ひきこもり名人となった私 第1回

 

ぼそっと池井多:今日は『安心ひきこもりライフ』『ひきこもりカレンダー』などのご著書もある、ひきこもり名人として有名な勝山実さんにおいでいただきました。よろしくお願いいたします。

ひきこもり名人勝山実:よろしくお願いいたします。勝山実です。

ぼそっと池井多: この「ひきこもり名人」という称号は、どういうところから来ているのかなと思いまして、私も調べたのですけども、こういうヒエラルキーというか、ピラミッドがあるわけですね。

ひきこもり名人:そうです。

ぼそっと池井多:それで、いちばん下にいるのが社会的ひきこもりやニートである、と。

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ぼそっと池井多:その上に廃人・病人というのがありまして、たいていのひきこもりはここを行ったり来たりしているというのが、ひきこもり名人の御説であるわけですね。

その上に「名人」というのがあって、いちばん頂点に「涅槃(ねはん)」という位がある、と。

ひきこもり名人:そうですね。

ぼそっと池井多:すると、「ひきこもり名人」を名乗っていらっしゃるということは、最終的には「涅槃」を目指している、と解釈してよろしいでしょうか。

ひきこもり名人:そうですね。究極の安らぎの境地を目指している、と。

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ぼそっと池井多:なるほど。『安心ひきこもりライフ』という御本のタイトルもそんなところから来ているんですかね。

ひきこもり名人:うーむ。

ぼそっと池井多:涅槃(ねはん)的な安心ということで…

ひきこもり名人:まあ、後付けですけどね。

ぼそっと池井多:後付けでね。だから表紙にも涅槃の仏陀の像が…

ひきこもり名人:涅槃の、ですね。

ぼそっと池井多:こういうふうに聞いてくると、


「私はこのヒエラルキーの中で、いちばん下なのかよ。
名人に格上げされない理由はいったい何だろう」


と思うわけですよ。

そんじょそこらのひきこもりと、ひきこもり名人とは、どこがちがうんですか。

 

ひきこもり名人ひきこもりはもっともっと悪化していい、ということです。

世間的にはね、「働く」とか、「社会復帰する」とか、そういうことから、どんどん、どんどん離れていった方がいい。

 

仏陀なんてニートでしょ?
無職じゃないですか、あんなの。
乞食ですよ。

 

何も持っていない。お椀一つしか持ってない。

正解が出ているんですよ。イエス・キリストもそうですし、みんな乞食で何も持っていない。
あれが理想なのだ、と。

「働いて、稼いで」というところからどんどん離れていって、それでもう、その先に、……もう2500年前に結論が出ているんですけど。
それで私は、ああいう仏陀イエス・キリストのような働かない人たちと同じレベルまで行きたいなと思っているわけですよね。

 


「ひきこもり名人となった私(2)」へつづく