転職活動で成功するためには、面接で受からなくてはいけません。
応募書類で印象の良いことを書いていたとしても、面接で評価されなければ採用されることは無いでしょう。
書類選考の通過率は30%が平均だとされていて、そこから1次面接で30%、最終面接で50%くらいが一般的です。
なので、全体的な内定獲得率は、4.5%くらいということになります。
でも、ちょっとした工夫次第で、この数値は伸ばすことが可能です。
たとえば、1次面接と最終面接の通過率を10%ずつアップするだけで、全体的な内定率は7.2%まで上昇しますね。
頑張れば10%以上も可能ですから、面接に受かるコツを知っておいてください。
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転職面接についての基本的な知識
新卒と転職面接との違い
新卒で会社に入ったときにも、面接を受けましたよね。
その時の経験があるから、「面接なんて簡単だよ!」と余裕に思っている人もいるかもしれません。
でも、新卒と中途採用とでは、面接の目的が全く異なります。
一つは、新卒時には仕事が決まっていないのに対し、中途採用では募集する職種が決定していることです。
そのため、「この仕事を任せられるかどうか」という視点で判断されます。
二つ目は、転職する理由を聞かれることですね。
新卒時は志望動機だけを語ればよかったですが、転職時には退職理由と志望動機の両方が必要となります。
この理由が不適切だったり、両者の関連性が無かったりすると、内定を受けるのが難しかったりします。
実績や論理性を問われるのが転職面接なので、勢いだけでは合格することはできません。
なので、あらかじめ周到な計画を立てておく必要があるでしょう。
転職面接では3つの視点から評価される
採用担当者は、以下の3つの視点で応募者を評価しています。
- 任せたい仕事ができる人材なのか?
- 将来的に成長してくれるのか?
- 自社の社風に合う人間なのか?
この3つのうちで、どれか1つでも欠けていてはいけません。
だから、面接で伝えるべきことは、
- 過去のキャリアを伝えて業務への適性をアピール
- 入社後にやりたいことなどのビジョンを語る
- 自分をさらけ出して人間性を知ってもらう
といったことが必要です。
これを理解していれば、面接で何を話すべきかが見えてきますよね。
ダラダラと無駄な話をしても評価は上がりませんし、必要なことだけを簡潔に話すようにしましょう。
面接官はプロではない
中途採用の面接では、1次面接で現場責任者が、最終面接では役員や社長クラスが担当することが多いです。
現場責任者による面接では、本当に仕事が任せられる人材かどうかの判断が行われます。
そして、役員・社長による面接においては、応募者の人柄を見て社風に合うかどうかが判断されるんですね。
つまり、面接官の多くは、人材選考のプロではないということです。
募集する職種内容によっては、面接官をするのが初めてといった人もいます。
そんな人が選考をするわけですから、第一印象や直感だけで決まることも多いようです。
なので、自分のアピールに自信を持っていても、ちょっとした態度やしぐさだけで不合格になる場合があります。
面接も対人コミュニケーションですから、好印象を得られるように工夫しなくてはいけません。
3つの視点から面接の対策を行う
先述の通り、中途採用の面接では3つの視点で評価が行われます。
- 任せたい仕事ができる人材なのか?
- 将来的に成長してくれるのか?
- 自社の社風に合う人間なのか?
この3つの視点から高評価を得ないと、合格ラインに達することはできません。
しっかりと要点を抑えていれば、短い言葉でも十分に自分をアピールできるはずです。
実際のところ、採用担当者は何人もの応募者の面接をしていますから、手短に話してほしいと思っています。
だから、的外れなアピールをダラダラ続けるよりも、単刀直入にポイントを絞って話すようにしましょう。
やるべき面接対策としては、以下の3つとなります。
- 自己分析で強みを見つける
- 企業分析で特徴を探る
- マッチングにより自分と企業を合わせる
これらを行ったうえで面接へ挑むようにすれば、高い確率で内定を勝ち取ることができるはずです。
順番に解説をしていきますね。
ステップ1:自己分析で強みを見つける
面接で評価される3つの視点の1つ目として、「任せたい仕事ができる人材なのか?」があります。
それをアピールするためには、自分自身について知らないといけません。
自分がどんなキャリアを歩んできたのか、どんな実績があるのか、強みや弱みは何なのか。
こういったことを明確にすれば、自己アピールの材料が見えてきます。
職場への不満から自分を知る
転職を決意するということは、職場に何かしらの不満があるということです。
全く不満がないのなら、辞める必要はありません。
たとえば、残業が多すぎるとか、給料が安い、人間関係が合わないといった理由があるでしょう。
こういったネガティブな考えの中に、自分を知るためのヒントが隠されています。
つまり、「○○が嫌だ」という考えは、裏を返すと「●●がしたい」と言い換えることができるんです。
給料が安い ⇒ 労力に見合った給料が欲しい
人間関係が合わない ⇒ アットホームな職場が良い
職場への不満を裏返すと、転職をする目的が見えてきます。
ちゃんと目的を明確にしないと、転職活動がブレてしまうかもしれません。
キャリアはエピソードで語る
自分の過去の経歴を淡々と語るだけでは、アピールとしては弱すぎます。
それは、応募書類を読んだら分かることなので、面接ではもっと違った伝え方をする必要があるわけです。
具体的には、エピソードを交えて語るのが有効ですね。
B:新規顧客の獲得と同時に、既存客のリピートを促す施策を行ったことにより、売り上げ目標を200%達成しました。
上の例だと、AよりもBの方がリアルに想像できますよね。
ただ結果を聞かされるよりも、圧倒的に説得力が高くなっています。
なので、自分の過去を振り返ってみて、色々なエピソードを集めるようにしましょう。
エピソードで語るときには、4つのプロセスに分けるのがコツです。
- どんなアイデアを考えたのか
- そのアイデアをどんな行動に移したのか
- どのような結果を生んだのか
- 結果から何を学び次に活かしたのか
このような流れで話せると、採用担当者に入社後の活躍をイメージさせることができます。
期待値も高くなりますから、合格できる可能性がアップするはずです。
実績やキャリアを伝えるなら、必ずエピソードとセットだと覚えておいてください。
弱みも強みに変えてアピールする
自己分析を始めると、自分の弱みもたくさん出てくるでしょう。
- 目立った実績がない
- スキルが圧倒的に不足している
- 失敗ばかりしている
実は、このようなマイナスポイントがあっても、プラスに変えることができます。
このやり方を知っていると、自分の武器を増やすことができるので覚えておいてください。
実績やスキルがないのなら、それを身に付けるための努力をしていることをアピールしましょう。
スキルが足りなくても、それなりの努力をしているなら評価してもらえるはずです。
また、失敗経験があるのであれば、その失敗から学んだことをアピールすることができます。
失敗を糧に成長することができる人は、どんな企業でも正当に評価してくれるでしょう。
なので、失敗を隠すのではなく、アピールの材料に変えてください。
ステップ2:企業分析で特徴を探る
面接での選考過程では、「将来的に成長してくれるのか?」といったことも吟味されます。
現在のスキルには問題がなくても、将来性が無ければ落とされてしまうでしょう。
将来性については、どれだけやる気があるかで判断されますね。
いかに積極的な姿勢で面接に臨むかで、採用担当者の反応も変わってきます。
聞かれたことだけに答えるような消極的な姿勢では、やる気があるとは思ってもらえません。
応募企業について深く掘り下げる
応募先企業の情報を細部にわたって調べておくと、やる気が高いと判断されますね。
会社の特徴が分かることで、何をアピールするべきかも見えてくるはずです。
- どんな系列の会社なのか
- 関連企業は何社くらいあるか
- 従業員の男女比率はどうか
- 扱っている商品は何か
- 顧客の性別・年齢層は
これくらいは最低限知っておくべきですし、可能ならば扱っている商品・サービスも利用してください。
実際に体験した感想を語れば、採用担当者もやる気を認めてくれます。
自分がこれから働くかもしれない企業なので、情報を収集するのは当たり前です。
少し面倒かもしれませんが、これをやるかどうかで面接の合否は大きく変わりますよ。
ステップ3:マッチングにより自分と企業を合わせる
転職面接で評価されることの最後は、「自社の社風に合う人間なのか?」といったことです。
業務スキルがあってモチベーションが高くても、社風に合わない人は採用されません。
どんな企業でも協調性を重視しますから、浮いてしまうような人は必要ないからですね。
これまでに、自己分析と企業分析は済んでいるはずなので、それを踏まえて自分と企業との接点を探っていきます。
つまり、企業が求めている人物像を明確にして、自分がその人物にふさわしいことをアピールできるようにするわけです。
私は前職で法人営業を担当しており、色々な経営者の方と接してきました。
なので、富裕層の方との人脈もあるため、私の経験を活かせると思います。
また、御社は社員の年齢層も若く、非常に活気のある企業だと存じます。
私はスピード感のある環境を求めているので、自分にピッタリだと思い志望しました。
応募企業の特徴と自分の強みをマッチングすれば、採用担当者の印象に残ります。
両者の利害関係が一致するわけですから、高確率で内定をもらうことができるでしょう。
優れたキャリアやスキルを持っていても、応募先企業との間に関連性が無ければ意味がありません。
その関連性を見つけるのが、マッチングという作業なんですね。
入念な自己分析と企業分析が必要となりますが、これをすることで内定率は大きく変わってくるはずです。
以上、転職面接に受かるためのコツを紹介しました。
やみくもに面接を受け続けても、内定をもらうことは容易ではありません。
転職活動は時間に制約がありますから、少しでも精度を高めるために準備を欠かさないでください。