「童貞いじり」で一躍時の人となったはあちゅう氏。
彼女のハチャメチャな振る舞いについてまだご存じない方は下記のリンクからどうぞ。
さて、我々はこれまで「はあちゅうは童貞を心底見下している悪辣な人間だ」という前提で論を進めてきた。
しかし一面的な物の見方は偏った思考を生み出しやすい。
ここは一度前提を疑って、「はあちゅうは実は童貞を見下しておらず、彼らをチワワのような愛すべき存在と見なしている」という考えをベースに今回の問題を考えていきたい。
まずはあちゅう氏は、「童貞いじり」について激しい批判を受けた際、大いに困惑したことだろう。
チワワを撫でまわしていたつもりが、気づけば取り返しのつかない大怪我を負っていたのだから。
周りの人は「童貞」がチワワなどという可愛らしい生き物ではなく、一歩取り扱いを間違えると命に関わる毒を持った蛇だと知っていたため、彼女の軽率な振る舞いは失笑を買った。
「童貞」が毒蛇であると認識できないはあちゅう氏は「チワワを撫でていただけでこんな目に遭うのはおかしい!どうして私が毒に苦しまなきゃいけないの!」と叫び続けるが、ほとんどの人は彼女の自業自得だと判断してまともに取り合わない。
根本的にずれたこの認識がはあちゅう氏の支離滅裂な対応を生み出しているのだろう。
吉田豪氏は彼のブログ内において「童貞をネタにしたらいけないってことじゃなくて、童貞をネタにするには技術と気遣いが必要ってだけの話かと。」
http://tablo.jp/serialization/news002670.html
と上手く結論付けたが、これはまさしく毒蛇の例えに当てはまる。
専門知識(技術)の無い者が軽率に毒蛇の首根っこを掴めば、たちまちその毒牙を浴びることになるだろう。
まして、毒蛇を無害な愛玩動物と勘違いしている人間なら尚更。
ところで皆さんは「ヤマカガシ」という蛇をご存じだろうか。
日本に生息する、強い毒を持った蛇だ。
この「ヤマカガシ」という蛇には面白いエピソードがある。
実はこの蛇が毒を持っているという事実が発覚したのは近年で、それまではずっと無毒な蛇だと思われてきた。
「ヤマカガシ」が無毒であると勘違いされてきた要因の一つは、彼らが非常に大人しく、滅多なことでは噛みつかない性格をしていたからだと言われている。
毒を持つ蛇、と聞くと思わず身構えてしまう人も多いだろうが、毒蛇のすべてが凶暴なわけではない。
余計な手出しさえしなければ、むしろ無害な生き物と扱ってよい種も少なからず存在するのである。
話を戻そう。
我々は、はあちゅう氏の不誠実な態度を前にして「アイツは童貞を見下している」と安易な結論を下しがちだ。
そう考えたくなるは非常にわかるが、簡単に導き出した答えが正答であるとは限らない。
彼女は本当に、「童貞」を人畜無害で可愛がれる対象だと思っていたのかもしれないのだから。
もちろん、人畜無害な相手だからといって粗雑に扱っていいわけがない。
噛まれた以上は己の振る舞いにおかしな点は無かったか、大いに反省してもらいたいものである。
最後に。
本論ではあえて「童貞」をチワワや毒蛇に例えたが、実際のところ「童貞」は愛玩動物でも危険生物でもなく、はあちゅう氏と同じ人間なのである。
人間を相手にしている以上、執拗に頭を撫でくりまわす態度も毒を怖れてむやみに敵視する態度も適切ではない。
あくまで同じ感情を持った人間として、対等に接することが重要だ。
今はあちゅう氏に最も求められていることは、「童貞」と呼ばれる人たちが玩具でもコンテンツでもなく、彼女と同じ尊厳を持った人間であると認識することなのかもしれない。