感や見た目もレバ刺しっぽさはあるのですが、塩とごま油で食べるといっそうレバ刺し感が増します。塩とごま油、すごい調味料すぎない……!?
いうなれば、「歯ごたえのあるレバ刺し」感じでした。レバーのトロッとした感じが苦手な方はこちらを食べるとハマっちゃうんじゃないでしょうか。
シャッキシャキでさわやかな香り…せり鍋、すごくうまいぞ……!
どん!!鍋と一緒に、セリと鶏肉がこんもりとのったお皿が出てきました。
この大振りの鶏肉はあくまで脇役。せり鍋(1,480円)は11月〜4月の冬季限定での提供とのこと。とにかく全身全霊でセリをいただくしかない!
スープは醤油ベース。カツオの香りが立ち上ります。まずは鶏肉を入れます。
鶏肉に火が通ったら、セリの根っこをどーん!
60秒経ったら(ここ大事です)、
すかさず葉っぱ部分をどーん!さらに30秒待ちます!!
あっという間にできあがりです。
あんなに瑞々しかったセリが、あっという間にくたっとなりました。
いただきます。
シャッキシャキです。爽やかなセリの香り、歯ごたえ、甘めのツユ、もう全てが最っ高…!!
根っこは葉の部分に比べて、より細かな繊維質(?)という食感。このシャクシャクとした歯ごたえが本当にたまらないんです。
醤油・酒・砂糖というシンプルな田舎風の味付けがセリにものすごく合います。懐かしい味。
そこに熱燗を合わせると、ふわっと包んでくれて、でも後味がしつこく残りません。控えめにいっても最高。
二回目のセリ投入。
さっきより思い切って入れていきます。 セリのシャキシャキ感を味わうために、煮込みすぎはNG!
これでもかというくらいセリをたっぷり食べられるので、幸福度が半端ないです。ちなみに追いセリももちろん可能!
今まで生きてきた中で、こんなにセリを食べたことってないかも。こんなに幸せだったんだ…最高すぎる……。
締めは極上のスープでそばをいただく
あぁ、せり鍋おいしかった…満足……と、終わりにしてはいけません! 締めも鍋の楽しみのひとつ。
ひと通りせり鍋を楽しんだ後の鍋の中。鶏肉の脂が出て、煮詰まって味が濃くなった、かなり美味しいスープができあがっているのです。こんな美味しい液体を楽しまなくてどうする!
というわけで……
お蕎麦をいれて、そばすきをしてしまいましょう。
麺はすでに茹で上がっているので、
さっとスープの中をくぐらせて…
はい。もうこれは、言わずもがな最高ですよね。
ただのカツオだしのスープが、一気に高級店のとり南蛮そば風に。締めなのに、延々と食べ続けてしまいそうです。
おでんも絶対に食べておくべし!
牛たん、期間限定のせり鍋を紹介してきましたが、塩釜おでんもこのお店の名物。松島産の牡蠣と日高昆布で出汁をとったスープで炊いているそう。なんと贅沢な……!
こちらは仙台麩のおでん(380円)。噛むとじゅわっとスープが口の中に溢れます。至福。上にのった磯のりも、香りが立ってよく合います。
こちらはレタスのおでん(380円)。なんとバターがのっています!
和風のものなのに、バターをひとかけ落とすだけで、一気に洋風の味わい!レタスの食感もかなり絶妙で、個人的にめちゃくちゃ好きなやつでした。家でも真似したい。
トマトのおでん(580円)は店員さんオススメ。上にとろけるチーズがのっています。
ぱかっと四等分。酸味の強いトマトが出汁にすごく合う!スープまで飲み干したい一品でした。
デザートはやっぱり「ずんだ」
締めのデザートは、香ばしく焼いた角餅の上にずんだをのせた、ずんだ餅(480円)に、
黒蜜ゼリーがかかっただだ茶豆(ずんだ)アイス(480円)。しっかりとした甘さで、ほっとする味でした。締めくくりにぴったり。
ザ・幸せの味でした
せり鍋目当てにやってきましたが、せり鍋もその他の料理もぜんぶ美味しかった……!!そしてぜんぶがお酒に合うという……!
私が東北出身ということもあって、各料理・味付けの懐かしさに感涙しつつ……おでんの変わりダネや、ちょっとした工夫も垣間みえて、食べていて楽しいお店でした。
お店がかなりの仙台推しで、その他の料理も気になるものばかり。とても紹介しきれないくらい魅力がたっぷり。仙台ラバーはぜひ行ってみてください。
まずはこの冬、ぜひせり鍋に挑戦してはいかがでしょうか?
そして「セリは根っこが美味しい!」をともに語り合いましょう。
紹介したお店
三代目文治 日比谷本店
住所:東京都千代田区有楽町1-6-3 日比谷頴川ビルB1
TEL:050-3469-2614
- ジャンル:塩釜おでんと仙台牛たん
- 住所: 〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-6-3日比谷頴川ビルB1
- エリア: 有楽町・日比谷
- このお店を含むブログ・クーポンを見る | 有楽町・日比谷の居酒屋をぐるなびで見る | ぐるなびでネット予約する
著者プロフィール
みやけ(@a_komotomo)
食べることと散歩が好きな平成4年生まれ。無職になりました。
阿古本という名前で絵を描いていたりもします。
ツイッター:https://twitter.com/a_komotomo
note:https://note.mu/genghis_khan